「いつも電車だな」って言われたので
井上 この4人を元に曲を作っていくなら、住んでいるマンションも一緒なわけだし、「日常」っていう部分をポイントにするのもいいかもしれませんね。例えば4人でコンビニに行ったらどうなるんだろうって考えたときに「自然と男女2人ずつに分かれるのかな」とか「『どれがいい?』みたいなことを言ってるのかな」とかいろいろ想像しちゃますね。きっと歩いていても何か起こるんだろうな。
咲坂 日常の中のときめきっていいですよね。
井上 めっちゃいいです! マンションで由奈ちゃんが窓越しに理央くんと話しているところなんかもドキッとしますね。
咲坂 でもああいうシーン、私の日常にはなかったですよ(笑)。
井上 いや、普通はないですよ。あんなやりとりがあったらめちゃくちゃ羨ましいです。ちなみに4人は満員電車とかには乗らないんですかね?
咲坂 乗ってると思うんですけどね。私がこれまでの作品で電車のシーンを描きすぎて、「いつも電車だな」って言われていたので、今回は控えています(笑)。なにか行事っぽいテーマがあったりしたほうが歌詞にもしやすいんですかね?
井上 文化祭とか! 「ストロボ・エッジ」に出てくる文化祭の準備のシーンなんかは、私の中で理想的なシチュエーションですね。何人かで買い出しに行って、途中で2人だけで抜け出しちゃうみたいな。
メインキャラ4人に共通する不器用さ
井上 今日お話しさせていただいて、4人に共通する「人間的に不器用」っていうところをフィーチャーできたらいいのかなと思いましたね。
咲坂 そうですね。4人を抽象的に語ると「不器用」ってキーワードが出てくるのかな。
井上 ただかわいいだけの歌詞じゃなくて、そういう人間的な不器用さも出すことができたら、聴いている人も「ああ、あるな」って共感できるんじゃないですかね。由奈ちゃんで言えば、ずっと理央くんのことが好きで純粋でまっすぐな気持ちを持っているんだけど、なかなかうまくいかない、みたいな。
──これから制作に入って、1カ月後にはレコーディングを行うんですよね。かなりのスピード感で曲を作っていくことになると思うのですが。
井上 そうですね(笑)。でも私の大好きなマンガなので、その読者の方にも、もちろん私のファンの方にも喜んでもらえるような曲を作れるようにがんばります! まだふわっとしているんですが、真っ直ぐに人を好きになることの素晴らしさみたいなものを、曲を通して伝えられたらと思っています。
咲坂 私は書き下ろしてくれるだけでホントにうれしいんですけど、苑子ちゃんらしい柔らかい感じとかを聴けたらうれしいですね。あまり何か言いすぎてしまって、プレッシャーになってしまうと申し訳ないなと感じつつ、楽しみながら作っていただければと思います。
コラボ楽曲は12月6日に発売される井上苑子の2ndフルアルバム「JUKE BOX」に収録予定!
- 咲坂伊緒「思い、思われ、ふり、ふられ⑥」
- 発売中 / 集英社
- 咲坂伊緒(サキサカイオ)
- 6月8日生まれ。B型。東京都出身。「サクラ、チル」でデビュー。代表作に2007年から2010年まで別冊マーガレット(集英社)にて連載された「ストロボ・エッジ」、および同誌にて2011年から2015年まで連載された「アオハライド」。「アオハライド」は2014年7月にテレビアニメ化、同年12月は実写映画化を果たしたほか、「ストロボ・エッジ」も2015年に実写映画化された。2013年公開の劇場アニメーション「ハル」ではキャラクター原案も務めている。2015年より別冊マーガレットにて「思い、思われ、ふり、ふられ」を連載中。
- 井上苑子(イノウエソノコ)
- 神戸出身の19歳シンガーソングライター。小学校6年生時より作詞作曲と路上ライブを始め、高校入学と共に上京。2015年7月にメジャーデビューを果たす。1stシングル「だいすき。」はYouTubeで1000万再生を超え、女子中高生を中心にスマッシュヒットを記録しており、これまでのミュージックビデオの総再生回数は4500万回を突破している。2017年2月に配信リリースした槇原敬之「どんなときも。」のカバーはCMソングとして話題となり、音楽配信アプリで600万再生のヒットに。また歌手活動だけでなく、映画、ドラマ、CMなどにもマルチに出演している。12月6日には2枚目のフルアルバム「JUKE BOX」をリリースする。