「復讐の毒鼓2」原作 Meen× 作画 Baekdoo|「10年先の展開まで考えています」2人で描く、重く荒々しい復讐劇のこれから

ピッコマにて配信中の「復讐の毒鼓」は、いじめによって双子の兄を殺された弟の復讐劇。原作はMeen、作画はBaekdooの韓国在住の男性2人が手がけており、“Meen・Baekdooユニバース”と総称される派生作が数々生み出されている。

本作の続編「復讐の毒鼓2」が10月に連載スタートしたことに合わせ、コミックナタリーではMeenとBaekdooにインタビューを実施。作風だけでなく、日本のマンガ好きという点などでも「気が合う」という彼らに「復讐の毒鼓」シリーズのこれまでとこれからを語ってもらった。

取材・文 / 西村萌

復讐の毒鼓

キャラクター

「双子の兄が死んだ。俺は今から秀だ」

神山勇(かみやまゆう)
神山 勇(かみやま ゆう)
いじめで殺された兄・秀の仇を討つため、泰山高校へ潜入。兄になりすまし、学校を牛耳る不良集団“ナンバーズ”への復讐を誓う。中学時代に呼ばれていた“毒鼓”という通称には、「毒(自分)の音を聞いた者は全員鼓膜が破れて死に至る」という意味が込められている。

ナンバーズ

早乙女零(さおとめれい)
早乙女 零(さおとめ れい)
不良集団・ナンバーズの会長。自らが直接手を下すことはないが、ケンカの腕は圧倒的。メンバーは誰も彼に逆らうことができない。
近江清十郎(おうみせいじゅうろう)
近江 清十郎(おうみ せいじゅうろう)
ナンバーズの精鋭たちで構成された“親衛隊”の1人。ケンカのランキングは20位だが、それ以上の実力を持っている。根は真面目で、次第に勇に協力する。
内村清隆(うちむらきよたか) / 南原光良(なんばらてるよし)
内村 清隆(うちむら きよたか)南原 光良(なんばら てるよし)
ナンバーズのメンバー。勇とのケンカに負けてから、ナンバーズの動向を探るスパイとして扱われている。

中学時代の仲間

雷堂仁(らいどうじん)
雷堂 仁(らいどう じん)
中学時代、勇とともに地元で名を馳せていた不良。レスリング日本チャンピオンという強者。
風見愛(かざみあい)
風見 愛(かざみ あい)
勇と仁と一緒に活動していた不良。飄々としてつかみどころがないが、本気になったときの実力は本物。

見どころ

Point.1伝説の不良が双子の兄になりすまし……

中学時代に高校生30人を1人で倒し、地元で一躍有名になった“毒鼓”こと神山勇。そんな彼とは対照的に、双子の兄・秀は成績優秀だがケンカはからっきし。“ナンバーズ”のある秘密を握ってしまったことから、暴行を受けて亡くなってしまった。勇は兄の仇を討つべく、秀として泰山高校に舞い降りる。

Point.2不良組織の圧倒的な統率力

早乙女零が会長を務め、いわば学校の核と言える“ナンバーズ”。人数は各学年に90~120人ほどで、その中の精鋭メンバー20人は“親衛隊”と呼ばれている。1年のときに3年の不良を全員なぎ倒し、1人でナンバーズを立ち上げた早乙女の命令は絶対。一般生徒から金を巻き上げ、それを役職ごとに給料として分配するという制度を敷いている。

Point.3拳だけじゃない、頭脳で勝負

神山勇の復讐計画は綿密に練られたもの。確実にナンバーズを潰すため、“親衛隊”の順位が下の者から狙っていく。自宅の壁にはメンバーの名前や特徴などを記し、いかなる駆け引きが有効か、どのような立ち向かい方が最適かを常に考察している。

「復讐の毒鼓」は全90話で終幕。最大の敵とひと区切りついたかと思いきや……

「復讐の毒鼓2」

勇の母親は息子と夫を1日にして亡くしたショックから、病にかかり家から出て行ってしまった。ようやく見つかったものの、母は末期がんを患っており余命1年足らずという状態。さらに勇のことを優秀な兄のほうだと思い込み、存在を認めてくれようとしなかった。そんな母親との約束で、勇は洸徳高校へ通い始めることに。しかし入学先は、かつて決着をつけた早乙女零の兄・尚が理事を務めており……。

因縁の対決が再び幕を開ける……!

原作 Meen×作画 Baekdooインタビュー

小説の執筆とは違う楽しみがあります(Meen)

──「復讐の毒鼓」は前日譚や続編などの派生作が続々と誕生していますが、元々はどれくらいのストーリーまで構想されていたんですか?

Meen 当初は「復讐の毒鼓」と、主人公・勇の中学時代を描く「復讐の毒鼓 REWIND」の大枠だけですね。

──Meen先生は、これまで小説家として活動されてきたそうですね。小説の執筆と、マンガの原作を手がけるのはどこが違いますか?

Meen あらすじ制作に関してはほとんど似てるのですが、小説とマンガではテンポと描写が違うと思います。それにマンガだと結局は絵がないとひとつの作品として完成とは言えないので、ストーリーをBaekdoo先生にお渡しして、どのように仕上がるのかっていう楽しみがありますね。

──おふたりの出会いは、「復讐の毒鼓」を手がける出版社がMeen先生の重めなストーリーと、Baekdoo先生の線の荒さが合いそうということで引き合わせたのが始まりだということですが、お互いに魅力的だと思う部分を教えてください。

拳を振るう神山勇。

Meen Baekdoo先生の絵は野生的で目を惹きますよね。しかしながらキャラクターが洗練されているのが魅力的です。

Baekdoo Meen先生は見る人をギリギリまで焦らして絶妙なタイミングを狙うというか、ずっと抑えていたものを一度に爆発させる巧みな技術を持っているんです。何より、ストーリーの展開が速いことが一番の魅力だと僕は感じました。

原作:Meen 作画:Baekdoo「復讐の毒鼓2」

いじめによって双子の兄を殺された弟・勇を描く「復讐の毒鼓」の続編。勇の母親は息子と夫を1日にして亡くしたショックから、病にかかり家から出て行ってしまった。ようやく見つかったものの、母親は末期がんを患っており余命1年足らずという状態。さらに勇のことを優秀な兄のほうだと思い込み、存在を認めてくれようとしなかった。そんな母親との約束で、勇は高校へ通うことに。しかし入学先は、因縁の相手・早乙女の兄が理事を務めており……。家庭崩壊敵の原因となった敵同士の対決が再び始まる。マンガアプリ・ピッコマで、毎週月曜日に新エピソード公開。

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Meen(ミーン)
Meen
「復讐の毒鼓」シリーズの原作担当。小説家として活動し、2001年よりマンガのストーリーを手がける。2011年、韓国コンテンツ振興院主催のストーリーコンペで優秀賞を受賞。初期には「天罰」「エンジェル」「チェスヨン」「魔鬼」を発表し、「復讐の毒鼓」「頭」「Blood Rain」などの世界観を総称する“Meen・Baekdooユニバース”で広く知られるようになった。
Baekdoo(ベッドゥ)
Baekdoo
「復讐の毒鼓」シリーズの作画担当。青江文化産業大学の漫画学部を卒業後、巨大企業を素材にした「総帥」を発表。以降、Meenとともに「復讐の毒鼓」「頭」「Blood Rain」といった“Meen・Baekdooユニバース”を確立させる。濃い水墨画のような男臭い絵柄と、豪快なアクション演出が特徴。