最終的に平野さんと鍵くんが結ばれて、本当の家族になっていくところまで演じられたら（島崎）

──せっかくの機会なので、春園先生からおふたりに聞いてみたいことがあればぜひ。

春園　今後もおふたりに平野さんと鍵くんを演じていただきたいという野望も兼ねてお聞きしたいんですけど、この機会に演じてみたいシーンや掛け合ってみたいキャラクターを教えていだだけませんか。

島﨑　僕的には鍵くんの両親がとても仲がいいのが好きだから、鍵くんと彼のファミリーがどんどん絡む話をいつかやってみたいです。鍵くんファミリーに限らず、平野さんやそれぞれの家族が登場する話も気になるし。最終的に平野さんと鍵くんが結ばれて、本当の家族になっていくところまでやれたらいいかな。

松岡　なるほど、ブライダルまでいくか。

春園　ブライダル（笑）。

島﨑　ifでも夢オチでもいいから、演じられたら楽しそうだなって。あと鍵くんでもう1個好きなのが、ちゃんとバスケでスポ根しているところ。普段は平野さんのことばかりなんですけど、ちゃんとバスケに向き合う熱い面も併せ持っている。そんなバスケサイドのエピソードもいいですね。

松岡　こういうのは？バスケの試合のときに鍵パパが応援に駆けつけるんだけど、あまりにも鍵くんにそっくりで、平野さんが間違えるとか。「あれ、なんか鍵くん背が低くなってね？」って。

島﨑　そこで後ろから鍵くんが「平野さーん」ってやってきて、平野さんはようやく目の前にいる人物が鍵くんじゃないことに気付くみたいな。

──新たなシーンが誕生しました（笑）。

春園　ありがたいです。ありがとうございます。

島﨑　あとは扉をきちんと閉めてくれないから軽く喧嘩するとか。ドラマチックじゃないんだけど、生活感を感じる何気ないシーンが好きなので、結ばれて成就したその後の日常もぜひ覗いてみたいです。

松岡　洗濯機を使ったら、カビが生えるから洗濯機の蓋はちゃんと開けておいてとか。

春園　ドレッシングは使い切ったら教えてとか（笑）。

島﨑　そうそう、そういうの！先の長い将来的な話かもしれないけど、たまにでもそういう彼らの人生が垣間見ることができたら、うれしいよね。

──松岡さんと島崎さんから、先生に聞いてみたいことはありますか？

松岡　「平野と鍵浦」はアニメ化したいですか？

春園　していただけたら、うれしいです。

松岡　しましょう！

モヤモヤもムズムズもずっと見守っていたくなる（松岡）

──今後もさまざまな展開が待ち受けている「佐々木と宮野」ですが、「佐々木と宮野」「平野と鍵浦」両作品のファンの方へメッセージをいただけたらと思います。

松岡　この作品を観ていると、共感する部分がたくさんあると思うんですね。相手を好きな気持ちやその気持ちを積み重ねていく過程、好きだからこそ言えないというところに、ムズムズするような、そしてモヤモヤするような、「そこだーっ！」って背中を叩いてあげたくなるような。そんな気持ちにさせてくれますし、そのやりとりをずっと見守っていたい気持ちにもなる作品だと思います。アニメーションのほうはひとまず最終回を迎えましたけど、原作では彼らの純愛はまだまだ続いておりますので、その先を知りたいという方はそちらを読んで、新作アニメを待っていただけたら。

島﨑　もともとBLに偏見はないんですけど、僕の中でまた1つ扉が開けたというか、風通しをよくしてくれた作品です。登場人物たちみんながみんな、相手を思いやっていて、“ゆるキュン”っていう言葉がすごくぴったりな優しい世界だなって、改めて感じました。だからこそここの学校に通いたいなとか、このグループに入りたいなとか、自分もこういう青春を送りたいなって思えるし、性別も年代も関係なくみんな楽しめる作品だと思います。アニメ、ドラマCD、マンガ、小説、入り口はなんでもいいので、もっと多くの方に触れてもらいたいですし、前向きなものが残る作品なので、お友達やご家族といった自分の周りの人とも共有して一緒に楽しんでいただけたらうれしいです。

春園　マンガ制作って私の脳内とアシスタントさんの技術、担当さんの助言、知識によって整えられていく、少人数で作り上げていくものなんですけど、読者の皆さんがともに楽しんで応援してくださったおかげで、ドラマCDになったりアニメ化されたりと、多くの方に携わっていただける作品となりました。またそういった媒体を介すごとに、さらにいろんな方々の経験・技術が加わり、原作の補完をしていただけたことで、よりたくさんの方が楽しめる作品にどんどん進化していったのかなと感じています。「佐々木と宮野」9巻特装版のOVAは、平野さんと鍵くんの交流もしっかりと描かれるので、ぜひお手に取ってみてください！

──ありがとうございます！最後によろしいでしょうか？実は前回インタビューを行った、佐々木秀鳴役の白井悠介さん、宮野由美役の斉藤壮馬さんから、松岡さんと島﨑さん宛に「好きなピザの具はなんですか」という質問を預かってきまして。

松岡　好きなピザの具……？

──経緯としましては、暮沢丞役の新井良平さんが毎回必ずアフレコ現場に「PIZZA」と書かれたTシャツを着てくるということから、この質問が持ち上がった次第です。白井さんはマルゲリータ、斉藤さんはゴルゴンゾーラと蜂蜜のピザが好きだそうですが、おふたりはどんな具が好きですか。

松岡　僕はチーズそのものが大好きなので、チーズで。

島﨑　ええ、なんだろう……マヨコーンかな。新井くんといえばピザTも印象的だけど、ドラマCDのアフタートークのときを思い出すんだよね。みんな割とその場の流れで話していると思っているのですが、彼はしっかり考えて準備をしてきていて偉かったなって。

松岡　そんなこともあったね。確かにめちゃくちゃ話の流れを考えて広げていた気がする。

──前回聞きそびれてしまったんですが、春園先生はピザの具は何がお好きですか？

春園　アンチョビが乗ったピザが好きです。

島﨑　おしゃれ！

春園　アンチョビをトッピングできるピザ屋さんがほぼないので、たまに作りはしますけど、いつもはほぼドミノ・ピザに頼っています……すみません、私が足りないせいで話が盛り上がらず。

松岡　いやいやそういう変化球がほしかったんですよ。僕らの答えがチーズとマヨコーンであまりにも鉄板すぎるから、話が広がらない。

島﨑　それ言ったら、そもそもなんでピザの話なのかっていうところに戻らなきゃいけなくなっちゃうから。

松岡　それはほら、「佐々木と宮野」だからですよ。

島﨑　（笑）。関係ない関係ない、「佐々木と宮野」はピザ一切関係ない（笑）。

春園ショウ（ハルソノショウ）: 6月12日生まれ。2016年2月、pixivで発表していた「佐々木と宮野のちょっとした話。」を連載化した「佐々木と宮野」をWebマンガサイト・ジーンピクシブで連載開始。現在も連載中で単行本は8巻まで刊行されている。月刊コミックジーン（KADOKAWA）で同作のスピンオフ作品「平野と鍵浦」、月刊コミックZERO-SUM（一迅社）で「舞台に咲け！」を連載中。

松岡禎丞（マツオカヨシツグ）: 9月17日生まれ。北海道出身。アイムエンタープライズ所属。主な出演作に「ソードアート・オンライン」（キリト役）、「冴えない彼女の育てかた」（安芸倫也役）、「ノーゲーム・ノーライフ」（空役）、「五等分の花嫁」（上杉風太郎役）、「弱虫ペダル」シリーズ（青八木一役）、「鬼滅の刃」（嘴平伊之助役）、「東京リベンジャーズ」（三ツ谷隆役）などがある。趣味は歌唱、創作料理、スノーボード、ジョギング、散歩。

島﨑信長（シマザキノブナガ）: 12月6日生まれ。宮城県出身。青二プロダクション所属。主な出演作に「Free!」シリーズ（七瀬遙役）、「ソードアート・オンラインアリシゼーション」（ユージオ役）、「ダイヤのA」（降谷暁役）、「バキ」（範馬刃牙役）、「ブラッククローバー」（ユノ役）、「フルーツバスケット」（草摩由希役）、「ましろのおと」（澤村雪役）、「Fate/Grand Order」（藤丸立香役）などがある。趣味はゲーム、お菓子作り、ハーブティー、水泳。

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※記事初出時より一部表現を修正しました。

TVアニメ「佐々木と宮野」

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スタッフ

原作：春園ショウ（『佐々木と宮野』MFCジーンピクシブシリーズ / KADOKAWA刊）

監督：石平信司

助監督：上野壮大

シリーズ構成：中村能子

キャラクターデザイン：藤井まき

美術監督：黛昌樹

色彩設計：桂木今里

撮影監督：近藤慎与

編集：白石あかね

音響監督：はたしょう二

音響効果：出雲範子