バチバチどころか、キャスト同士は仲良しそのもの(内田)
──アフレコ現場はどんな雰囲気ですか?
内田 “男子校”ですよね。戌尾ノ台高校自体は共学で、女性キャストもいるんですが、アフレコ現場は男性だらけです。
古川 毎回15人以上の男性キャストで収録しているので(笑)。
──おふたりが気になっているキャラはいますか?
内田 僕は雪光が気になるかなあ。「自分の美しさを自覚している美形」というキャラクターなんですが、いつからあんなに美意識高いのか知りたい(笑)。
──花江夏樹さんが演じている望月雪光は戌尾ノ台高校の3年生で、弟が2年生の暁光です。そういえばこの作品、ちらほら「兄弟」がいますよね。
内田 野島裕史さんと野島健児さんという実の兄弟のおふたりが演じている、中帝大附属上前津高校の石川兄弟とかね。あの兄弟は気になるところしかない!
古川 彼らの存在感はすごい。
内田 「父親がコーチを務めている」という設定含めて強い(笑)。
──個性的なキャラクターばかりで本当に楽しみです。ぜひ聞いておきたいのが、もう1人のメインキャラクター・篠崎を演じる神谷浩史さんとの関係なんですが……アフレコ現場でもバチバチしてますか?
古川 全然!(笑)
内田 バチバチどころか、キャスト同士は仲良しそのものです。
古川 この前も神谷さんから「手首の力の入れ方」を教わりました。
──それはいったい?
内田 声が出やすくなる手首のストレッチ法を教えていただいたんです。とても優しい先輩です。僕がプロテインバーを薦めた次の週には「買ったよ!」と報告してくださってすごくうれしかった。
古川 神谷さんにそんなこと言われたらめちゃくちゃうれしい。次は温泉水だ!(笑)
内田 みんな、僕がいいよとお勧めすることをどんどん取り入れてくれるので、うれしくてどんどん教えちゃう(笑)。平和な現場です。
とてつもない「熱量」と、唯一無二の「表現」をかけあわせた作品(古川)
──そのチームワークによって作品ができあがっていると。谷口総監督とは現場でどんなやり取りをしていますか?
内田 アフレコに入る前にいただいた話が印象に残っていますね。谷口さんって、収録が始まる前にキャストを集めて必ずご自分で説明をされるそうなんです。「スケスタ」でもその前打ち合わせがあったんです。いろいろなお話をいただいたのですが、前島に対して「男子に好かれ、女子に嫌われるキャラクター」とおっしゃっていて、なるほどと思いました。「どういう例え?」と最初は思ったのですが(笑)、まっすぐバンと進んでいく求心力のあるキャラクターを言い表していて、周りを見ないことを「女子に嫌われる」と表現したんだろうなと。流石井は逆のことを言われてたよね?
古川 「男子から蛇蝎のごとく嫌われるキャラクターです」と言われましたね。
──(笑)。
古川 開口一番言われて、ちょっと戸惑いましたが(笑)、進めていくとやっぱり僕も「なるほどな」と思う部分はありました。でも、2歩3歩と踏み込んでみると同性でも好きになってもらえる部分もあるかなと思うので、流石井の徹底的にやっているところや詰めに詰めているところを男女問わず魅力に思ってもらえればなと思って、演じています。
内田 「アツいお話を作りたい」ということも話していただきました。濃くて尖っているキャラクターばかりなんですけど、彼らがスケートリーディングという1つの目標に対して、違う方向、熱さ、ベクトルで向き合っていくところに、少年マンガ的な熱さがありますよね。アフレコ中も「もっとキレてください!」「もっと強く意志を出して」と何度も言われました。
古川 1人ひとり形は違えど、河原で殴り合った後に握手するような友情ばかりだよね。利害関係もあるし、ライバル心もあるし。それが物語のいろんなところに入ってくるのが「谷口さんらしさ」だなあと。「スクライド」や「コードギアス」とかにも通じますよね。みんな何かしらの癖が強いから、役のうえでのコミュニケーションが大変なんですけど(笑)。
内田 みんな癖が強いよね。
古川 「個性豊かなキャラクターたちがぶつかり合いながら前に進みます」というのは谷口さんの作品ならでは! とてつもない「熱量」と、スケートリーディングという唯一無二の「表現」をかけあわせた作品なので、楽しみにしてほしいです。
内田 世の中にないものを一から「創造」しているので、あれこれ想像しながら放送を待っていてほしいです!