コミックナタリー PowerPush - 未来日記

マンガ実写化のプリンス、岡田将生が語る TVドラマ版「未来日記」の魅力と難所

2006年から2011年まで少年エース(角川書店)で連載され、シリーズ累計が400万部を超えたヒット作、えすのサカエ「未来日記」。そのTVドラマ版「未来日記 -ANOTHER:WORLD-」がDVD&Blu-ray BOXとなって発売された。

2012年4月に放映が開始されるや、原作から大きくアレンジされた設定で話題騒然、独自展開で視聴者をグイグイ引き込んでいったドラマ版で、主役を務めた岡田将生をコミックナタリーは直撃。制作の現場について、またマンガ原作の実写化にまつわる思いを聞いた。それを承けて原作者えすのサカエからは、自作のドラマ化にまつわる一問一答が届いた。

取材・文/増田桃子 撮影/唐木 元

未来日記 ANOTHER:WORLD

あらすじ

日々を適当に過ごす大学生・星野新太(岡田将生)。ある日、新太は友人の森口類(本郷奏多)に携帯電話を壊され、代替機としてクロノスシード社限定のスマートフォンを手に入れる。何気なくダウンロードした「未来日記」というアプリは、これから起こる出来事が次々に書き込まれていく不思議なものだった。書き込みが現実になっていく様子に驚きながらも喜ぶ新太だったが、突如そこに「星野新太死亡」という文字が……。そんな新太の前に、同じく未来日記を所有する古崎由乃(剛力彩芽)が現れた。彼女との出会いにより新太は、自分が謎の存在「デウス」が仕掛けた「未来日記」所持者7人によるサバイバルゲームに巻き込まれたことを知る。

剛力彩芽、岡田将生の画像

古崎由乃(左・剛力彩芽)

新太が危機に晒されると、いつもいつの間にか現れ助けてくれる謎の美少女。新太を「あっくん」と呼んで病的に愛し、パーソナルな情報まで熟知している。新太と同じくサバイバルゲームに参加しており、「デウス」についても詳しい。

星野新太(右・岡田将生)

城惺学院大学の3年生で、惰性を絵に描いたような主人公。アプリ「未来日記」を利用したことで「デウス」が仕掛けたサバイバルゲームに巻き込まれた。一方的に好意を寄せてくる由乃に戸惑うが、次第に彼女の一途さに惹かれていく。

「未来日記 -ANOTHER:WORLD-」星野新太役 岡田将生インタビュー

「さすがにいま、中学生役はできない!」と真っ先に思った

──まずは「未来日記」への出演依頼が来たとき、どんな感想を抱きましたか。

もともと、依頼が来る前からの読者だったんです。携帯を使って繰り広げる心理戦、というのがすごく新鮮で面白くて。キャラも個性的で笑えるシーンもあるし、人間ドラマや派手なアクションもある。とても好きな作品だったので、お話をいただいたときは素直にうれしかったです。

──演じられた主人公・新太の第一印象を教えて下さい。

相当情けない男ですよね(笑)。原作の主人公・雪輝だとまだ中学生なので仕方ないか……とも思えますが、まあ情けないなぁという第一印象です。でも物語が進むに連れて成長していきますし、酷い裏切り合いがある中で、それでも人を信じようとする新太は素敵ですね。

──ドラマでは大学生という設定になりました。

はい、それは本当に助かりました。お話をいただいてうれしかったのと同時に、真っ先に「や、さすがにいま、中学生役はできない!」と思ったので、大学生に設定が変わっているって言われてホッとしたのは覚えています。

──役作りで気を使ったことはありましたか?

特にがんばって役作りをするということはなかったですね。ただ気を付けていたのは、視聴者に親近感を与えられるようなキャラにしようってことで、「あーいるいる」とか「こういう子ってこんな人生送るよな」とテレビを通して感じてもらいたいなと思っていました。だから「どこにでもいる普通の大学生」に見えるようナチュラルに演じようと。

──実際に新太を演じてみて難しかったこと、苦労したことは?

ナチュラルな状態で挑もうとは思ったのですが、「普通の役を演じるのは難しい」というのを改めて痛感しました。僕も大学に通っていましたので、大学生のライフスタイルはよく知っていますし、漠然とした将来への不安、みたいな気持ちの部分も共感できてはいたんですが、「普通」と言われると変に力が入ってしまって。大学生だった頃の自分をいろいろ思い出しながら演じていました。

──新太と大学生の頃の岡田さん、共通した部分はありますか。

だらしのないところは似ていますね。

──そうなんですか? 少し意外です。

いやいや、だらしないですよ(笑)。あと僕、新太は根は真面目な男だと思っていて。優柔不断なところはありますけど、物事を真っ直ぐに見て現実を受け止めようとする。僕もそういう意識でいたいなという思いがあるので、そのあたりも共感しながら演じていました。

「未来日記」DVD / Blu-ray 2012年10月5日発売

岡田将生 (おかだまさき)

1989年8月15日東京都生まれ、AB型。スカウトがきっかけで芸能活動を開始し、2007年、映画「天然コケッコー」で主演・夏帆の相手役に抜擢されブレイク。以降テレビドラマ「生徒諸君!」「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」「オトメン(乙男)~夏~」映画「宇宙兄弟」とマンガ原作の作品でメインキャストを多く務めてきた。2010年には第34回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を、「悪人」「告白」の2作品で受賞。

えすのサカエ

えすのサカエ

2001年、「鉄道天使」で第11回エース&ネクスト新人漫画賞奨励賞を受賞。2006年に月刊少年エース(角川書店)にて連載開始した「未来日記」は、シリーズ全14巻、累計400万部の大ヒットに。アニメ、ゲーム、ドラマと多メディア展開もなされた。目下、月刊少年エースで「ビッグオーダー」を連載中。

TVアニメ「未来日記」Blu-ray& DVDシリーズ 発売中 ©えすのサカエ・角川書店 / 12人の日記所有者たち