コミックナタリー Power Push - 「アイドリッシュセブン」種村有菜インタビュー

アイドルである彼らの、いろんな表情を見せていきたい

バンダイナムコオンライン原作による、種村有菜の新連載「アイドリッシュセブン MEZZO”-紫青の霹靂-」が、10月8日発売のLaLa DX11月号(白泉社)にて開幕する。スマホ向けリズムアクションゲーム「アイドリッシュセブン」でキャラクターデザインの原案を務めた種村が描く同作は、ゲームでもシナリオを担当する都志見文太が執筆した「小説 アイドリッシュセブン 流星に祈る」収録の「紫青の霹靂」が原作。同じく「小説 アイドリッシュセブン 流星に祈る」に収録された1編「before The Radiant Glory」のコミカライズに続き、種村がMEZZO”の2人の物語をマンガで表現していく。

コミックナタリーでは連載開始を記念し、コミカライズを担当するうえでの工夫や意気込み、心境を種村本人に直撃。単行本も発売された「アイドリッシュセブン TRIGGER -before The Radiant Glory-」や、このたび連載がスタートする「アイドリッシュセブン MEZZO”-紫青の霹靂-」について、また今後コミカライズが予定されている「流星に祈る」「クーラーとパンツ」の話も聞いた。さらにゲームのリリースから1年経った今、改めてIDOLiSH7それぞれのキャラクターへの印象を伺うとともに、これまで手がけてきたイラストの裏話を公開。ラフデザインとともに、イラストに込めたこだわりを明かしてもらった。

取材・文 / 熊瀬哲子

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Contents Index
種村有菜インタビュー
新作「MEZZO”-紫青の霹靂-」ラフ公開
種村有菜お気に入りイラストBEST3
CDジャケットのラフ公開
種村有菜インタビュー

あっという間の1年

──種村さんには昨年8月に「アイドリッシュセブン」のアプリがリリースされた際にも、キャラクターデザインの原案を務められた心境をお伺いしました(参照:「アイドリッシュセブン」特集、種村有菜インタビュー)。この1年、振り返ってみてどうでしたか?

あっという間でした。キャラクターデザインの作業自体は、リリースの1年前に終わっていたので、去年のインタビューを受けた頃はのほほんとしていたんですけど、ありがたいことに今でもCDジャケットなどを担当させていただく機会も多くて、こういった形で携わらせていただけることを本当にありがたく感じています。それこそコミカライズのお仕事もそうですし。

──もともとコミカライズをやりたいという気持ちもあったんでしょうか。

「アイドリッシュセブン TRIGGER -before The Radiant Glory-」のイラスト。左から「抱かれたい男 No.1」に輝いた八乙女楽、小悪魔キャラを貫く完璧主義者にして実力主義者の九条天、温厚でシャイだが「危険でセクシーなワイルドキャラ」として売り込まれ困惑している十龍之介。

担当編集さんと「何かできたらいいな」くらいのことは話していたんです。なので、実際に都志見(文太)先生の小説のコミカライズのお話をいただいたときはとってもうれしかったですし、私に任せていただけたのはすごく光栄でした。ただ、今までコミカライズのお仕事をしたことがなかったので、やってみると想像以上に大変でしたね。

──確かに、種村さんは今まで原作つきのマンガを描かれたことはなかったですよね。

そうなんです。もう少し簡単なものかと思ってたら、すごく労力のいる作業なんだなとわかりました。どのセリフまでをそのページ内に収めるかとか、見せ場をどこに持ってくるかとか、ストーリーから自分で考えるのとはまた違ったスキルが必要なんだなと感じましたね。キャラクターデザインのお仕事も初めての挑戦でしたけど、このコミカライズでも新しい経験をさせてもらいました。

できるだけいろんな表情を描いていきたい

──TRIGGERの結成秘話が明かされた「アイドリッシュセブン TRIGGER -before The Radiant Glory-」では、小説には登場しないシーンも描かれていましたね。

「アイドリッシュセブン TRIGGER -before The Radiant Glory-」より。IDOLiSH7のメンバーたちが登場するマンガオリジナルのシーンも。

経緯を説明すると、第1話を描くにあたって、編集部のほうから「IDOLiSH7のメンバーを出してください」っていうお願いがあったんです。小説とは違った新しいシーンがあると、すでに小説を読んだ方も楽しんでいただけるんじゃないかという話だったんですけど……正直、荷が重すぎるなと。

──そこまでのプレッシャーを感じられたんですね。

都志見先生の小説をコミカライズするということに安心感を覚えていたので、私がそのお話を勝手に動かしていいものかと不安だったんです。けど、もちろんバンダイナムコオンラインさんがしっかりと監修をしてくださるということだったので、お任せしながらも描いてみようということになりました。それでも、ちょっと勇気がいりましたけどね。

──マンガのラストシーンは去っていく天くんと、その姿を見つめる陸くんの切ない表情が印象的でした。

TRIGGERの天と、IDOLiSH7の陸は実は双子の兄弟。

LaLa DXに最終話が掲載されたとき、ゲームのほうでは第2部を配信していた頃で。コミカライズは第1部のブラホワ(ブラックオアホワイトミュージックファンタジア)前という設定で描いていたんですが、ゲームをプレイしている方にも同じ歩調で読んでいただけるように、第2部のことも少し意識したいなと思っていて。なので天くんの孤独みたいな部分は、少し出しておきたかったんです。

──オリジナルのシーンもそうですが、文章だけで表現されていた場面を絵にしていく作業は、いろいろと試行錯誤されたのではないかと思います。例えばダンスシーンは12ページにもわたって描かれていましたが……。

ダンスシーンは本当に悩みました! あそこが小説の中で一番の見せ場だと思っていたので、どう表現するか、かなり考えて描いていきましたね。あとはコミカライズということで、ゲームでは味わえないものを提供していきたいと考えていて。そのキャラクターの性格の範囲内で、できるだけいろんな表情を描いていこうと意識していました。例えば「悲しい」という感情を1つとっても、いろんな種類の悲しみを表現できたらなと。でも、彼らってアイドルなので、顔を描くのがすごく大変だったんですよ。

──というと?

やっぱりみんなアイドルなので、顔は命ですから。わかりやすく言うと、映画やドラマを1本撮るような気持ちで描いてたんです。1コマ1コマにヘアメイクさんが入るような感覚で。1つのコマが描き終わったら、「はい、じゃあ天くんにヘアメイクさん入ります!」みたいな。

──あはは(笑)。やっぱりアイドルである以上、キレイに、カッコよく見せないといけないと気を使った。

表情は全コマそれくらい気を付けて描いていたので、ものすごく時間がかかりましたね。

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種村有菜インタビュー
新作「MEZZO”-紫青の霹靂-」ラフ公開
種村有菜お気に入りイラストBEST3
CDジャケットのラフ公開
キャラクター原案・マンガ:種村有菜 小説原作:都志見文太 原作:バンダイナムコオンライン「アイドリッシュセブンTRIGGER-before The Radiant Glory-」/ 2016年8月19日発売 / 486円 / 白泉社
「アイドリッシュセブンTRIGGER-before The Radiant Glory-」

IDOOLiSH7が目標としている先輩グループのTRIGGERは、クールでセクシーな3人組。小説版で話題となったTRIGGER誕生秘話を、IDOOLiSH7も登場するオリジナルエピソードを加えてコミカライズ。4コママンガ14本や、撮り下ろしカラーピンナップ2ページも収録。

小説:都志見文太 キャラクター原案・イラスト:種村有菜 原作:バンダイナムコオンライン「小説 アイドリッシュセブン 流星に祈る」
「小説 アイドリッシュセブン 流星に祈る」
2015年12月4日発売 / 白泉社
800円
Kindle版 / 752円

個性豊かな7人組アイドルグループIDOOLiSH7。学園祭ライブの成功を誓う「流星に祈る」をはじめ、ライバルグループTRIGGERの結成秘話、MEZZO”の超仲良しぶりの日常レポート、ストーカー出現? メンバー危機一髪の巻などファン必見のオリジナルストーリー全4編を収録。カバー、カラー口絵、本文挿絵、巻末4コマなど、種村有菜の描き下ろしもたっぷり。

マンガ:山田のこし キャラクター原案:種村有菜 原作:バンダイナムコオンライン「アイドリッシュセブン(2)」/ 2016年8月19日発売 / 486円 / 白泉社
「アイドリッシュセブン(2)」

スーツ・学ラン・遊園地……マンガオリジナルイベントで、IDOLiSH7&TRIGGERが大暴れ! 描きおろしマンガ(大人組サウナ&子供組ラーメン)も収録!

「LaLa DX 11月号」/ 2016年10月8日発売 / 690円 / 白泉社
「LaLa DX 11月号」

種村有菜の新連載「アイドリッシュセブン MEZZO”-紫青の霹靂-」がスタート! 表紙は有川浩原作による弓きいろ「図書館戦争 LOVE&WAR 番外編」。

アイドル育成アプリ「アイドリッシュセブン」
種村有菜(タネムラアリナ)
種村有菜

1996年、りぼんオリジナル6月号(集英社)に掲載された「2番目の恋のかたち」でデビュー。1997年にはりぼんにて「イ・オ・ン」を初連載し、その後「神風怪盗ジャンヌ」が大ヒットを記録する。同作や「満月をさがして」はTVアニメ化もされた。詩的かつ印象的なセリフまわしや、こだわりのある美しい絵は、日本のみならず海外でも人気が高い。2011年にりぼんとの専属契約を終了し、フリーに。メロディ(白泉社)で「31☆アイドリーム」を連載中。