コミックナタリー PowerPush - 宮田紘次「うたたね姫」
かわいい女の子に出会いたければ宮田紘次を読め!ヒロイン100人斬り(!?)の著者が女の子全解説
「うたたね姫」
車内、教室、読書中、いつでもどこでもウトウトしてしまう女の子の、不思議な夢体験を描いた表題作「うたたね姫」のほか、お腹に蛇を飼っている女子高生の初恋物語「蛇腹」、不良娘とマジメ女子の友情ドラマ「ラストダンスは踊り場で」など、魅力的な女の子のマンガを集めたガールズ作品集。
キャラクター紹介
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うたたね姫(愛称)
すぐにウトウトしてしまう女子。夢の中では男装したり、姫になったり、雪男と遭遇したり大忙し。
宮田紘次コメント
自分の中から出てくるままに、素の状態で描くと大体こうなりますね。たぶん自分が一番描きやすい女の子がこんな感じなんです。僕、とにかくショートカットが好きで。好きになるアイドルもみんなショートカットだったんですよ。広末涼子とか、髪が短い頃の本上まなみ、あと緒川たまきとか。……いかにもって感じで我ながら恥ずかしいんですけど(笑)。
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村井さん
第8回エンターブレインえんため大賞佳作受賞作「蛇腹」のヒロインで、お腹に蛇を飼っている。「蛇は煙草のヤニに弱い」という説の真偽を確かめるために、喫煙者の男教師と関係を持つ大胆女子。
宮田紘次コメント
これも素で描いた、好きな感じで描いたらこうなってしまったっていうパターン。またまたショートカットですし……。この時期、僕の中で小原愼司先生の「菫画報」に出てくるスミレさんが流行ってて、その影響もかなり受けてます。こういうきゃるきゃるしてない、すれた感じの女の子っていうのは、もう完全に僕の好みですね。
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三次さん
「ラストダンスは踊り場で」の主人公。ちょっとおとなしい地味な女子だが、文化祭を成功させるため、クラスのリーダーとなって奮闘する。
宮田紘次コメント
普通の子ががんばるっていう話にしたかったので、三次さんはあえて地味めにしました。芋っぽくて、眉毛はそのまま、髪は後ろに結っただけ。ちょっと今時いないくらい、おぼこい感じにしようと思って描きましたね。
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沢崎さん
「ラストダンスは踊り場で」に登場。早退が多く、クラスでは少し浮いた存在。レコード屋で働く年上の彼氏がいる。
宮田紘次コメント
沢崎さんは三次さんの逆をいく感じでデザインしました。こういうちょっとちょっとヤンキーっぽいタイプの子は、普段はあんまり描きませんね。泣きぼくろも、大人っぽいイメージにしようと思って足してみました。
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津田さん
「ラストダンスは踊り場で」に登場。口数は少なくマイペース。分厚いメガネと低い身長が特徴。
宮田紘次コメント
津田さんは何を考えてるかわからない感じにしようと思ったら、こんな無表情な子になってしまいました。実はこの子、最初はいなかったキャラなんです。でも三次さんと沢崎さんだけだと、ちょっときつい感じになりそうだったので、バランスを考えてコメディ要員として入れました。
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モンキーちゃん(仮)
「LET'S DO THE MONKEY!」に登場。猿とともに暴れまわるムチムチボディの野性女子。
宮田紘次コメント
以前、森薫さんに「宮田さんと言えば尻ですよね」って言われたことがあったんです。姐さんに言われたら、「そうか、俺はケツか」と納得してしまって。というか、「好きでいいんだ」と許されたような気になって(笑)。それ以来、さらに尻を誇張して描くようになりましたね。
miyata's memo
表題作の「うたたね姫」は、掲載前提で描いたマンガじゃなかったんです。短編の訓練のために8ページという制限で描いていたもので。全部夢オチなんですけど、元ネタは外国の新聞に載っていた「夢の国のリトル・ニモ」ですね。
「ラストダンスは踊り場で」は、松苗あけみ先生の「純情クレイジーフルーツ」が下敷きにあって。女の子がいっぱい出てきて何かするっていうお話を描きたかったんです。なので沢崎さんのような美人から津田さんみたいなコメディ要員まで、色んなタイプの女の子を出してみました。
「LET'S DO THE MONKEY!」の頃は、極限まで絵を濃く描くことに挑戦していた時期ですね。初期は結構画面が白かったので、線を太くして描き込むようにしていたんですけど、最終的には空間恐怖症みたいになってしまって、空白があると怖くて埋めてしまいたくなったり。あと「マカロニほうれん荘」みたいな入りと抜きがある線の綺麗さを自分でも出せたら、と挑戦しようとしていたところがありました。……しかし「蛇腹」との画面の濃さのギャップがすごいですね(笑)。
あらすじ
上司とキスして犬に変身ッ!
強引な課長(ドS)と、押しに弱い新人OL(ドM)。ふたりの仕事は魔物を退治すること。Fellows!(エンターブレイン)連載中の大人気“人外ラブコメ”、待望の第1巻!
かずらは、犬に変身すると退魔能力が目覚める女の子。でもひとつだけ問題があった。課長の犬養とキスをしなければ、犬に変身できない=退魔のチカラが使えないのだ。「課長は大好き、でも、仕事のためのキスなんてイヤ!」……と言いながら、今日もまたかずらは課長の忠犬として働くのであった。ワーン!
宮田紘次(みやたこうじ)
2006年、第8回エンターブレインえんため大賞に「蛇腹」で佳作入賞。コミックビームFellows!(エンターブレイン)Vol.1の「猫でタンデム」でデビュー。代表作に「真昼に深夜子」「ききみみ図鑑」など。Fellows! Vol.18からは、普段はおとなしいOLが、キスをされると犬に変身してしまうという服従系ラブコメディ「犬神姫にくちづけ」を連載。身長196cm、足のサイズは32cmの巨漢。