コミカライズ版第1話は、原作「おそ松くん」の第1話とリンク

──「おそ松さん」を描いていて一番楽しいのはどんなときでしょう？

楽しいのは、自分が考えたセリフだけど声優さんの声で再生されたときですね。描いていて頭の中で想像がつくと「よしっ！」って思います。

──それは、毎回再生されるわけではない？

まあ全部とは言えないですけど、イメージを近づけられるように調整していきます。最初のラフというか、ザーッと書いたセリフから、私は最後の最後までけっこう直すんですよ。何回も自分で読んで、できるだけ近づけていきます。アニメでよく言ってたセリフも、なるべく使いたいなと思いますし。トド松の「イッタイよねえ！」とか。

──コミカライズ版では、「おそ松くん」の原作ネタも見られます。

アニメでも話によって「おそ松くん」を取り入れていたので、マンガでもうまくやれたらいいなと思って。コミカライズ版の第1話は、「おそ松くん」第1話（「あきすびっくり六つ子がでたよ」）とリンクさせる内容にしようというのは決めてました。冒頭の、6つ子がそれぞれ出てきてお母さんにおやつを催促するというのは原作とまったく同じです。そこに個性を芽生えさせてみました。あと泥棒のお話というのも同じですね。

皆さんの松ロスを少しでも埋められるように

──比べて見てみると楽しいですね。ちなみに、ギャグマンガ家の視点では、アニメ「おそ松さん」はギャグとしてどういうところが優れていたと思いますか？

難しい質問ですね。うーん……着地点が見えないっていうのが一番ですかね。常に裏切り続けてくれるっていうのがすごいと思います。どんどん期待値も上がっていくし。いつも自分の思い描くようなオチには収まらないというのが素晴らしいなと、いつも見てました。「次は何してくれるんだろう！」ってワクワクしてましたね。

──特に「これは裏切られたな」という回は？

「手紙」ですね。やっぱりこれが一番でした。

──最終話直前、まさかのシリアス展開でしたからね。最終話までの1週間、どういう気持ちで過ごされてましたか？

絶対この雰囲気で終わるはずはないと思ってましたけど、でもまさかこうなるとは。まさかセンバツ出ちゃうとは（笑）。

──アニメ「おそ松さん」はセンバツで最終回を迎えましたが（笑）、コミカライズは今後どう展開していく予定ですか？

とにかくアニメでやってないネタを拾っていきたいですね。まだみんなの目に触れてないエピソードができるといいなと思います。

──ネタのストックはまだまだある？

ないです！

──（笑）。

でも毎回「どうしよう！ どうしよう！」って追いつめられながらも、楽しんでやっているので、皆さんの松ロスを少しでも埋められるような材料であればいいなと思います。