音楽ナタリー Power Push - 夜の本気ダンス

ダンスミュージックへの見解

夜の本気ダンスが、3月9日発売のニューアルバム「DANCEABLE」でビクターエンタテインメントよりメジャーデビューを果たした。音楽ナタリーでは2015年に夏フェスやサーキットイベントに多数出演し、2016年2月から3月にかけてスペースシャワーTV主催のライブツアー「スペースシャワー列伝15周年記念公演 JAPAN TOUR 2016 supported by uP!!!」に出演したことで知名度を高めている彼らにインタビューを実施。ダンサブルなサウンドとアグレッシブなライブパフォーマンスが持ち味の夜の本気ダンスが語る、ダンスミュージックへの見解とは?

取材・文 / 石橋果奈 撮影 / 後藤倫人

踊れる音楽に対する僕たちなりの回答

──今回メジャー1stアルバム「DANCEABLE」をリリースされますが、どんな1枚になりましたか?

夜の本気ダンス

米田貴紀(Vo, G) 踊れる音楽に対する僕たちなりの回答がこの作品で提示できたと思いますね。そこをリスナーの方に聴いていただきたいなと。

──僕たちなりの、というと?

米田 僕は最近の邦楽バンドの楽曲は複雑な展開が多いなと思っていて。例えば曲の中で全員でキメるところが多かったりとか。僕らとしては曲の密度は濃くしつつ、シンプルなロックのよさっていうのを出していきたいし、そこが最近のバンドとは違う部分かなと思いますね。

鈴鹿秋斗(Dr) どんどん音を足していってカッコいい曲を作っていくバンドもいると思いますけど、僕らはそぎ落としてシンプルにしていくっていう作り方なんです。だからシンプルでも踊れるのが僕らの楽曲のよさになってると思いますね。前作のアルバム「DANCE TIME」(2014年リリース)を出してから、ライブでは1年半ぐらいその収録曲をメインでやってきて。今回のアルバムには新曲が8曲ぐらい入ってるんですけど、これを出すことによって、よりライブパフォーマンスの幅が広がるし、次のレベルに行けるんじゃないかなって思います。足りない部分を補ってくれるというか、「こういう曲があればもっとよくなるんじゃないか」って考えながら作ったアルバムなので。

米田 今作に収録される「escape with you」「Feel so good」「Dance in the rain」あたりは僕がギターを持たずにハンドマイクで歌うことをイメージしながら制作したものなんです。常に曲がライブでどう生きるのかとか、そういったところを考えていますね。

──ギターを持ってると煽りづらい部分もありますか?

米田 やれるパフォーマンスの範囲がどうしても狭まってしまいますからね。最近はワンマンライブをやることも増えてきたので、もっと視覚的にお客さんに楽しんでもらいたい、お客さんとコミュニケーションを取りたいっていう気持ちが強くなって。だから自由に動き回りたいっていう欲求も出てきたんです。もともとハンドマイクで歌う曲は「fuckin' so tired」と「Only Nineteen」ぐらいしかなかったんですけど。

──「fuckin' so tired」は、ライブでは毎回曲頭のキメが盛り上がりますよね。

米田 そうですね、それこそライブで進化していった曲です。ライブでさらに曲のよさを引き出せたと思いますね。今後いろんな曲でそういうチャレンジをしていきたいです。

ライバルはドアラとフレデリック

──今回アルバムを聴かせていただいて、勢いのある曲が多い印象を受けました。この選曲には何か意図があったのでしょうか?

米田貴紀(Vo, G)

米田 アルバム制作中は1曲1曲に対して集中してやってたので、勢いのある曲が多いっていうことはできたときに気付いたんです。アルバム制作期間の僕の気持ちがこういう気分やったんかなというか(笑)。

鈴鹿 曲を作り始めたのがちょうど夏フェスシーズンと初ワンマン(2015年9月に大阪・Shangri-Laで開催された「梅シャン!ONE MAN SHOW!」)が終わったあとだったので、そのときに自分たちに足りないと感じた部分が今回のアルバムに詰まってるのかなって思いますね。

米田 もっとお客さんを盛り上げたいっていうのもあるし、まだまだ出せてない僕たちのルーツも出していきたいなと。6、7曲目にはロックンロールやガレージロックから受けた影響を反映しています。そういうところを出した分、今回ミドルテンポの曲は「Love is always new」ぐらいで。

──活動をしていて周りから影響を受ける部分もありますか?

米田 サウンド面ではあまりないですけど、ドラマチックアラスカやフレデリックっていうライバル関係のバンドはいるので、そういう面では刺激を受ける部分はありますね。

──その2バンドとは2015年に全国ツアー(「ALA-UMI-DOSS TOUR 2015~逃げ出したくなるような踊ってない夜に本気ダンス~」)を一緒に回ってましたよね。

米田 そうです。ドラマチックアラスカももちろんライバルだと思ってますけど、年齢がちょっと下なんです。でもフレデリックは同い年なんで、さらに近いっていうか。

マイケル(B) しかも今回「列伝ツアー」でも一緒っていう(笑)。切っても切り離せへん関係なんやろうなって思いますね。

メジャー1stアルバム「DANCEABLE」/ 2016年3月9日発売 / Victor Entertainment
「DANCEABLE」
初回限定盤[CD+DVD] / 3456円 / VIZL-939
通常盤[CD] / 2700円 / VICL-64524
収録曲
  1. Oh Yeah
  2. Crazy Dancer
  3. By My Side
  4. LOVE CONNECTION
  5. Love is always new
  6. escape with you
  7. Feel so good
  8. Logical heart
  9. Dance in the rain
  10. Show down
夜の本気ダンス「レコ発記念ワンマン『WONDERFUL! DANCEABLE! ENSEMBLE!』 ツアー」
2016年6月10日(金)大阪府 BIGCAT
2016年6月12日(日)香川県 高松MONSTER
2016年6月18日(土)愛知県 THE BOTTOM LINE
2016年6月25日(土)北海道 cube garden
2016年7月2日(土)広島県 広島CLUB QUATTRO
2016年7月3日(日)福岡県 BEAT STATION
2016年7月9日(土)新潟県 CLUB RIVERST
2016年7月10日(日)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
2016年7月15日(金)東京都 LIQUIDROOM
夜の本気ダンス(ヨルノホンキダンス)
夜の本気ダンス

米田貴紀(Vo, G)、町田建人(G)、鈴鹿秋斗(Dr)、マイケル(B)からなる4人組ロックバンド。2008年に京都府で結成された。2014年2月にタワーレコード限定シングル「Bitch」を発表したのち、3月に初の全国流通ミニアルバム「DANCE STEP」をリリース。同年11月にアルバム「DANCE TIME」を、2015年にシングル「By My Side」を発売する。2016年2月から3月にかけてスペースシャワーTV主催のライブツアー「スペースシャワー列伝15周年記念公演 JAPAN TOUR 2016」に出演。同年3月にアルバム「DANCEABLE」でビクターエンタテインメントからメジャーデビューを果たした。