鈴木仁が厳選! LINEマンガのオススメ作品
──では、今回お選びいただいたLINEマンガのオススメ作品について、どんな魅力を持つ作品なのか1つずつご紹介いただけますか?
まず「ザ・ボクサー」はタイトル通りボクシングものなんですけど、格闘技を観るのが好きということもあってのめり込んだ作品です。マンガって成長物語がほとんどだと思うんで、こんなふうに最初から最強のキャラクターが確立している作品は少ない気がするんですよ。あと、ダークな雰囲気もいいですね。ずっと闇を抱えながら強くあり続ける、みたいな描き方が。
──どんな人にオススメしたいですか?
けっこうマンガを読まれている方にオススメできるんじゃないかなと。マンガ好きの人が見てこそ楽しめる要素がけっこうあるんですよ。あとは、勢いのあるシーンが多いので、もちろんスポーツものが好きな方にもオススメです。
──個人的には、ヒーローものが好きな人にも合いそうかなと思ったんですが……。
ヒーロー好きの人が気に入りそうなのは「ゴッド・オブ・ハイスクール」かな、って自分は思っちゃいますね。これはもう、小中学生にマストで読んでもらいたい。王道の少年マンガを通ってきた子がその延長線上でそのまま楽しめると思います。最近はまたバトルものがきてる感じもありますし。
──バトルものが好きな人に向けて、この作品ならではの推しポイントを挙げるとしたら?
やっぱり、一番はwebtoonならではの表現じゃないですかね。空中戦から地面までのダイナミックな描写とかは、ページの制約があるマンガではなかなか表せないものがあるので。内容的には王道少年マンガのような要素をたくさん感じられるので、そういう“知ってる”感じの楽しさを、新しい形で味わえる作品なんじゃないかなという気がします。
──「復活する男」についてはいかがでしょう。
まっすぐに自分の意志を貫き通す男のカッコよさがストレートに描かれている作品ですし、悪いやつに立ち向かうストーリーは男性ならみんな好きですよね(笑)。そういうところをひねらずにまっすぐ表現するという点で、韓国ドラマを好きな人とかがハマるマンガじゃないかなと。そこがすごく魅力的だなと感じています。
──日本のマンガでは味わえないよさがある?
日本のマンガだと、もうちょっと暗い画面になりがちなイメージがありますね。これもカラーの利点かなと思うんですけど、色が着いていることで少しポップな印象になるというか。髪も赤いし(笑)。暗いけど、どん底まで行ききらないバランスがいいのかなと思いました。
──では最後、「平凡な8組」の魅力はどんなところに感じますか?
これはもう、webtoonを読んだことのない人全員にオススメしたいです。キャラクターがみんな、とにかくかわいいんですよ。アニメっぽい雰囲気の絵で気負わずに読めるんだけど、ちゃんと読んでいくと実は深いっていう。“人間”をしっかり描いていて、訴えかけてくるメッセージ性もある物語なんです。それをすごくコミカルに読めてしまうところがすごいし、素晴らしい作品だなと思いますね。学校の休み時間にずっと読んでいた記憶があります。
──確かにおっしゃる通り、割と突拍子もない設定ではあるんだけど、描かれる人間関係や心理描写はちゃんとリアルなんですよね。
そうですね。それにモノクロではなくカラーの作品だからこそ、より多種多様なキャラクターたちを表現できているのかなと。ぜひwebtoon初心者の方には最初の1作として読んでいただきたいなと思います。
そのままで生きていたい
──さらに、「次にハマりそうな作品」として「強化レベル99 木の棒」を選んでいただきました。フルダイブRPGの世界で最弱の武器をたまたま最強レベルに強化できてしまった男の物語ですが、なぜこれを?
いやあ、いい意味でくだらなさと面白さがヤバいなあと思って(笑)。読んで初めて味わってほしい仕掛けがあったりもするんで、どこまで話していいかが難しいんですけど……単純に、ゲームが苦手な人間からすると「課金しないでこんな最強になれたら楽だよなあ、いいなあ」という気持ちで読める作品ですね。
──ゲームをしないのにこの作品を選ぶというのは、ちょっと意外な感じもしますが……。
逆に、苦手だからこそかもしれないです。憧れというか。本当にゲームをやらないので、スマホにもゲームアプリなんて1個入ってるかどうかくらいのレベルで、弟と対戦してもだいたい負けてましたからね。最近流行っているFPS系のゲームとか、どこを歩いているのかすらわからないですもん(笑)。だから今、自分の家にはゲーム機がないです。
──ここまでのお話から察するに、おそらく「ゲームをする時間があったらマンガを読みたい」タイプですよね。
正解です!
──今回選んでいただいた作品の中で、役者として「このキャラを演じてみたい」と思ったものは何かありますか?
この中でですか? ……まあ「平凡な8組」は不可能でしょうね(笑)。「ザ・ボクサー」も、もっと闇を抱えていないと表現しきれない気がするし、体格もかなりげっそりさせないといけないだろうから、つらそう(笑)。そうなると、やれそうなのは「復活する男」の主人公くらいかなあ……。
──消去法で(笑)。
消去法ですね(笑)。「ゴッド・オブ・ハイスクール」も相当大変そうだし。
──そもそも、マンガを読むときにあまりそういうことを考えないですかね? 「この役やってみたい」とか。
今でこそちょっと考えるようになりましたけど、本当に最近やっと、という感じですね。取材とかでもそういうことを聞いてもらえる機会が増えたので。
──でも、本質的には仕事とマンガは別のものとして考えている?
今までは完全に別物でした。
──言うなれば、「マンガを仕事に利用したくない」みたいな感覚でしょうか。
利用したくないというよりは、できないと思います。本当に単なる趣味に過ぎないですし、ただただ大好きなものとして読んでいるだけなので。
──ということは、“マンガ好きキャラ”を打ち出していきたい気持ちもそんなにないですか?
マンガ好きだということは知ってもらいたいんですけど……そこまで行くと「全部読んでおかないと」みたいなプレッシャーがかかりそうですよね。自分は好きな作品だけに偏っているタイプなので、そういうふうに出ている方々は本当にすごいなって思ってます。
──つまり、純粋に作品と向き合いたいタイプなんですね。読者根性が染みついているというか。
そうですね。もうちょっと強かに「利用してやろう」くらいの気持ちがあったほうが、たぶんマネージャーとかはうれしいんだろうなと思うんですけど(笑)。
──(笑)。
けっこう自然に、そのままで生きていたいタイプではあるので。それはマンガに対しても同じですね。
プロフィール
鈴木仁(スズキジン)
1999年7月22日生まれ、東京都出身。2014年にアミューズオーディションのファイナリストに選ばれ芸能界入り。第31回MEN'S NON-NOモデルオーディションでは準グランプリを獲得し、以降同誌の専属モデルとして活躍している。俳優としてはドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」「ギヴン」「消えた初恋」「モトカレ←リトライ、映画「4月の君、スピカ。」「小さな恋のうた」「のぼる小寺さん」「ジオラマボーイ・パノラマガール」「モエカレはオレンジ色」などに出演した。2023年3月上演予定のオールナイトニッポン55周年記念公演「宮沢賢治『銀河鉄道の夜』より『たぶんこれ銀河鉄道の夜』 ~The Night of the Milky Way Train(right?)~」にも出演が決定している。
【公式】鈴木仁 (@jin_suzuki722) | Twitter