コミックナタリー Power Push - 原作:LINK 漫画:宵野コタロー「終末のハーレム」

キャラの個性をフェティシズムをもって描く

小畑先生のタッチを参考に

──エロに加えて、SFの世界観も「終末のハーレム」を構成する重要なファクターですよね。

「終末のハーレム」には宙に浮くモニタなど、近未来的なモチーフが多数登場する。

近未来を舞台にした作品を描くのはこれが初めてで、最初は世界観をまとめるのにもかなり苦戦したんです。「空中にモニタが浮いているような世界だし、スマホなんかもう存在しないんじゃないか」とか。ただ担当編集さんに「自由に作っちゃっていいから」とアドバイスをいただいたので、そこからは割と都合のいい感じに描いていますね(笑)。LINK先生の中では、作品中に出てくるギミックについてはいろいろと裏設定があると伺っていますが、その説明を細かくされても読者の興味を惹けないだろうという話になり、そこはほどほどにして人間ドラマを楽しんでもらおうという方針でやっています。

──美来の衣装もSFっぽいデザインですよね。

そのあたりはLINK先生からいただいた、近未来っぽい服が載っている資料なんかを参考にしつつ、どれだけセクシーな衣装にできるかということを考えながらデザインしています。

──絵柄で影響を受けている作家さんはいますか?

小畑(健)先生は昔から参考にさせていただいています。小畑先生の細すぎず、太すぎずっていう繊細なタッチが私はすごく好きで。人物の表情をちょっとずつ変えたり、コマをちょっとずつ顔に近づけていったりして、キャラクターをじっくり見せる手法はすごく勉強になります。

サービスシーン満載の学園編

学園編での一幕。コールドスリープから目覚めた、元いじめられっ子の土井は、学園生活をやり直すことに。

──ここからは新刊2巻の内容について伺います。2巻では怜人の物語が一旦終わり、コールドスリープから目覚めた男子高校生の土井を描く新章が始まって、ガラッと雰囲気が変わりましたね。

私もストーリーの展開について、あまり先まで聞いていなかったので驚きました。ただ新章が学園ものっていうのはうれしかったですね。LINK先生が授業風景とかにサービスシーンを用意してくれたおかげで、どんどんそういった場面が描けるから(笑)。あと花蓮が底抜けに明るくて表情も豊かだし、どんなポージングを付けてもかわいくなるので描いていて楽しいというのもあります。読者の方もこの子は裏があるだろうなっていうのは気付いていると思うんですけど、そういう裏の部分も想像しながら楽しんでもらいたいですね。

──土井はこれまで出てきた怜人、火野に比べると地味めな少年です。

土井くん、コールドスリープに入る前はいじめられるシーンが多くてかわいそうですよね。

土井と目が合い、恥じらうクラスメイト。

──でも目覚めてみたら、女子だけの学園に放り込まれて、周りは自分のことを憎からず思っているというある種、夢のような展開に(笑)。

学園編を描くときに、土井くんは読者が自分の目線で見られるというか、感情移入できるキャラクターにしようという話があって。最初はここまでかわいそうでいいのかなっていうのはあったんですけど、最初が不遇だからこそ今後の展開が生きるのかなと思っています。

──キャラクターデザインについては、LINK先生からオファーがあったりするんでしょうか?

「こういう属性です」とか「こういうプロフィールです」っていうごく簡単な設定はいただいています。ただ1巻に出てくる玲奈ちゃんは属性とかは指定されず、「かわいい子でお願いします」くらいのオファーしかなかったんですけど、読者から人気を博して。「そこか!」ってなりましたね。

玲奈の水着グラビア。2巻には同イラストの水着を取り払ったバージョンが収録される。

──玲奈はそこから単行本の描き下ろしとして火野との本番シーンが追加されたり、ジャンプ+にカラーのグラビアイラストが掲載されたりと大出世ですね。

2巻には水着を取り払ったバージョンの玲奈のグラビアが収録されるんですが、正直、「全年齢の単行本で大丈夫かな」と思いながら描いていました(笑)。

学校という特性を生かしたシチュエーションを

風呂場で美女とのひと時を楽しむ火野。

──ちなみに2巻にも描き下ろしは収録されるんでしょうか?

2巻には火野が自分の担当の子とイチャイチャするシーンが入ります! なんか火野がそういうシーンの担当みたいになっちゃってますけど(笑)。

──では最後に、今後描いてみたいシーンを教えてください。

シーンとかではないですが、カラーをもっと描いていきたいですね。モノクロだと「こいつの髪、何色なんだ?」って思いながら読んでいる方もいらっしゃるでしょうし、カラーで見たほうがキャラクターのことがよくわかると思うので。あとシチュエーションだと、ちょうど学園編に入ったので、学校という特性を生かしていきたいです。衣装も制服だけじゃなく、水着や体操服も出せるでしょうし。学園編はまだまだ始まったばかりですが、これからどっさりサービスシーンが入りますので、土井くんがどれだけお楽しみなことになるかっていうのは期待していただきたいですね。

原作:LINK 漫画:宵野コタロー「終末のハーレム(2)」 2016年12月31日発売 / 集英社
「終末のハーレム(2)」
コミック / 626円
Kindle版 / 600円

MKウイルスの特効薬開発に着手した怜人だったが、 偶然見つけた絵理沙からのメッセージで衝撃の事実を知る。
一方、女性による統治機構・ UW日本支部の上層部はメイティングしない怜人に業を煮やし、そのうちの一人が甘美な罠を仕掛けるが……!?
そして、第3の男が目覚める……!

宵野コタロー(ショウノコタロー)
宵野コタロー

12月24日生まれ。成年向けマンガとして「発情ベイビー」「テイクアウトハニー」などのタイトルを上梓。一般誌での連載作に「To LOVEる -とらぶる-」の長谷見沙貴原作による「スタプラ!NG♪」や、「僕は先輩に女装を強いられています。」など。2016年5月に少年ジャンプ+にて、LINK原作による「終末のハーレム」をスタートさせた。