コミックナタリー PowerPush - 映画「ストロボ・エッジ」福士蒼汰(蓮役)×有村架純(仁菜子役)×咲坂伊緒(原作者)鼎談
胸キュンシーンを大いに語る
2014年にアニメ化・映画化され話題を呼んだ「アオハライド」に続いて、咲坂伊緒による純愛ラブストーリー「ストロボ・エッジ」が、今年ついに実写映画化を果たす。木下仁菜子役を役づくりのため髪の毛を20cmもカットしたという有村架純、仁菜子の想い人・一ノ瀬蓮役を本作への出演を待望していた福士蒼汰が演じ、豪華なキャスティングが実現した。
コミックナタリーでは福士、有村、そして原作者の咲坂による鼎談をセッティング。2月中旬に行われた完成披露舞台挨拶の直後、原作への熱い想いや胸キュンシーンについて語ってもらった。
取材・文/岸野恵加 インタビュー撮影/笹森健一
高2のときから蓮に憧れてた
──福士さんと有村さんは、映画への出演が決まる前から「ストロボ・エッジ」を読んでいたそうですね。
福士蒼汰 俺は高2のとき後輩に薦められたんですけど、「自分がもし蓮の役をやったら?」と声に出してセリフを読み上げたりしていました。蓮にとにかく憧れていて。
──どこに憧れたんでしょうか? 男子高校生が、少女向け恋愛マンガの相手役にそこまで惹かれるって結構珍しいのではないかと。
福士 そうですね(笑)。初めて読んだ少女マンガだったということもあると思うんですけど。
咲坂伊緒 えっ……! すごいうれしい。福士くんの初めてゲットだ!
福士 はは(笑)。少年マンガよりはリアルというか、実際に学校生活で起きることが出てくるので、面白いなって思ったんです。キャラクターもみんなかわいいし、カッコいいし。蓮は優しいんですけど、それを強く主張しない、さりげないところが好きです。でも演じるとなるとまた違って。自分がこれまで演じてきた中で一番難しかったです。何かを強く主張するタイプではないからセリフの量が少ないんですけど、だからといって感情が動いていないわけではないので。「ここではまだ仁菜子を好きではない」「ここは好きだけど思いを押し殺してる」など、気持ちをどこまで見せていくかは監督と相談しながら演じていきました。
咲坂 福士さんに演じていただけてうれしかったです。もともと読者さんからも「実写化するなら蓮はこの人がいい!」っていうお手紙がバンバンきてて、たくさんの人の名前が挙がってたんですけど、「あ、この人が蓮!」って私が思ったのは福士さんだけだったので。
福士 恐縮です。ありがとうございます。
──有村さんは仁菜子という役をどう作っていきましたか。
有村架純 彼女のすごく純粋で素直で、でもちょっと天然でドジっていう抜けた感じが、やろうとすると計算高く見えちゃって。そういうのはやっぱり嫌だったので、どういう仁菜子でいればいいのかを考えたときに、蓮くんが好き、っていう思いだけを大事にすればいいんじゃないかなと思いました。好きな気持ちが一生懸命な姿勢につながっていくと思ったので、その思いだけは大切にしよう、と。
咲坂 そこらへんのバランスを考えてやってくださってるのがわかったので、すごいなって思いました。やっぱりフワフワと喋りすぎると、1時間数十分も観てられないと思うので。
有村 ふふふ。廣木監督のおかげです。
──おふたりの演技は先生にとってどう映りましたか。
咲坂 大満足です! 隅から隅まで。
有村 良かった……。
福士 はー。先生の反応聞くのが一番緊張します(笑)。
背後からの腕まくりは照れました
──福士さんと有村さんは「あまちゃん」「スターマン・この星の恋」「弱くても勝てます~へっぽこ青志先生と高校球児の野望~」に続いて今作が4度目の共演となるわけですが、蓮と仁菜子は作中で徐々に距離を縮めていきますよね。お互いをよく知っているからこそ、ピュアな感情を生み出すのに難しさはなかったですか?
有村 うーん。私はそんなになかったですね。
福士 撮影が新潟から始まって、最初は一緒のシーンがあまりなかったんです。こちらに帰ってきてから徐々に増えてきたので、撮影の順番が気持ちの流れを助けてくれた気がします。
有村 そうだね。……照れるシーンはありましたけど。あの、腕まくりのところとか。
──借りたダボダボのパーカーの袖を、仁菜子の背後から蓮くんがまくってくれるシーンですね。
福士 あれはなかなかないシチュエーションですよね(笑)。
咲坂 よく考えたなって思います。
福士・有村 あははは(笑)。
有村 ああいうキュンとするシーンって、どういう感じで思い浮かぶんですか?
咲坂 そうですね。自分が学生時代に友達から聞いたエピソードとか、自分が体験したことはもちろん入れてますけど。マンガらしさも加えて、どうしたらより一層キュンキュンするかなって考えながら作っていってます。
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あらすじ
まだ恋をしたことのない、高校1年生の木下仁菜子。ある帰り道の電車の中で、学校中の女子から人気を集める同級生の一ノ瀬蓮と出会う。少しずつ会話を交わすようになる蓮と仁菜子。クールに見える蓮の優しい言動、笑顔に今まで感じたことのない気持ちを感じる仁菜子は、自分が蓮に恋をしていると気付く。しかし、蓮には中学の時から付き合っている年上の彼女・麻由香がいた……。
キャスト・スタッフ
- 一ノ瀬蓮:福士蒼汰
- 木下仁菜子:有村架純
- 安堂拓海:山田裕貴
- 是永麻由香:佐藤ありさ
- 是永大樹:入江甚儀
- 杉本真央:黒島結菜
- 原作:咲坂伊緒「ストロボ・エッジ」(集英社マーガレットコミックス刊)
- 監督:廣木隆一
- 脚本:桑村さや香
©2015映画「ストロボ・エッジ」製作委員会 ©咲坂伊緒/集英社