ピンガ presents 高杉真宙と振り返る 2017年のWebマンガ

ハードル高すぎ! 材料は“羊一頭分くらい”

──3作品目は、高杉さんが大ファンという森薫先生による「みんなで作ろう!中央アジアクッキング」です。本作は2017年9月に外務省の「中央アジア+日本」対話ページ内で始まったもので、中央アジア5カ国をイメージしたキャラクターたちに、日本がおいしい中央アジア料理を教わっていくという内容です。連載開始時にはコミックナタリーでも大きな反響がありました(参照:森薫が中央アジア料理マンガを描き下ろし!外務省サイトで連載スタート)。

僕の大好きな「乙嫁語り」でも料理の描写が結構あって、いつも細部まで丁寧に描かれていて感動してるんです。だから料理にスポットを当てた森薫先生のマンガっていうのはファンとしてうれしかったですね。

「みんなで作ろう!中央アジアクッキング」第1話より。

──高杉さんから見て、これまでの森先生の作品と比べてどうですか?

新鮮さもありつつ、やっぱり森先生らしさが残ってるなあと。森先生ってセリフよりは絵で魅せる印象だったんですが、今回はレシピ紹介なので言葉が多い。でも衣装の描き込みとかは、デフォルメタッチのマンガになっても相変わらずきれいでさすがだなと思いました。

──ちなみに現在公開されている3話までに、中央アジアで共通して食べられる炊き込みご飯「プロフ」やタジキスタンの蒸し料理「マンティ」、カザフスタンの串焼き「シャシリク」などが登場しました。作ってみたい、作れそうな料理はありました?

普段全然料理をしないんですよ。だからどれも初心者にはハードルが高くって。

「みんなで作ろう!中央アジアクッキング」より、カザフスタンの伝統料理「シャシリク」のレシピ。肉に調味料やスパイスを漬け込み、串焼きにして食べる。

──味も想像つかないものが多いですもんね。

しかも「シャシリク」は“羊一頭分くらい”を使って作れたらベストという……。材料を手に入れるのが大変すぎる!(笑)

──確かにそうですよね(笑)。では、例えば中央アジアの料理以外で、森先生に描いてほしいものはありますか?

そうですね、森薫先生が描く日本料理はすごく見てみたいです。もともと日本料理って繊細なイメージなので、それが森先生の手にかかったときどう表現されるか気になります。食事だけでなく、和菓子もいいですね。

なんだかんだ、裏道って面倒見がいいと思うんです

「妄想テレパシー」より、中野さんがまなみに自分がテレパスだと打ち明ける場面。

──連載コラム「友だち ほしすぎ まひろ」は、Webマンガの中から友達になりたいと思うキャラクターについて語るという企画でした。今回読んでいただいた3作品の中で、友達にするなら誰になりますか?

うーん……迷いますけど、「妄想テレパシー」の中野さんか、「うらみちお兄さん」の兎原ですね。

──中野さんはどうしてですか?

心の声を読んでもらって、自分は声を発さずに会話するという体験をしてみたいんです。作中で東まなみが「あ、便利!」って言ってたので、どんな感じかなあと。

──周りからすると不思議な光景ですよね。一方、兎原を選んだ理由は?

「うらみちお兄さん」より、裏道に対し逆らいたいけど逆らえない兎原と、逃げるのがうまい熊谷。

兎原の裏道に逆らえない、ザ・後輩!的な立ち回りが好きなんです。割と普通の感覚を持った青年として、裏道に睨まれながらもツッコミを入れたいです(笑)。

──(笑)。裏道と友達になろうとはしないんですか?

どうでしょう、なんだかんだ裏道と話したら仲良くなれそうです。ブラックな性格ですけど、実は面倒見がいいと思うんですよ。後輩連れて飲みに行ったりとか、休日に突然家にやってきても招き入れたりして、意外と優しいところもある愛すべきキャラクターだなあと思ってます。

高杉真宙

今読みたい、5つのタイトルは?

──今回読んでいただいた3作品以外に、今年ハマったWebマンガはありますか?

女子高生が異世界に飛ばされて、蜘蛛に転生してしまう「蜘蛛ですが、なにか?」はハマりました。最弱の種族である蜘蛛はたくさんの敵に狙われるんですけど、なんとか頭を使いながら生き抜こうとするんですよ。「まあ、いっか」が口癖の楽天的ともとれるポジティブな性格で、戦いを重ねるうちに最強になっていくのが面白かったですね。もともと単行本で読んでたんですけど、ピンガさんのTwitterで最新話の更新情報を見つけて、それからWebで続きを追うようになりました。

高杉真宙

──お役に立ててよかったです。

やっぱりWebマンガだと、かさばらないのがいいところですよね。どうしても紙媒体は量が増えてくると置き場所に困ることもあるので。あと書店で探すより、目当ての本を見つけやすいっていうのは自分の中で結構大きいです。いろんな作家さんのマンガが一覧でズラっと見られるのも魅力だと思います。

──なるほど。ちなみに今ピンガでは、3100作品以上のWebマンガを取り揃えているんです。ラインナップを見て、何か気になるタイトルはありますか?

「トモちゃんは女の子!」は読んでます。あと「転生したらスライムだった件」は連載コラムで紹介させてもらった作品で、異世界ものが好きになったきっかけですね。……あ、「文豪ストレイドッグス」ってWebでもやってるんですか?

──「文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人 VS. 京極夏彦」ですね。外伝小説をコミカライズした作品です。

へえ、外伝なんてあったんですね。あと「僕の名前は少年A」も引っかかるタイトルです。

高杉真宙

──連載スタート時に結構反響があった作品です。

「ポプテピピック」も読んだことはないんですけど、今盛り上がってるのでチェックしておきたい気持ちはあります。「カフェインガール」と「天久鷹央の推理カルテ」も面白そう……挙げたらきりがないですね(笑)。

無料で使えるWebマンガ更新チェッカー
ピンガ

いろいろなWebサイトのマンガを読んだり、好きな作品の更新情報をチェックしたりすることができるWebサービス。2017年12月時点で、179サイトから計3100作品以上が取り揃えられている。編集部でテーマ別にピックアップした作品の紹介や、最新のWebマンガニュースも用意されているので、お気に入りのWebマンガを見つけてみては。

高杉真宙(タカスギマヒロ)
1996年7月4日生まれ、福岡県出身。2009年上演の「エブリ リトル シング'09」で俳優デビュー。2012年公開の「カルテット!」で映画初主演を飾り、その後テレビドラマ「35歳の高校生」「仮面ライダー鎧武/ガイム」などで注目を集める。2014年公開の主演作「ぼんとリンちゃん」で第36回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を、2017年には第9回TAMA映画賞にて最優秀新進男優賞を受賞。2018年にはテレビドラマ「賭ケグルイ」、映画「プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~」「世界でいちばん長い写真」「虹色デイズ」の公開も控えている。
  • ヘアメイク:堤紗也香
  • スタイリスト:石橋修一
  • 衣装協力
    カーディガン:¥48,000
    ヘンリーネック:¥9,400
    オーバーオール:¥28,000
    ブーツ:¥55,000
    安全ピン:¥1,800
    (すべてキャリー/スチュワーズレーン トウキョウ)
  • 問い合わせ先
    スチュワーズレーン トウキョウ
    住所:東京都渋谷区神宮前6-13-8 小花ビル1F
    電話番号:03-6434-1278

2019年5月16日更新