映画「黒執事」

山本美月が語る原作マンガへの愛

マンガのビジュアルをそのまま実写にすると無理がある

「黒執事」1巻

──そもそも「黒執事」のマンガを手に取られたきっかけは何だったんでしょうか?

完全にビジュアルですね。表紙を見て買いました。ちょうど1巻が出たとき、2007年だから中学生の頃だったと思います。

──初期からのファンなんですね。

はい。元々ファンタジーがすごく好きで、スクエニ系のマンガを結構読んでました。ちょっとダークなファンタジーが好きなんです。「黒執事」はビジュアルからだったけど、ストーリーにもどんどん引き込まれて。キャラクターもみんな1人ひとりかわいいですしね。

──マンガは映画よりもっとコメディ要素が入ってますね。映画は割とシリアスなシーンが続きます。

山本美月

確かにそうですね。セバスチャンが「クソガキ」って言ったりするシーンはクスっと笑えたりしますけど。コメディ要素を過剰に実写にしてしまうと、結構わざとらしいというか、オタク路線になってしまうと思うので、私はこれくらいがちょうどいいんじゃないのかなと思ってます。

──原作キャラは、しゃべり方もマンガっぽいですよね。

はい。最初台本を読んだときに、「お?」って思ったんですけど、監督に「リンは普通の女の子のしゃべり方で」って言われました。

水嶋ヒロさんのセバスチャンは悪魔度が増してる

水嶋ヒロ演じるセバスチャン。

──ほかのキャストさんの印象についてもお聞きしたいのですが、原作ファンである山本さんの目線で見て、水嶋ヒロさんが演じるセバスチャンの魅力はどんなところですか?

やっぱり声ですね。セクシーですごくいいんです。それが本当にセバスチャンっぽいなと思いました。水嶋さんは、なんかもう普段からセバスチャンっぽいなって思います(笑)。

──身のこなしとかがですか?

そう。本当に丁寧で、周りにも気を遣っている方で。水嶋さんのセバスチャンは完璧って感じです。もう、人間じゃないんだなって感じがにじみ出てましたね。

──確かに映画のほうが原作よりも完璧度が増している気がします。原作のセバスチャンはもうちょっと、一生懸命なところもありますし。

マンガはもうちょっと人間味が感じられるんですよね。それがあまりない分、完璧さがすごく際立ってました。悪魔度が増したセバスチャンって感じ。

枢先生にリンを描いてほしい

──ほかにも印象的だったキャストさんはいらっしゃいますか。

優香演じる若槻華恵。

若槻華恵も優香さんのイメージを覆す役どころでしたね。優香さんってかわいらしいイメージだったので、この作品を観て、そのイメージが変わりました! 私もああいう役、やってみたいですね。「桐島、部活やめるってよ」や「男子高校生の日常」では気の強い女子をやらせていただいたんですけど。腹から声出してスッキリしそうですよね(笑)。

栗原類演じる葬儀屋ジェイ。

──期待しています(笑)。山本さんは「男子高校生の日常」や「絶叫学級」など栗原類さんとの共演も多いですが、栗原さんの葬儀屋はいかがでしたか。

イメージ通りでした! 一番合ってたんじゃないですかね。顔の綺麗なところとかもぴったりですし。あれは類くんにしか出来ないなあと思いました。もっと出番を増やしてほしかったです。「黒執事2」があれば、次はもっと活躍させてほしいです。

──ちなみに枢先生は2014年にデビュー10周年を迎えます。映画公開直前には大規模な「黒執事」原画展もありますね。

行きたい! あと枢先生にはぜひリンを描いてほしいです。実写の「黒執事」を逆輸入的な感じでイラストにしてほしい。欲を言うならばマンガにしてほしいです。

山本美月

映画「黒執事」2014年1月18日(土)新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー

映画「黒執事」

執事の名はセバスチャン。知識と実力、品格と容姿を兼ね備え、非の打ち所があるとすれば性格の悪さだけという、万能にして忠実な執事。仕える主人は、巨大企業の若き総帥にして、幻蜂(げんぽう)家当主、幻蜂清玄(きよはる)伯爵。実は女であることを隠して生きる男装の令嬢で、その過去に壮絶な傷を抱えていた。2人をつなぐもの、それは命と引き換えの絶対的な主従関係。
そんなただならぬ関係の2人だが、実は東西で対立する分断された世界で、世界統一を目指す西側諸国女王の諜報員、「女王の番犬」という裏の顔を持つ。ある日、東側諸国で起きている、大使館員の“連続ミイラ化怪死事件”の解決という密命が下された。現場に残されたのはタロットカード。時同じくして、街から少女たちが失踪する出来事が起きていた。世界を巻き込む事件の黒幕の目的とは、そして事件の犯人は……!?

出演:水嶋ヒロ、剛力彩芽、優香、山本美月、大野拓朗、栗原類、海東健、ホラン千秋、丸山智己、城田優、安田顕、橋本さとし、志垣太郎、伊武雅刀、岸谷五朗

原作:枢やな(スクウェア・エニックス「月刊Gファンタジー」連載)
主題歌:ガブリエル・アプリン「Through the ages」(ワーナーミュージック・ジャパン)
監督:大谷健太郎、さとうけいいち
脚本:黒岩勉

(c)2014 枢やな/スクウェアエニックス
(c)2014 映画「黒執事」製作委員会

山本美月(やまもとみづき)

1991年7月18日生まれ。福岡県出身。2009年第1回「東京スーパーモデルコンテスト」でグランプリを受賞し、雑誌CanCam(小学館)の専属モデルとしてデビュー。2011年、ドラマ「幸せになろう」で本格的に女優デビューをする。主な出演作に、TVドラマ「SUMMER NUDE」「安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~」などに出演。2014年は「僕のいた時間」に出演。映画出演作としては「桐島、部活やめるってよ」「絶叫学級」「男子高校生の日常」などがある。


2014年1月17日更新