後藤と校舎にラクガキしたら……(福徳)
──ところで、おふたりは絵を描くことってお好きですか?
福徳 下手ってよく言われますけど、絵を描くのは好きです。今も、幼稚園のときに描いたイチョウの木の絵を額縁に入れて部屋に飾ってます。額縁ってすごいですね。なんでもアートになる。
後藤 僕も子供と一緒にお絵描きしたりしますね。
福徳 そういえば高校のとき、後藤と一緒に校舎にラクガキしたことあったよな。で、先生が来てしまって僕だけしばかれて。
──そのとき、後藤さんはどうされてたんですか?
後藤 僕は……。
福徳 逃げてました。教室入っていったの見てました。
──あはは(笑)。今ここに、描いたものが具現化されるミラクルクレヨンが本当にあったらおふたりは何を描きますか?
後藤 うーん、人間を描いてみたいですね。特定の誰かっていうより、適当に思いついた顔と身体を。どんな性格の人が生まれてくるのか試してみたいです。
福徳 僕の車、ちょっと特殊でドリンクホルダーが付けられない構造なんですよ。市販のドリンクホルダーだと一切ダメで、ホームセンターで物揃えて自分で作ってみたこともあるんです。灰皿みたいな場所にうまく挟まるようにしたつもりなんですけど、結局それも失敗して。だから僕の車に合うドリンクホルダーを描きたいです。
ラクガキ離れした世代にきっと響く(後藤)
──後藤さんは結婚9年目で2人のお子さんがいらっしゃって、福徳さんは昨年9月にご結婚されました。おふたりは、野原一家の魅力ってなんだと思いますか?
福徳 なんだかんだ、ひろしとみさえが愛し合ってるところですかね。今回の映画にあった朝の何気ないシーンとかでも、これが夫婦っちゅうもんかってポッとあったかくなりました。あんな夫婦に憧れます。
後藤 仲がいいというか、ちゃんと心でつながってますよね。
福徳 それに兄妹も。僕、「クレヨンしんちゃん」の中でひまわりの名前を決める回が一番好きなんです。家族各々が自分で考えた名前を紙に書いて、それを紙に飛行機にして一番長く飛んだものを採用するという。結局しんちゃんが勝って、絶対ろくでもない名前やってみんな思ってたら「ひまわり」って。なんか、ジーンときますよね。
──では今回の映画で新たに発見した、しんのすけの魅力ってありますか?
福徳 絶対に涙は見せないところですかね。涙を堪えてるシーンで、そういえば今まで泣いたことあったっけってふと思って。そういう部分、(明石家)さんまさんに近いものがあるなと感じます。
後藤 5歳にして成熟してますよね。大人たちが壁に貼り付けられてて、きっと子供だったら親とかななこお姉さんとか自分に関係ある人をまず助けたいって思うじゃないですか。でもそんなの関係なしに、見ず知らずの人を次々と救っていく感じ。ほんまのヒーローに見えました。
──最後に、この映画からどんなメッセージを受けましたか?
後藤 ラクガキ、大切にせなあかんなって。家でも子供が適当に描いた絵とか捨てちゃってますけど、ちゃんと取っておこうって思いました。
福徳 ラクガキングダムの人から子供たちが無理矢理ラクガキさせられているとき、まさおくんがあるマンガのヒーローを描いたら怒られたじゃないですか。既存のものは欲してないんですよね、ラクガキングダムは。自由に描いていいんだよ、自由な発想こそがいいんだよっていうメッセージを受け取りました。
後藤 きっと、ラクガキ離れした世代が観たら響きますよね。
福徳 うん、教科書の歴史的人物の顔にもイタズラ描きしなくなった頃。ぜひ中学1年生に観てほしいです。
後藤 ピンポイントやな(笑)。
2021年3月10日更新
誰やねん!
ひろし。
リアルに下手やん。