「抱かれたい男1位に脅されています。」|ハライチ岩井がBLアニメ「だかいち」を推す理由「自分の中の異性に気付ける作品」

BLは女子だけのコンテンツじゃない! なぜなら……

岩井勇気(ハライチ)

──先日、白井悠介さんと伊東健人さんが出演した「ハライチ岩井勇気のBLコントCD」もリリースされ、即売会J.GARDENで即完売でしたね。

BL縛りでコントを書いてみたらけっこう面白かったんですよ。でも芸人同士が演じるとなると、あざとく狙っている感じになってしまう。そこを声優さんに演じてもらうことによって、演技もうまいですし、あざといという次元じゃなくなりますよね。それにBLという要素が乗っかってると、“傷つけない笑い”になるというのがわかって面白かったです。なんといっても、2人はお互い好き同士なわけだから。

岩井勇気(ハライチ)

──なるほど。どんどん岩井さんの活動の幅が広がっていますね。

前にラジオでも言ったんですけど、よくBLは女子向けコンテンツで女子のもの、という捉え方をされていますけど、「そもそも男同士の恋愛を描いてるんだから、男のものでもある」って僕は思ってるんです。だから、BL好きのお笑い芸人ってことで珍しいというのはわかるんですが、そういう捉え方は「なんか逆転してんな」と感じるときはありますね。

──確かに、現状「BLは女子のもの」という先入観がありますが、岩井さんの主張の通りだと思います。ちなみに相方の澤部(佑)さんは、岩井さんにBLのお仕事が増えていることについてどういう評価をされているんですか?

ああ、どう思ってるんでしょうね……。聞いたことないなあ(笑)。

──澤部さんにおすすめのBLを貸したりすることは……。

しないっす!(笑) 「なんだお前、これ読んでるの?」って言われたくないから絶対貸さないですね。あいつはBLというだけで否定しそうなんで(笑)。

──なるほど(笑)。ちなみに最近ハマったBLはありますか? 

最近だとはらださんが好きで。はらださんの作品はだいたい読みました。「ネガ」と「ポジ」は、いろんなものがいっぱい詰まっている感じがよかったです。僕、30歳を機に実家を出て一人暮らしを始めたんですが、実家に全部マンガを置いてきちゃったので、いま家にはBLのマンガしかないんですよ(笑)。

アニメ「抱かれたい男1位に脅されています。」5話より。

──なぜBLだけに?

実家を出てから買ったのがBLしかないからです(笑)。ここ1年半くらいで急激にBLを読むようになって、そこからはBLしか買ってないんですよ。紙派なので物量がすごいんですが、全部ソファの下に入れてます(笑)。

自分の中の異性が目覚める作品、それが「だかいち」

──男子も含めた「だかいち」未見の人にこの作品をおすすめするとしたら、どんなところを推しますか。

アニメ「抱かれたい男1位に脅されています。」キービジュアル

まず、ほとんどの女子は高人さんのことを「かわいい」と感じると思うんです。でも、高人さんは基本的にクールな性格の男性俳優というキャラなので、女子がこのタイプのキャラクターをかわいいと思うのは、珍しいというか不思議なことだと思うんですよね。それと同じように、准太みたいなガタイのいいキャラクターは「カッコいい」となるはずなんですけど、懐いてくる後輩という立ち位置ですし、純粋で子供みたいなところもあるから、男子から見たら案外「かわいい」と感じるキャラだと思うんですよ。何かをかわいいって思う気持ちって、母性みたいなものですよね。だから、准太は「男子の中の女子」を目覚めさせる魅力があると思う。

──深いです。パラドックスのようですが、普段は萌えられないところに萌えられる作品だという点ですね。

つまり「だかいち」は、「自分の中の異性が目覚める作品」だと思いますね。原作でもアニメでも、自分がかわいいと思うキャラクターがどこかにいるはずなので、それを見つけてもらいたいです。そして、2人はセックスで始まっている関係ではあるけど、そこからどんどん純愛になってくので。身体が先行しているけれど、お話が進むにつれて気持ち的に求めるようになっていくのが、この作品の面白くなってくところだと思うので、そんな2人の関係性を楽しんでもらいたいですね。

岩井勇気(ハライチ)