コミックナタリー Power Push - ライブ・スペクタクル「NARUTO -ナルト-」

松岡広大が語るナルトと、2.5次元との向き合い方

「だってばよ」を染みこませるのに時間がかかった

──先ほどナルトの役作りについて、キャラクターを追求していたとおっしゃっていましたが、原作のマンガを読む以外にアニメで研究されたりはしましたか?

「ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-」より。

僕、原作ものを演じるときはマンガしか読まないんです。アニメは声の印象に侵されてしまう気がしていて。自分でマンガを読んで、声色はこれくらいかな、少年だから声は高いだろう、とか。そういうところから入って、お芝居につなげていく、という感じです。声色以外だったら、相手と話すときは体を全部相手に向けて話すと、ナルトのまっすぐさが伝わるかな、とか考えたりしました。

──では、アニメは一切観なかったんですね。今もですか?

今でも観ていないです。舞台も終わったから観たいな、とは思うんですけど。声優さんも役者さんなので、声だけとは言えども、演じた人の真似になってしまったら自分の色もなくなるので。そこはちょっと気にしていました。

──けっこう影響を受けやすいタイプですか?

そうなんですよね。影響を受けやすいので、なおさら自分の頭で考えるのが一番合っているんだと思います。でもやっぱり口調は一番大変でした。

──口調というと、「だってばよ」。

「だってばよ」、最初カミカミでした(笑)。アドリブのセリフでも、自然と「だってばよ」がでないといけないし、自分に染み込ませるのに時間がかかりました。稽古の最初はちょっと抵抗があったんです。普段は言わない言葉なので。

──例えば、キャスト同士でそのキャラになりきって日常会話をするとか、エチュードのようなことをされたりもしたんでしょうか。

松岡広大

周りの方は自然とやったりしてました。僕はあんまりしなかったんですけど。流司くんなんて、話してるとすぐ「静かに」とか言うんですよ! 「いやいや『静かに』じゃなくて。今、真面目な話しているんですけど」って(笑)。流司くんは役にどっぷり浸かる人なんです。

──ああ、佐藤さんはアニメもガッツリ見るタイプだとか。

そうなんですよ。大まかに役作りのタイプが2つに分かれるとしたら、アニメだけ見る、もしくはマンガだけ見る、とあると思うんですけど、流司くんは僕と真逆で。仕草とか立ち姿とか、アニメで動いている、戦っている姿を見てそれを殺陣に多用したりするんですよね。

──確かに、殺陣をはじめ動きのあるシーンは、マンガだとなかなか想像が難しそうです。

そうですね。コマで1個1個の動きが固まって見えてしまうので。僕は効果音で想像しながらやっていました。「ヒュンッ」だったら鋭いんだな、とか、「ドボッ」とか濁点が付いていたら重いパンチなんだな、とか。

殺陣の意思疎通は、お互いがつながっている気がして心地いい

──ナルトは殺陣やアクションもほかのキャストより多く、大変だったのではないかと思います。

稽古を思い出すと、本当に軍隊みたいな感じでしたね(笑)。やっぱりトランポリンを使ったアクションは、完成させるまで時間がかかりました。

──ナルトがサスケと修業するシーンですね。

「ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-」より。

そうです。壁を蹴って、背中からトランポリンに落ちるアクションです。流司くんと動きを合わせるのも大変でした。最初は背中も痣だらけで血まみれになりながらやっていて。でもだんだんお互いにコツを掴んで、ちょっと横目で相手を意識できるようになって。お互い気持ちもリンクするようになってきたので、そこは努力の賜物かなと思いました。あと殺陣は楽しかったです。お互いにあたらないようにして殴るとか、その意思疎通が、お互いがつながっている気がしてすごく心地いいんです。特に最後の、終末の谷でのサスケとの決闘シーンは2人で空いた時間に何度も練習しましたね。

──あのシーンは急に動きがスローモーションになったり、体力的にもすごくキツそうでした。

ゆっくりした動きから一気にシフトチェンジして速い動きになったりするので、かなり意識を使ってます。セリフは普通のスピードで、体は相反していることをやっているので、本当に大変で。最後まで妥協せずに、殴り合いやお芝居について、流司くんととことん話していました。僕、あんな流司くんは初めて見たんですけど、ギリギリまで悩んでいたんですよ。本当に海外公演の最後のほうまで、「どうなるかわからないから、最後まで悩ませて」って言ったので、僕も「わかりました」って。

──普段、佐藤さんは悩まないタイプなんですか?

そうですね。決めたことはパッとやったり。たぶん家で作りこんで、稽古場で自分の中で精査して「これだ」っていうのをすぐ見つけられることができると思うんです。それがそのときは珍しく「ちょっと悩ませて」って言ってきたので。それほど役に向き合ってるんだなっていう印象を受けました。

DVD「ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-」/ 2015年8月26日発売 / アニプレックス
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初回仕様限定 [DVD2枚組] 8640円 / ANSB-10015~6
アニメイト限定版 [DVD2枚組] 9180円
収録内容
  1. 本編DVD
  2. 特典ディスク(バックステージ映像など)
特典内容
  • <初回仕様限定/アニメイト限定版共通>
    三方背ケース、デジジャケット、48P特製ブックレット
  • <アニメイト限定版>
    アニメイト限定版は特典映像DVD付き
  • ※特典の内容・仕様は予告なく変更になる場合があります。
Blu-ray / DVD「THE LAST -NARUTO THE MOVIE-」/ 2015年7月22日発売 / アニプレックス
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完全生産限定版 [Blu-ray Disc] 6480円 / ANZX-11371
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通常盤 [Blu-ray Disc]5400円 / ANSX-11371
通常盤 [DVD]4320円 / ANSB-11371
完全生産限定版特典
  • 録り下ろしドラマCD「THE HOST -NARUTO THE CD-」
  • キャラクターソングCD「冬の終わりに」日向ヒナタ(CV:水樹奈々)「いつの日にも」うずまきナルト(CV:竹内順子)
  • 西尾鉄也描き下ろしデジパック仕様
  • 特選三方背BOX
  • スペシャルブックレット
  • 特典ステッカー
松岡広大(マツオカコウダイ)
松岡広大

1997年8月9日生まれ、東京都出身。2009年より俳優・モデルとして活躍。2013年、「FROGS」で初舞台を踏み、さらに同年、ミュージカル「テニスの王子様」2ndシーズンに遠山金太郎役で出演、注目を集める。主な出演作に、ドラマ「特命戦隊ゴーバスターズ」「眠れる森の熟女」「神様のイタズラ」などがある。1st写真集「liberal」が東京ニュース通信社より発売中。