イケメンキャラは高いところから飛んでほしい(ぷにちゃん)
──今回の対談を実施するにあたり、事前にビーズログコミックスさんの公式Twitterで読者の方々に“推しあまシーン”の投稿を呼びかけていまして。読者の方々から多数の応募があった3つのシーンについてお話を伺って、作品を振り返られればと思います。人気が高かった“推しあまシーン”の1つ目は6巻21話、アクア様とキースの決闘中に城から落下してしまったティアラを追いかけ、アクア様が躊躇なく飛び込むシーンです。
ぷにちゃん とにかくアクアをカッコよく書きたいと思っていました。私の趣味なのかわからないですが、イケメンキャラは高いところから飛んでほしいみたいなところがありまして。ただキースも人気だからカッコいいシーンを見せたい反面アクアが負けてしまうのもよくないかなと感じていて、アクアだけカッコよく見せられるシーンがあったらいいなと思い気合いを入れて飛び降りさせました。
ほしな 私もそこは当時も気合いを入れて描いていた思い出がありますね。イケメン同士の戦いの末なので。
──もし自分がティアラだとして、落下したときにアクア様が飛び込んできたらどう思いますか……?
ぷにちゃん どうなんですかね、いくらアクアでもここは無理じゃないかみたいな(笑)。
ほしな (笑)。あんなに冷静にいられない気がしますね。でも助けに来てくれるのはキュンとする。
ぷにちゃん 確かに! でもここからどうする!?みたいなハラハラが勝りそう。
ほしな まさか空を飛べると思っていないので、どうなるんだろうとは思うかもしれない(笑)。
──では2つ目のシーンである9巻36話はどうでしょうか。読者からは「第二の結婚式と言っても過言ではないほど美しい」などの感想が寄せられていました。
ぷにちゃん いつもはアクアがガンガン行くので、たまにはティアラから気持ちを伝えることで、よりドキドキが増してもらえたらうれしいなとは思っていました。
ほしな ティアラから思いを告げるシーンは本当に貴重なので、ここは大ゴマ使おうと決めていました。とにかくティアラをかわいく描きたいなと。
──このシーンの人気が高かったのは意外でしたか? それとも想定通り?
ぷにちゃん いろんなイチャラブシーンがあるので、正直予想はつきにくかったですね。「あ、そこなんだ」みたいに驚くわけじゃないですけど、マンガ版ではとてもキレイに描いていただいているシーンなので、選ばれた気持ちはわかるなあと。
──「第二の結婚式」と言われるのもわかる気がします。そして“推しあまシーン”3つ目は7巻25話の、お菓子作りをしているティアラにアクア様がバックハグをするシーンでした。「こちらまで笑顔になりました」との感想も寄せられています。
ぷにちゃん 日常の甘いシーンを気に入っていただいた感じですね。お菓子を作るシーンって割と現実味があって自分でも想像しやすかったので、“親しみやすいバックハグ”みたいな感じを意識して書いていました。
ほしな ここはニヤニヤしながら小説を読んでいました……(笑)。このシーンは挿絵にもあったので描きやすかったです。コミカライズを読んだ読者さんにもニヤニヤしてもらえるようにがんばりました。みんなもニヤニヤして!
ぷにちゃん (笑)。
うらやましい部分もありつつ、実際やられたらちょっと恥ずかしいかも(ほしな)
──おふたりが選ぶ“推しあまシーン”もお伺いしたいなと思っておりまして。1~3巻のラピスラズリ編、4~6巻の結婚編、7~9巻の新婚編からそれぞれ1シーンを挙げていただきたいです。
ぷにちゃん すごくさりげない感じもあるんですけど、ラピスラズリ編は2巻5話のアクアがティアラのところに来て話をするシーンですね。上着をかけるところがいいなと思って読んでいました。結婚編はティアラがアクアのことを「アクア」って呼び捨てで呼ぶシーンが好きです。
ほしな 私もそこ好きですね。
ぷにちゃん あのティアラがめちゃくちゃかわいくて。確か4巻の最終話だったと思うのですが、そこで終わるのでキュン度が高いのではないかと思っています。新婚編は9巻33話の、水にしたたる2人のイチャラブからの花のお砂糖シーンの流れがすごい好きで。
ほしな うれしいです(笑)。ぷにちゃん先生がおっしゃっていたシーンも好きなんですけど、私はラピスラズリ編では初デートでお花畑に出かけるシーンがいいですね。ティアラローズの初々しさが満点でした。結婚編はピアスを開けるシーンが好きで、アクア様が「開けたかった」と残念がるところもいいですし、サクッと開けちゃうティアラもすごいなあって思います。新婚編は7巻28話でティアラがクレイルとお茶会をしているときにアクア様がやってきて、まったく独占欲を隠さないところが読んでても描いてても楽しかったです。
ぷにちゃん 今思い出したんですけど、クレイルとのお茶会を最初に書いたとき、アクアの独占欲がひどいから「もしかしてこいつ男なんじゃない?」と読者から感想をもらったことがありまして。アクアの独占欲によって男か女か決まっちゃうんだ、すごいなと思った記憶があります。クレイルもカッコよく美しく描いてくださって、そこにアクアが入っていって。ティアラの取り合いとはまた違うかもしれないですけど、私も楽しく読んでいました。
──今挙げていただいたシーンのように、作中にはたくさんの溺愛シーンが登場します。おふたりにとって溺愛ものの魅力とは?
ぷにちゃん 「これくらい甘やかしてもらったら女の子としてはうれしいんじゃないか」という部分を物語の中で表現することで、日頃の疲れが癒えたらいいなと思っています。仕事に疲れたら甘やかしてほしいとか、褒めてほしいとか、思いはするけど実際には難しい部分なので。そういった甘めのシーンはあんまり考えなくても筆が進んでいくんですけど、私にそれほどバリエーションがあるわけでもないので最近は出尽くしてきたかな(笑)。なのでティアラからもたまにはがんばってという感じで、気合いを入れて書くときもあります。
ほしな やっぱり癒やされますよね。いいなあといううらやましい部分もありつつ、実際やられたらちょっと恥ずかしいかもしれないですが(笑)。この作品に関しては主要キャラの周りで傍観していろいろ見ていたいです。
アクアの寝顔やいつもと違う一面に注目(ぷにちゃん)
──最新刊である10巻の見どころをお伺いできればと思います。
ぷにちゃん イチャラブなシーンやティアラのお転婆なところもあるので、どこをオススメしたらいいか悩むところではありますが……個人的にはアクアの寝顔やデート中のいつもと違うアクアの一面に注目して楽しんでいただけたらうれしいです。アクアの爽やかな笑顔でキュンキュンドキドキするところもあるけど、怒っている顔もあったりと、いろいろ楽しめる1冊になるかなと。けっこうキャラが盛りだくさんです。
ほしな アクア様もそうですけどティアラローズも普段と違うと思います。あとはぷにちゃん先生に書いていただいた素敵なショートストーリーを巻末のおまけマンガとして描き下ろしているので、楽しみにしていただけたらと思います。
──読者の皆さんも心待ちにしていると思います。今回の対談を機に改めてお伝えしたかったことや聞いておきたいことがあればお話しください。
ぷにちゃん 作画してもらってありがとうございます、という気持ちでいっぱいなので聞きたいことはそんなにないですね。優しくて甘いアクアからちょっと黒っぽい笑みを浮かべるアクアまでうまく描き分けていただいて、いつも楽しく読ませていただいているのでこれからもよろしくお願いします。
ほしな こちらこそ(笑)。
ぷにちゃん あんまり気の利いたことをいつも言えず「とってもいいです」「問題ないです」しか繰り返していない感じなのですが(笑)。
ほしな 私もいい意味であまりないです。一ファンとしてぷにちゃん先生の作品が好きですということと、100%忠実に描くことはちょっと難しいのでできるだけイメージをあわせていきたいなと思っています。なので「ここはちょっと……」という部分があったら面倒でもその都度言っていただきたいです。
ぷにちゃん ありがとうございます。いつも忠実すぎて私がびっくりするぐらいです。ちょっと雰囲気が違うかなという部分は遠慮なく言わせていただいているので、ほしな先生も何かあればいつでも相談していただきたいです。
──最後に読者の皆さんへメッセージをお願いいたします。
ぷにちゃん 本当にいつも応援ありがとうございます。小説を今現在続けられているのは支えてくださった皆さんのおかげなので、これからも楽しくイチャラブなティアラとアクアスティードや、ほかのキャラも楽しくお届けできるようにがんばります。どうぞよろしくお願いいたします。
ほしな 読んでくださり、応援してくださりありがとうございます。これからも原作の魅力が伝わるよう精一杯がんばるので、小説と合わせて楽しんでいただけたらうれしいです。
「悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される」オリジナルグッズが発売!
作品の世界観を楽しめるオリジナルグッズが、6月1日にKADOKAWAの公式オンラインショップ・カドカワストアのニュータイプアニメマーケットで販売スタート! カップ&ソーサーセットや、ティアラローズをイメージした紅茶、妖精王たちの入浴剤などが展開される。あなたも悪役令嬢に転生した気分を味わってみては?
※画像は制作途中のイメージです。
プロフィール
ぷにちゃん
小説投稿サイト・小説家になろうに投稿していた「箱庭の薬術師」が2015年に書籍化されデビュー。2016年より連載を開始した「悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される」をはじめ、「加護なし令嬢の小さな村」「完全回避ヒーラーの軌跡」「異世界もふもふカフェ」など多くの書籍がマンガ化されている。
ぷにちゃん (@punichan_061) | Twitter
ほしな
pixivで発表していた「ヒメひろ」が2016年に書籍化しデビュー。2017年に「悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される」のコミカライズ連載がスタート。ほか著作に「高比良さんの恩返し」「穂積くんは猫に勝てない」など。