「レイヤードストーリーズ ゼロ」プロデューサーインタビュー|アニメはポリゴン・ピクチュアズ、超絶3Dで描く20年後の渋谷

バンダイナムコエンターテインメントによるスマートフォン用ゲーム「レイヤードストーリーズ ゼロ」がリリースされた。アプリ内で配信されるアニメを「GODZILLA 怪獣惑星」「BLAME!」などを手がけてきたポリゴン・ピクチュアズが制作しており、ゲームファン以外からも大きな注目を受けている。

コミックナタリーではアプリのリリースを記念し、総合プロデューサーを務める手塚晃司氏にインタビューを実施。2037年の渋谷という舞台設定が生まれた経緯や、近未来のテクノロジーを描く上でどのような演出を心がけたかなど、世界観を掘り下げながら「レイヤードストーリーズ ゼロ」の魅力を語ってもらった。

取材・文 / 籠生堅太

アニメとゲームの世界が重なり合う「レイヤードストーリーズ ゼロ」

「レイヤードストーリーズ ゼロ」は、2037年の渋谷を舞台にした作品。アプリ内でゲームとアニメを展開し、同じ場所で生きる別々の人物の視点から物語を楽しむことができる。

アニメサイド

アニメの主人公・ユウト。

アニメでは、17歳の男子高校生・ユウトを主人公にした物語を展開。テクノロジーが発展し「イメージできることは全て実現可能とされるほど自由」になったが、逆に「万人が万人の監視下に置かれる窮屈」な時代となってしまった世界に抗う少年少女の姿を描く。

ゲームサイド

「オルタナステージ」でのバトルイメージ。 「オルタナステージ」でのバトルイメージ。

ゲームではプレイヤー自身が主人公となり、ACT(アクト)と呼ばれるパーソナルアシスタントAIを使った競技「オルタナステージ」の頂点を目指す物語を体験。現実の風景とシームレスなCGが重なる拡張空間を飛び回れる、2037年の渋谷上空をフィールドにした爽快感溢れる360度バトルが楽しめる。

「レイヤードストーリーズ ゼロ」
配信中 / 提供元:BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
「レイヤードストーリーズ ゼロ」

【価格】無料(app内課金あり)

【対応プラットフォーム】App Store / Google Play

【ジャンル】オルタナティブRPG

総合プロデューサー・手塚晃司インタビュー

“2037年の渋谷”のイメージを共有するため、まずはマンガを作った

──「レイヤードストーリーズ ゼロ」配信がスタートしましたね。おめでとうございます。

手塚晃司氏

ありがとうございます。プロジェクトが始まってから4年……長かったです!

──それはアプリゲームの開発期間としては長いほうなんでしょうか。

そうですね、比較的。途中で半年くらいかけてマンガを作ったりもしていたので。

──マンガを? アプリゲームを開発するために?

制作スタッフが作品のイメージを共有するために作ったんです。「レイヤードストーリーズ ゼロ」は“2037年の渋谷”が舞台の話なんですけど「こういう未来だといいよね」って話をしても、みんな思い描いてるイメージがバラバラだったんですよ。そのすり合わせをするため通常はイメージボードを作るんですが、今回はマンガを作ろう! という話になって、マンガ家の久世蘭さんに描いていただきました。それがこちらです。

イメージ共有のために制作されたというマンガの1シーン。 イメージ共有のために制作されたというマンガの1シーン。

──これは……商業誌に載っていてもおかしくないクオリティじゃないですか。

これを見てもらうだけで、第三者にもこちらの本気度が伝わるんですよね。そういった意味では、スタッフ同士の情報共有という役割のほかに、営業ツールとしても活躍してくれました。これがあったから「レイヤードストーリーズ ゼロ」の制作に加わってくれたという企業さんもいらっしゃいます。

──マンガを読んだ方々の反応は、どんな感じでした?

すごくよかったですね。一番多かったのが「僕ならこうしたい」って話なんですよ。アイデアがどんどん飛び出してくる。このマンガのおかげでいろんな方々に熱意を持って「レイヤードストーリーズ ゼロ」に加わってもらえたのは、本当によかったです。

──その反応を受けて、作品の設定が変わるようなことも?

実際に新しく設定が追加されたり、マンガを作る中で矛盾に気づけたり。そうやって世界観を作っていった感じですね。

「レイヤードストーリーズ ゼロ」
配信中 / 提供元:BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
「レイヤードストーリーズ ゼロ」

【価格】
無料(app内課金あり)

【対応プラットフォーム】
App Store / Google Play

【ジャンル】
オルタナティブRPG

「レイヤードストーリーズ ゼロ」は同一の世界で繰り広げられる物語を、アニメとゲームで楽しむことができるスマートフォンアプリ。物語の舞台は2037年の渋谷。そこはLayereD技術によりインターネットが可視化され、イメージできることは全て実現可能な自由な世界。アニメとゲーム、それぞれの主人公の物語が1つに重なり合うオルタナティブRPG!

手塚晃司(テヅカコウジ)
バンダイナムコエンターテインメント所属のプロデューサー。「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」「ONE PIECE トレジャークルーズ」「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ」「ギルティドラゴン 罪竜と八つの呪い」などのスマートフォンアプリを主に手がけてきた。