異形化ヤクザ集団との戦い描く「アラタの獣」を雨宮哲、片桐健滋、片桐仁、酒井若菜、中野雅之、松尾スズキ、光宗薫、森川智之、ヤマサキセイヤが読む (2/2)

松尾スズキ

松尾スズキ

羽生生さんの絵柄やネーミングセンスは、なんかシンパシーを感じるものがあり、「恋の門」を映画化させていただいたり、演劇のチラシを描いてもらったりしていました。今回、久しぶりに新作を読んで、笑いとバイオレンスとエロ描写を共存させるあいかわらずのバイタリティに膝をたたき、前世で一緒になんかやってたっけ?と、問いただしたくなる気分です。

好きなキャラクター

瀬戸
瀬戸(セト)

瀬戸ですかね。
これからなにをするか、潜在能力がはかり知れんということで。

プロフィール

松尾スズキ(マツオスズキ)

1962年、福岡県生まれ。1988年に大人計画を旗揚げし、1997年「ファンキー!~宇宙は見える所までしかない~」で第41回岸田國士戯曲賞を受賞。2004年に映画「恋の門」で長編監督デビュー後、2008年には映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を獲得。2015年に映画「ジヌよさらば~かむろば村へ~」(監督・脚本・出演)、2019年に映画「108~海馬五郎の復讐と冒険~」(監督・脚本・主演)が公開された。小説「クワイエットルームにようこそ」「老人賭博」「もう『はい』としか言えない」で芥川龍之介賞にノミネートされるなど、作家としても活躍。2019年に上演した「命、ギガ長ス」が第71回読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞。2020年、Bunkamura シアターコクーンの芸術監督に就任した。

光宗薫

光宗薫

冒頭からアクセル全開で進展していく物語とその物語の主人公である「黎」の欲求に忠実で好戦的な言動は爽快で、迎え討つ獣たちは人間の名残りと人知を超えた強靭さを併せ持っていて最高に不気味でした。

東京湾市の荒んだ世界にぽつんと現れた天使のような少年「アラタ」。

いつの時代も、こういう世界観の中で少し浮いているアラタのような存在が最も要注意なんだよなあ……

好きなキャラクター

荼毘泥
荼毘泥(ダビデ)

個人的に印象に強く残ったのは荼毘泥という獣です。

彼の口癖である「自分、不器用なんで」という言葉はなんだかとても恐ろしく、戦いに対して加減を知らないという彼のストイックで無慈悲な側面を感じ、刺さりました。笑

プロフィール

光宗薫(ミツムネカオル)

絵画アーティスト / 女優。1993年4月26日生まれ。大阪府出身。2011年から2012年にかけてAKB48のメンバーとして活動後、女優やモデルなど、表現者として多岐にわたり活動。2011年頃より独学で絵を描きはじめ、2013年から定期的に個展を開催している。使用する画材は主に無印良品のポリカーボネイトボールペン0.7mmなど。昆虫や自身の姿、空想の生物等を緻密に描き込む。近年はさまざまな画材にも挑戦し、作品は度々話題になるなどアーティスト活動も注目を集めている。4月2日から24日まで、光宗薫個展「SEMITOPIA」を東京・銀座ヴァニラ画廊にて開催中。またInstagramのアカウント@mtmnkor.artでは、主にボールペン画の情報を発信している。

森川智之

森川智之

ドーモ、声優の森川智之です。
ということで、本兌有+杉ライカ先生原作の漫画「アラタの獣」と出会うのもインガオホー!
ストーリーのぶっ飛び加減と、羽生生純先生の紙面から飛び出したような強力な画力に、
刺激の足りない人たちは、失神必至! 相当感化されるのでは?
これほどまでのアクション&バイオレンスに「ニンジャスレイヤー」のフジキドを演じた私も、
「アイエエエ!?」と心を揺さぶられております。
混沌の世界に生きるとはよくあるが、それを喰らうのは初めて。
それほどまでに脳内を刺激してくる。出会ったら最後、黎とアラタの壮絶な生き様に目が離せない!

好きなキャラクター

黎
黎(レイ)

強い女性は好きです。
黎は生のエネルギーに満ち溢れていて半端なく強いところと、
アラタの面倒をみたりと人間的に魅力的だから。

プロフィール

森川智之(モリカワトシユキ)

1月26日生まれ、神奈川県出身。声優として数多くの作品に参加。洋画作品ではトム・クルーズ、ユアン・マクレガー、キアヌ・リーヴス、マーティン・フリーマンらの吹替を務める。主なアニメ出演作は「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」(吉良吉影役)、「クレヨンしんちゃん」(野原ひろし役 / 2016年8月~)、「ブラッククローバー」(ユリウス・ノヴァクロノ役)、「鬼滅の刃」(産屋敷耀哉役)、「ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン」(ニンジャスレイヤー / フジキド・ケンジ役)など。

ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)

ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)

キュウソは10年前に初めてインディーズでリリースしたフルアルバムのジャケットを羽生生純さんに描いてもらいました。当時の僕らのはちゃめちゃな音楽性と見事にマッチし、デビュー盤に強烈なインパクトを与えてくれました。改めてアルバムのジャケットを見直した時に、歯の魅力に気付きました。1本1本描かれていて力強いです。今作も良い歯がいっぱいあります、見てみてほしいです。
僕は最近ヤクザ映画熱が高くなっていたので、異形のヤクザ集団が出てくると聞いて、興味湧きまくりました。
最近はなかなか厳しい時代になって来ているようですが、しっかりとヤクザらしく活躍するのが好きですエンタメとして。
ヤクザ系は圧倒的な暴力による恐怖感とたまに出るユーモアによる緊張と緩和がいい。
異形のヤクザとなることでさらに暴力とユーモアの値が増しますね。
そんな異形化ヤクザ集団に立ち向かうのは主人公の泊黎(トマリレイ)。彼女もかなり突き抜けてます、ヤリたいことをヤる。
謎の少年アラタとの出会いや、非現実的な出来事にもすぐに対応し、ヤるの意味が増える。泊黎の迫力が特にすごいので必見です。
僕個人的に曲の歌詞に使うくらい身体の中に宿したい幻獣ランキング1位のケモノが出てきそうな……
まだ謎な事がたくさん……! 早く続きが読みたいです!!

好きなキャラクター

亜倍流
亜倍流(アベル)

異形化の迫力、怖いし、強い、“ポチ”を従えてる、通常時からクセになる見た目。ヴィランとしてすごく魅力的。
パーソナルな部分がチラッと見えたりするので、今後の活躍も楽しみです。

プロフィール

キュウソネコカミ

ヤマサキセイヤ(Vo, G)、ヨコタシンノスケ(Key, Vo)、オカザワカズマ(G)、カワクボタクロウ(B)、ソゴウタイスケ(Dr)からなる5人組ロックバンド。2009年末に大学の就活敗残者を中心に兵庫県西宮で結成される。インディーズでの活躍を経て、2014年6月にリリースしたミニアルバム「チェンジ ザ ワールド」でメジャー進出を果たした。破天荒なステージパフォーマンスとは裏腹に、地道な活動で着実に人気を獲得。2021年1月には、4thミニアルバム「モルモットラボ」をリリース。2012年にリリースしたアルバム「10代で出したかった」のジャケットイラストは羽生生純が手がけている。