コミックナタリー PowerPush - 九井諒子作品集「竜のかわいい七つの子」

「地に足着いた系ファンタジー」の若き旗手 待望の短編集のカバー制作を密着レポート

「竜のかわいい七つの子」のカバーイラストができるまで~後編~

[4]線画作成~キャラクター別にアナログで線画を描く~

描くキャラクターが固まったら、線画に着手。A3サイズの紙にアナログで、さまざまなキャラクターをバラバラに描いていく。レイアウト時にはそれぞれ適切なサイズに縮小されて配置されていくが、元の執筆サイズは意外と大きいのに驚かされる。

  • カバーイラスト作成行程の画像
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[5]着彩~アナログでざっくり、デジタルできっちり~

[4]の線画を水彩絵の具でざっくり下塗りしたのち、スキャニング。デジタルに取り込んだのち、今度はきっちりと塗って仕上げていくのが九井のスタイル。

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[6]配置~拡縮して切り貼りし、イメージを伝達~

カバーに配置するパーツがすべて完成! これを九井自らが切り貼りして、位置やサイズのイメージを固めたところでデザイナーにバトンタッチ。あとは九井の手を離れ、デザイナーが仕上げた。

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カバーデザイン完成図

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[番外編]初期ボツ案集

当初、竜とともに描かれるメインのキャラクターは、描き下ろし作品「子がかわいいと竜は鳴く」に登場する女性ヨウだったが、九井の持ち味である「違和感」がなく、普通になってしまったのでお蔵入りに。ここでは初期のラフ案をいくつか紹介する。

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あらすじ

見たこともない物語のはじまり、はじまり。

前代未聞の漫画ここにあり! 2年の沈黙を破って、九井諒子ワールドの幕がふたたび開く。

竜と人、人魚と野球少年、神様と小学生──それぞれの絆を題材とした過去の6作品に加え、全38ページの新作描き下ろし作品を収録。笑いあり、涙あり、きっとあなたが忘れていた、親と子の絆を思い出す7つ物語。

収録作品
  • 「竜の小塔」……Fellows! 2011-AUGUST volume 18
  • 「人魚禁漁区」……2011年5月 個人誌にて発行
  • 「わたしのかみさま」……Fellows!(Q) 2011 AUTUMN “Quiet”
  • 「狼は嘘をつかない」……Fellows! 2012-JUNE volume 23
  • 「金なし白祿」……2011年10月 個人誌にて発行
  • 「子がかわいいと竜は鳴く」……描き下ろし
  • 「犬谷家の人々」……Fellows!(Q) 2012-AUTUMN “Q.E.D.”
九井諒子(くいりょうこ)

プロフィール画像

2011年3月、イースト・プレスより発売された短編集「竜の学校は山の上 九井諒子作品集」でデビュー。孤独な勇者や進学に悩む女子中学生の天使、労働規制されるケンタウロスなど、現実(リアル)と幻想(ファンタジー)を独自の感覚で交えて描き話題となる。同年8月より、WEB文芸誌MATOGROSSO(イースト・プレス)にて、「ひきだしにテラリウム」を連載。現在、Fellows!(エンターブレイン)での長編連載を準備中。