ジャルジャルが語る「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」|やっちゃえば? やっちゃえば? 自由にラクガキやっちゃえばー!

「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」のBlu-ray / DVDが発売された。「映画クレヨンしんちゃん」シリーズ28作目となる同作は、自由なラクガキをエネルギーとする王国・ラクガキングダムに春日部が侵略されるところから物語がスタート。しんのすけはラクガキングダムの姫が地上へ託した秘宝“ミラクルクレヨン”を手に、個性豊かな勇者たちとともに戦う。

コミックナタリーではBlu-ray / DVDの発売に合わせ、ジャルジャルにインタビューを実施。「クレヨンしんちゃん」が自身にとってお笑いのルーツであるという福徳秀介と、現在も子供たちと「クレヨンしんちゃん」をよく観ているという後藤淳平はこの映画から何を感じ取ったのか。またラクガキをテーマにした同作にちなみ、メインキャラクターである勇者たち4人のイラストも描いてもらった。

なお映画のストーリー本編に関する内容も含まれているので、鑑賞前にネタバレを見たくない方はご注意を。

取材・文 / 西村萌 撮影 / 曽我美芽

しんちゃんはとんでもないギャガー(福徳)

──おふたりとも、「クレヨンしんちゃん」はよくご覧になっていましたか?

後藤淳平福徳秀介 はい!!

福徳秀介

──福徳さんはあるインタビューで、「クレヨンしんちゃん」はご自身にとってお笑いのルーツだとお話されていましたね。

福徳 そうですね。冷静に考えて、しんちゃんってとんでもないギャガーじゃないですか。もし芸人だったら、どんなシーンでもギャグにできる。それこそ“ケツだけ星人”なんて一発でめちゃくちゃ盛り上がりますし、何か言い間違えたときは「そうともゆー」って返せばいいですし。子供の頃はなんとなしに楽しんでましたけど、大人になってからはDVDを買ってお笑いの勉強として観てましたね。

後藤 僕は今でも家族でよく観ます。子供が生まれてからは、映画もほぼ毎年観に行ってますね。ただ「しんちゃん」の影響なのかわかんないですけど、“父親は臭いもの”というふうに扱われるんです。ひろしは足ですけど、僕なんか最近は顔を匂われて「くっさ!」って言われて。冗談でやってんのか本気なのか、内心めちゃくちゃ不安です……。

ジャルジャル
福徳秀介

ぶりぶりざえもん、ほんまに腹立つ(後藤)

──「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」をご覧になっていかがでしたか?

「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」より、ぶりぶりざえもん。
「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」より、ブリーフ(左)としんのすけ(右)。

福徳 いやあ、最高でしたね。

後藤 やっぱり「クレヨンしんちゃん」ファンとしては、ぶりぶりざえもんが活躍するってことがうれしかった。

──ぶりぶりざえもんが劇場版に登場するのは16年ぶりだったそうです。

福徳 そんな久しぶりだったんですね。

後藤 いっぱい笑わせてもらったけど、ほんまに腹立ちますもんね。しんのすけを何回裏切んのか!

福徳 僕はブリーフが好きでしたね。特に、旅の途中でカレーを食べてる姿が印象的でした。ブリーフ、そこが口なんやっていう。下着が茶色で汚れるときって本来は後ろ側ですけど、前側っていうのがまた上品さを感じられてよかったです。

「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」より。後部座席に座っているのがニセななこ。

後藤 独特な視点やな(笑)。でもキテレツなビジュアルに反して、立ち位置はツッコミ役というのも面白いですよね。しかも新品じゃなく、2日目のパンツっていう。

福徳 ニセななこは、ちょっと不気味な部分もありましたよね。ぶりぶりざえもんがみんなで乗っていた車から投げ飛ばされそうになってるときも、なんで近くにいるのに助けへんの?って。でもそこで、この人が持っているのはしんのすけのことが好きっていう感情だけなんや!って気付きました。

後藤淳平

ニセななこ、最後絶対消えるやん……(後藤)

ジャルジャル
ジャルジャル

──笑いあり涙ありの同作ですが、笑顔になったシーンはどこでしょう?

福徳 僕はみさえが壁に貼り付けられたのに、ひまわりが泣くそぶりもなくその上からラクガキするシーンですかね。そんな状況、大人だったらどうしようって焦るじゃないですか。でも子供だからお母さんの顔にラクガキできるなんてむしろ楽しいって思うんやって想像したら、なんかかわいくて笑っちゃって。

後藤 ラストの「やっちゃえば? やっちゃえば? やっちゃえやっちゃえやっちゃえばー!」って、街のみんなでラクガキしながら歌い出すところはこっちも楽しくなりました。あと全体的にですけど、春日部の子供たちが描いた本物のラクガキが劇中に使われているっていうのもすごいアイデアですよね。

──ではウルっとしたシーンを教えてください。

後藤淳平

後藤 やっぱり、ニセななことお別れのシーンは感動しました。ミラクルクレヨンで生み出したものは水に濡れたら消えるっていう設定が出てきた時点で、もう絶対最後いなくなるやん……って思ってたんです(笑)。予想はついてましたけど、それでも泣きそうになりましたね。

福徳 僕は、しんちゃんが冒険してる最中の心情を想像したら泣きそうになりました。ななこお姉さんを助けるっていう名目でずっとがんばってるけど、お母さんに会いたいって気持ちがほんまはどっかにあるんやろなって。最後にやっと会えたとき、みさえのほうから抱きついてましたけど、しんちゃんの表情からうれしそうなのをなんとなく読み取れて。やっぱお前子供やなって、愛おしくなりました(笑)。

ジャルジャル

2021年3月10日更新