コミックナタリー Power Push - ライブ・スペクタクル「NARUTO -ナルト-」

松岡広大が語るナルトと、2.5次元との向き合い方

ナルトは男で、金太郎は男の子

──松岡さん自身は、ナルトと似ていると思うところはありますか?

松岡広大

ナルトの泥臭いところは自分と似ているなと思います。僕はナルトを演じるときに、あえて泥臭く見えるようにしていて。失敗したときは思いっきり失敗するし、成功したときはすごく喜んだり、一喜一憂をはっきりさせるということを追求しました。僕も怪我して学んだことがあったり、何回も何回もやって定着させたり不器用なところがあって、そこは自分と彼がリンクしているところだと思います。

──「テニミュ」で演じられた遠山金太郎は天真爛漫なキャラクターでした。今回の「NARUTO」でもナルトは元気いっぱいのキャラですが、役作りする上で2人の大きな違いというのはどういう点でしたか?

ナルトは男で、金太郎は男の子なんですよ。だから、金太郎のほうがあどけなさだったり、かわいらしさを強くしていたところはありました。

──なるほど。2人とも、歳は同じくらいですよね。

ナルトが12歳で、金太郎が中1だから13歳ですかね。金太郎のほうが年上なんですけど(笑)。やっぱり性格も違うので、天真爛漫とか元気と言っても、違う元気だったりするので、そういうところは差別化しようと思いました。ナルトは確実に、男性として演じていました。

ヒントを取捨選択してキャラクターに近づける

──2.5次元の舞台というのは、最初からファンの方がついているものなのでキャラクターのイメージもすごく強いと思うんですが、特に難しいのはどういうところですか?

「ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-」より。

お客様の愛に応えるのは、やっぱり難しいなって思います。1人ひとりがそのキャラクターに感じていることも違うので。

──100人のファンがいたら、100人それぞれのナルトがいる。

そうですね。でもなるべく1人ひとりの理想に近づけたいという強い思いはあるので、そこが難しいところですね。だからこそ、常に考えなきゃいけないと思います。逆にやりやすいのは、ヒントが多いところですね。マンガやアニメにヒントが散らばっているので、それをピックアップしてそのキャラクターに近づけるということは、普通のお芝居とは違いますし、すでに存在するものを自分の中で解釈していくので、そこはやりやすいかなと。ヒントを取捨選択してお客様に提供することができるというのは、2.5次元のいいところかなと思います。

──取捨選択する、という作業があるんですね。

ヒントを全部取り入れたら、僕、どれが正解なのかわからなくなってしまうんです。情報が多すぎて。なので「これは必要なんだろうけど、これがあるから補える」とか、そういうふうに考えて演じています。

フィルターを取っ払ったら、ボロ泣きしていた

──国内千秋楽をライブビューイングで拝見させていただいたんですが、冒頭のイルカ先生が刺されるシーンで、松岡さんが本気で泣いていたのが印象的でした。

「ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-」より。

僕ボロ泣きでしたね(笑)。あのときは泣くことにすごく重きを置いていました。原作でもナルトはボロボロ泣いていますし、それに近づけようと思っていたんですけど、お芝居で泣くっていうのはすごく難しくて、考えすぎて涙が出ないときもあって。「千秋楽だからって緊張してしまったら、いいものは絶対出ないな」と思って、あまり考えないようにしようと。瞬時に合った反応をしようと思っていたら、気付いたらボロボロ泣いてました。開始早々すぎて、袖でモニターを見ていたスタッフさんにも「どんだけ泣いてんだよ!」って言われましたけど(笑)。

──ははは(笑)。

素のままに受け入れるってことが、これまでできていなかったんだと思います。自分の中に1枚あるフィルターを通して演じていたので、それを取っ払うことができたんだと思います。

──「NARUTO」の舞台は、ファンの間では続編を望む声もありますが。

続編があったら……まず身長が高くならないといけないですね(笑)。

──(劇中の)2年後に向けて(笑)。松岡さん自身は、これから挑戦したいことはありますか?

「ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-」より。

日本だけではなくて、海外でもミュージカルをやりたいなと思っています。最終目標はブロードウェイのセンターに立つことです。来年は留学して海外でも自分の可能性を試してみたいです。今回、「NARUTO」の舞台をマカオ、マレーシア、シンガポールと海外でもやらせていただいて(参照:舞台「NARUTO」シンガポールで最終公演へ、キャストが海外公演の手応え語る)、すごく楽しかったですし、国境や言語を越えても感動を与えることができると確信できたので。そんな役者になりたいです。

──最後に、ナルト役の声優・竹内順子さんからも松岡さんにメッセージをいただいています(参照:「THE LAST -NARUTO THE MOVIE-」特集、ナルト役・竹内順子インタビュー)。

うわー! うれしいです、これ!「人間がナルトを演じて、しかもそれがナルトだって見てる全員が思うであろう演技」……。がんばってよかったです! 認めてくださるのがすごくうれしいです。もうアニメ観るしかないですね。

──ついにアニメ解禁ですね(笑)。もうアニメを観ても、役作りはブレなさそうですけど。

そうですね、観ます。認めていただけるって、やっぱりうれしいですね。

松岡広大
DVD「ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-」/ 2015年8月26日発売 / アニプレックス
DVD「ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-」
初回仕様限定 [DVD2枚組] 8640円 / ANSB-10015~6
アニメイト限定版 [DVD2枚組] 9180円
収録内容
  1. 本編DVD
  2. 特典ディスク(バックステージ映像など)
特典内容
  • <初回仕様限定/アニメイト限定版共通>
    三方背ケース、デジジャケット、48P特製ブックレット
  • <アニメイト限定版>
    アニメイト限定版は特典映像DVD付き
  • ※特典の内容・仕様は予告なく変更になる場合があります。
Blu-ray / DVD「THE LAST -NARUTO THE MOVIE-」/ 2015年7月22日発売 / アニプレックス
Blu-ray / DVD「THE LAST -NARUTO THE MOVIE-」
完全生産限定版 [Blu-ray Disc] 6480円 / ANZX-11371
完全生産限定版 [DVD]5400円 / ANZB-11371
通常盤 [Blu-ray Disc]5400円 / ANSX-11371
通常盤 [DVD]4320円 / ANSB-11371
完全生産限定版特典
  • 録り下ろしドラマCD「THE HOST -NARUTO THE CD-」
  • キャラクターソングCD「冬の終わりに」日向ヒナタ(CV:水樹奈々)「いつの日にも」うずまきナルト(CV:竹内順子)
  • 西尾鉄也描き下ろしデジパック仕様
  • 特選三方背BOX
  • スペシャルブックレット
  • 特典ステッカー
松岡広大(マツオカコウダイ)
松岡広大

1997年8月9日生まれ、東京都出身。2009年より俳優・モデルとして活躍。2013年、「FROGS」で初舞台を踏み、さらに同年、ミュージカル「テニスの王子様」2ndシーズンに遠山金太郎役で出演、注目を集める。主な出演作に、ドラマ「特命戦隊ゴーバスターズ」「眠れる森の熟女」「神様のイタズラ」などがある。1st写真集「liberal」が東京ニュース通信社より発売中。