アニメ「さらざんまい」 PR

宇垣美里が語る アニメ「さらざんまい」|幾原邦彦が贈る“つながり”と“欲望”の物語を、宇垣美里はどう観たか(ネタバレ注意)

「さらざんまい」から受け取ったメッセージ

──これまでの幾原作品同様、「さらざんまい」もネット上では考察で盛り上がっていましたが、宇垣さんは作品を見ながら考察されたりしますか?

考察するのは好きなんですが、インターネットで詳しく調べるというより、自分のなかで「あれってこういう意味だったのか」「これってこういうことなのかな」って考えたり、自分で伏線を見つけたりするのが好きですね。公式の見解もあまり気にしないというか、答え合わせとしては楽しいですが、本でもアニメでも作品の解釈は受け取る側の自由だと思っているので、「自分の答えはこうだ」って思ったらそれで充分じゃないかなと思います。

──では宇垣さんは本作から、どんな答えを受け取ったんでしょうか。

そうですね……最終話でサラちゃんと春河が会話していた、あのセリフがすべてじゃないかなと。

「さらざんまい」最終話より。

「忘れないで。
喪失の痛みを抱えてもなお、欲望をつなぐものだけが、
未来を手にできる」(吾妻サラ)

「わかったよ。僕が選ぶんだ。
僕は、僕の選んだものを信じるよ」(春河)

私たちはもう“つながる”手段を得てしまって、今さらスマホのない時代には戻れないですけど、そもそも太古の時代から、人間はつながっていたはずで。“つながり”がないと人は人であることすら保てない、欲望がなくなったら存在自体が消えてしまう。一稀たちもつながって、傷ついて、見せたくないところも見せなきゃいけなくて、でもきっとそれで救われた部分もあったと思うんです。

──確かに、そのセリフが示す内容が一貫して描かれていたんじゃないかと思います。そういう意味では、これまでの幾原作品の中で一番わかりやすかったんじゃないかなと。

そうかもしれません。観ている間は「これなんだろう?」って思う部分もあるんですけど、大枠として「結局なんだったの?」って感じはなかったですよね。答えがすごく明示されていた作品かなと思います。つながりのなかで傷付きながらも生きなきゃいけないよね、ってお話かなと私は思いました。

「さらざんまい」最終話より。

──幾原監督作品の入門にもいいかもしれないですね。

キャラクターもかわいいし、そもそも映像自体が面白いので、それだけでも十分楽しめると思います。幾原監督の作品を観たことがないという人でも、余すところなく幾原ワールドを満喫できますし、どんどん次が観たくなるような目の離せない作品なので、あっという間に観られるんじゃないかな。

幾原監督が次に何を選ぶのかが気になる

──オンエアは終わりましたが、9月には池袋で「さらざんまい展」の開催が決まっています。宇垣さんはアニメの展示イベントなども行かれることはありますか?

行きます、行きます。それこそソラマチで開催されていた「幾原邦彦展」も観に行きました。「セーラームーン」や「ウテナ」から「さらざんまい」まで全作品の展示があって、資料もたくさんあって、あと幾原監督が学生時代に授与された表彰状とかもあったりして(参照:「幾原邦彦展」GWに開催決定!ウテナ・ピンドラ・ユリ熊嵐のニコ生一挙放送も)。

──そんなものまで(笑)。

幾原監督の昔のお写真なども展示されていたんですが、昔から幾原監督は幾原監督だなって思いました。「さらざんまい」のコーナーには人力車に乗れるコーナーもあって、乗って写真を撮りましたね。すごく楽しかったです。原画とかコンテを見たり、その横に書かれている細かい文字を読んだりするのも好きなんです。

──幾原監督の作品を観ると、頭の中がどうなっているのか知りたくなりますしね。「さらざんまい」のBlu-ray1巻にも特典として第1話の絵コンテがまるまる収録された冊子が入っていて、これも内容が濃くて。

宇垣美里

(受け取りながら)わ、重い! 絵コンテって展示では割と見ることができますけど、あんまりまるっと1話が手に入ることってないですよね。幾原監督の作品は、「何からこのインスピレーションを得ているの?」って毎回思うんですよ。今回も「そもそもどこからカッパが出てきたんだろう?」って(笑)。

──発想がすごいですよね。ちなみに宇垣さんは、今後幾原監督に「こんな作品を作ってみてほしい」「こんな題材を扱ってみてほしい」と思うものって、何かありますか?

そんなおこがましいことは言えないです! 幾原監督に関しては、どんなものを作ってほしいとかじゃなくて、「何が降ってくるんだろう」って感じなんですよ。「なるほど、次はこれを選ばれたのですね!」みたいな。それに、いつも何かしら社会的な背景を主軸に置いていらっしゃるので、次に監督が「これは」って思うことってなんだろう?って思うんですよね。次はどんなテーマを選ばれるのか、今から楽しみです。