アニメ「約束のネバーランド」特集| “マンガは嫁入り道具”と断言する生粋のマンガ好き 元モー娘。飯窪春菜が「約束のネバーランド」を語る

外の世界から断絶されたハウスで暮らす少年少女たちを描く脱獄ファンタジー「約束のネバーランド」。「このマンガがすごい!2018」オトコ編1位、第63回小学館漫画賞の少年向け部門、マンガ新聞大賞2017の大賞など、各種マンガ賞を総なめにし注目を集めた本作は、1月よりフジテレビ「ノイタミナ」ほかにてアニメ化された。また早々に第2期の制作も決定している。

コミックナタリーでは本作のBlu-ray / DVD発売を記念し、マンガ好きとして知られる飯窪春菜にインタビューを実施。1巻をジャケ買いして以来、ずっと原作を追ってきたという飯窪に、「細部が気になって何度も読み返してしまう」という「約束のネバーランド」の魅力やアニメの感想、2018年12月にモーニング娘。を卒業してからの日々や好きな作品についても幅広く語ってもらった。さらにファッションリーダーとしても活躍の場を広げる彼女に、「作品をイメージした衣装で登場してほしい」とリクエスト。さまざまな表情を見せてくれた撮り下ろし写真もお楽しみに。

取材・文 / 岸野恵加 撮影 / 曽我美芽

最初に読んだとき、
全然ジャンプっぽくないって思いました

──今日は飯窪さんに「約束のネバーランド」をイメージしたお洋服でお願いします、と事前にリクエストをさせていただいていました。

まずは白の制服から、シャツっぽさとプリーツのイメージをもらってきました。白のワンピースにしようかとも思ったんですけど、コスプレっぽくなるかなと思って、あえておとなしい色に。あとはブーツもちょっとエマたちを意識して、しっかり目のドクターマーチンにしてみました。

──とっても素敵です。ありがとうございます! 飯窪さんはご自身のブログで「約束のネバーランド」を薦めていらっしゃいましたが、まずは作品との出会いからお聞きしてもいいでしょうか?

「約束のネバーランド」1巻

私、雑誌ではなくて単行本派なんですけど、本屋さんには暇さえあれば出入りしていて。「約ネバ」は1巻が発売してすぐの頃に見つけたんです。最初はジャケ買いでしたね。

──「約ネバ」は1巻が出る頃、ケンドーコバヤシさんの冠番組「漫道コバヤシ」内の「漫道コバヤシ漫画大賞2016」で「期待の新連載賞」を授与するなど、早い段階でかなり注目されている作品ではありました(参照:「約束のネバーランド」1巻、ケンコバも「看板漫画になってほしい」と期待)。そういったことは知らずに?

知らなかったです。「約束のネバーランド」っていうタイトルにもなんだかワクワクして、そのあたりから興味を持ちました。ジャンプの連載ってことも知らなくて「え、これジャンプなんだ」って驚いたくらい。最初に読んだとき、全然ジャンプっぽくないなって思ったんですよ。

──女の子が主人公ですし、ジャンプ作品としては異色な感じが強いですよね。

読んでみたら読み手に考えさせるようなミステリー要素もあって。読み終わってストーリーを追いきった後も、読者を楽しませてくれるような作品がもともと好きなんです。1巻がめちゃくちゃ面白かったから、そこから買い続けて、モーニング娘。のメンバーにも布教してました。新刊が出るたび「出たぞー!」って持って行って。誰が最初に読むか、ジャンケンで取り合ってましたね(笑)。

アニメ「約束のネバーランド」第1話より。

──工藤遥さんもInstagramでオススメマンガとして挙げていました。飯窪さんの布教あってこそだったんですね。

ふふふ(笑)。みんなけっこう影響を受けやすいタイプなので、いろんなマンガやゲームを共有することが多かったですね。

「ウォーリーをさがせ!」のように、
じっくり見るのが楽しい

──ブログの中で「二度読み三度読みできる!」と書かれていましたが、どんな作品でもそんなふうに何度も繰り返し読むタイプですか?

飯窪春菜

読み返すは読み返すけど、ほかの作品はなんとなく休みの日とかに「もう一度読もうかな」って手に取るぐらいで、「約ネバ」の場合は「もう1回あそこ見てみよう」って、気になっちゃって何度も読む感じですね。単行本のカバー折返しのところで、白井先生が「マニアック見所」を毎巻書いてくれているじゃないですか。「首筋のナンバーの法則のヒントがこの巻のどこかにあります」とか。「ウォーリーをさがせ!」や「ミッケ!」みたいな感覚っていうのか、そういうオマケが付いている感じもうれしくて。あとはカバー裏に若干カバーと違う絵が描かれているのもしっかり見て、これはどういうことなのかなって推測したりするのも楽しいです。いろんな人が書いた考察とかをインターネットで見るのも好きで、そういうのを見つけては、くどぅー(工藤遥)とかに知らせてみんなで盛り上がったりしてましたね。

──単純にストーリーを追うだけではない楽しみ方ができると。

背景まで1コマ1コマ、じっくり見るマンガだなって思います。

──その半面、続きが気になってつい次々とページをめくってしまうような勢いも持ち合わせている作品だと思うのですが、1回目からゆっくりじっくりと読んでいくんでしょうか?

はやる気持ちを抑えてます。まだ自分の心の中で読み切っていないときにページをめくってしまうと、次の絵が見えちゃったときに、「あ! まず前のシーンを咀嚼してから見ればよかった」と思ったりするので(笑)。だから1冊を読むのにすごく時間がかかりますね。GFハウスの子供たちがコマの隅でいろんな表情をしているのも面白くて。フィルの目線の送り方なんかは、「この子絶対に賢い子だな」って、脱獄する前に気付いたりしていました。

──フィルは脱獄に際して「4歳以下を置いていく」と重大な決断をエマたちに明かされ、それを受け入れるなど大活躍するキャラクターですが、序盤はそんなに目立たないですよね。そこまで予測されていたとは。

よく見ると、エマの行動をフィルが見ていたりするんですよ。「この子なんか掴んでるな」って思っていたので、脱獄のところでは「やっぱりー!」って思いました。

アニメ「約束のネバーランド」第8話より。

──4巻が出たときのブログで「私、とんでもない秘密に気付いちゃったかもしれません」と書かれていたのは、そのことだったんですね。

そうそう。そんなふうに、いろいろ想像するのも本当に楽しいんです。例えば子供たちの間に兄弟関係があるんじゃないかな……とか。GFハウスに最後に入ってきた赤ちゃんのキャロルがエマと髪型も顔もそっくりだったから、もしかして姉妹なのかな?と思ったり。ドンとフィル、コニーとノーマンとかも、同じ母親から産まれてるんじゃないかなと予想したりしてました。

キャストが全員女性なのは意外だった

──「約ネバ」は「このマンガがすごい!2018」オトコ編1位や第63回小学館漫画賞少年向け部門など多くの賞に輝き、2018年5月に満を持してアニメ化が発表されました(参照:「約束のネバーランド」テレビアニメ化!2019年1月よりノイタミナほかで放送)。アニメ化を初めて聞いたときはどう感じましたか?

うれしかったです。原作を好きだと、アニメ化が複雑な気持ちになる作品とうれしい作品とに分かれるんですけど、「約ネバ」はうれしかったですね。これは絶対にアニメになるだろうなって思っていましたし。背景まで細かかったらいいな、とか、子供たちがキャッキャしてる感じがアニメでも出たらいいなと思っていました。

アニメ「約束のネバーランド」第1話より。

──2019年1月から実際に放送が始まりましたが、ご覧になっていかがでしたか?

まずはキャストさんが全員女性っていうのがちょっと意外でしたね。でも昨年12月に「ジャンプフェスタ」の「約ネバ」ステージ(参照:ジャンフェスステージで諸星すみれ、内田真礼、伊瀬茉莉也が「約ネバ」をアピール)を観に行っていて、声優さんたちがお話しているところを先に見ていたから、楽しみではありました。

──ノーマン役の内田真礼さんは、あまり男の子を演じているイメージがなかったので視聴したファンの間でも「これ本当に内田真礼?」と話題になっていましたね。

そうですよね。今では原作を読んでるときも、すっかりキャストさんの声で再生されます。あとはオープニングとエンディングもすごく好きですね。UVERworldさんのオープニングは映像もすごく好きですし、「約ネバ」の雰囲気に合っていて。Cö shu Nieさんのエンディングは、クセのあるリズムや歌声が、ダークファンタジー的な世界観に合っていていいなあと思いました。

──本日の取材時点では5話までをご覧いただいたと思うんですが、アニメで観て、印象深かったシーンはどこでしょう(取材は2月上旬に行われた)。

レイがイザベラの内通者であるということがわかって、ノーマンと2人で会話するシーンがすごく好きでしたね。そこでの伊瀬(茉莉也)さん演じるレイの声がすごくよかったです。あとは食堂とかで子供たちのキャッキャしてる声は、GFハウスの雰囲気がすごく伝わってきていいなと思います。明るくていいなって。

アニメ「約束のネバーランド」第5話より。

──監督のこだわりとして、アニメでは説明っぽくならないように実は一切モノローグを用いないようにしているそうなんです。そこには気付かれていましたか?

えー! そうか、そういえば……。表情とかから気持ちを勝手に汲み取って、全然なんの疑いもなく観てました。そこはそういう演出だったんですね。