ナタリー PowerPush - X JAPAN

YOSHIKI単独インタビュー

X JAPANのライブDVD「THE LAST LIVE 完全版」がリリースされた。これは1997年12月31日に東京ドームで行われたライブの模様を完全収録した映像作品。伝説として語り継がれている解散ライブの模様を、余すところなく味わうことができる。

ナタリーではこのDVDの発売を記念し、来日中のYOSHIKI(Dr, Piano)にインタビューを敢行。2007年10月にX JAPANの再始動を果たして以降、精力的な活動を続け、先日ワールドツアーを終えたばかりの彼に、さまざまな話を訊いた。

取材・文 / 大山卓也 インタビュー撮影 / 平沼久奈

 
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常に「もう明日はない」という気持ち

──ワールドツアーの大成功、おめでとうございます。

インタビュー風景

ありがとうございます。

──体調はいかがですか?

ちょっと無理しすぎたんで、これからアメリカに戻って検査入院ですね。多分大丈夫だと思うけど。

──激しいツアーでしたからね。

2年ちょっと前に首を手術したんですけど、そのときからこの3本の指(左手の中指、薬指、小指)がしびれちゃってて、それが治ってないんですね。だから今でもしびれをとる薬を飲んでて。医者には「もうドラムは止めろ」って言われてるんで、最初はやっぱりセーブしようと思ってて、でもコンサートが始まっちゃうと、もうどうにでもなれっていうか。

──熱くなってしまう?

「もう明日はない」くらいの気持ちでずっとやり続けてきてますからね。先のことを考えてセーブしたくない。本当に毎回真剣勝負です。

未来によって過去は変えられる

──そんな中「THE LAST LIVE 完全版」のDVDがリリースされました。YOSHIKIさんご自身もあのライブの映像を観るのは久しぶりだったのでは?

インタビュー風景

そうですね。普通はDVDとかってコンサートが終わってすぐ出すものだと思うんですけど、でも当時は映像を観ることができなくて、2年後くらいにレコード会社の社長さんに「出したほうがいいです」って言われて、がんばって編集を始めたんですけど、そのときは最後までたどりつかなかった。「ENDLESS RAIN」までが限界だったんですね。もう泣きながらずっと観てて。でも10数年の月日が経って、今このワールドツアーを回っている中で、過去にちゃんと向き合った上で、未来に向かおうって思えるようになったんです。やっぱりラストライブっていうのはすごく大事な区切りだったんで。

──そう思えるようになったきっかけは?

やっぱり今の活動があるから過去に向き合えるようになったんですよね。あの頃はもう絶望的な気持ちだったし、ラストライブは悲しみと苦しみの中で、すべての終わりとして行われたから。特にそのあとHIDEが亡くなってしまったときには、もうX JAPANの再始動なんて絶対ないと思ってた。自分はもうプロデューサーや作曲家の道にいこうと思ってましたし、アーティストとしてこうやってまたパフォーマンスすること自体、あんまり考えられなかった。そういう時期がずっと長く続いていたんです。

──でも今、X JAPANで本格的な活動を再開させているわけですよね。

夢のようなことだと思ってます。

──しかも当時は果たせなかった世界進出が現実のものになっている。

そうですね。あのときは世界進出を成し遂げられないまま終わってしまったっていう悔しさがあって。自分の人生で初めて挫折した瞬間でした。僕がいつも思ってるのは、失敗っていうのはあきらめた時点で失敗であって、あきらめなければ失敗にならないんですね。でもラストライブをするということは、成し遂げないまま終わるということですから、「ああ、できなかったんだ」って。

──その悔しさをずっと抱え続けてきたわけですね。

インタビュー風景

そう。でもこの10数年の月日を経て、今また世界に向かうことができているんです。僕は昔何かのインタビューで「未来によって過去は変えられる」って言ったことがあるんです。今この現在がなかったら、あれは悲しい過去のままだった。でも今は前に進んでるから、あのラストライブも通過地点だったと思えるんです。ピリオドじゃなくて、カンマみたいなものだったんだって。

──そう考えると不思議ですね。あのときできなかったことが、今は自然な形で実現している。

本当に毎日起きるたびに自分は夢を見ているんじゃないかって思います。自分は幸せな人生を送ってるんだなって。解散してからの10年くらいの間にネットが著しく進化して、X JAPANの音楽がYouTubeで広まっていったり、ほかのヴィジュアル系バンドが活躍することでヴィジュアル系自体が世界に広まっていたり。そして気付いたら世界中にX JAPANのファンが増えてたんですよね。

──X JAPANがあの当時撒いていた種がどんどん広がっていったんですね。

「音楽は国境も年齢も人種もすべてを超えていく」って、昔偉そうに言ってたことがあるんですけど、それが今現実になっていて自分でもびっくりしてます。ラストライブのときに自分は一回死んだと思ってたけど、今はファンの人たちの思いで生かされてる。そういう気持ちで生きているので、逆に怖いものがなくなっちゃいましたね。

ライブDVD「THE LAST LIVE 完全版」 / 2011年10月26日発売 / ジェネオン・ユニバーサル

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  • 初回限定コレクターズボックス[DVD3枚組]  / 12600円(税込) / GNBL-7009
  • 通常盤[DVD2枚組]  / 5250円(税込) / GNBL-7010
収録曲
  1. Amethyst
  2. Rusty Nail
  3. Week End
  4. SCARS
  5. DAHLIA
  6. Drum Break
  7. DRAIN
  8. ピアノソロ
  9. Crucify My Love
  10. Longing〜跡切れたMelody〜
  11. Orgasm
  12. Forever Love
  13. Prologue-World Anthem
  14. X
  15. Endless Rain
初回限定盤 封入特典
  • 復刻ツアーパンフレット(縮刷版)
  • TOKYO DOME LIVE DVD 全4BOX購入者プレゼントキャンペーン応募券
初回限定盤 特典映像
  • 復刻ツアーパンフレット(縮刷版)
  • XJAPANメンバーのインタビュー映像

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X JAPAN(えっくすじゃぱん)

1982年にYOSHIKI(Dr, Piano)とToshI(Vo)を中心に結成される。インディーズで絶大な人気を誇り、1989年にアルバム「BLUE BLOOD」でメジャーシーンに進出する。派手なメイクと衣装に代表される独特のスタイルが大きく注目される一方で、圧倒的なヘヴィメタルサウンドと確かな演奏力が高評価を獲得。攻撃的なメタルナンバーとドラマチックなバラードの双方に定評があり、ヴィジュアル系バンドの先駆者的存在としても認知されている。人気絶頂の1997年、ToshIの脱退宣言を機に解散。再結成が熱望されるが翌1998年にHIDEが急逝し、復活は絶望視される。しかし2007年10月に突然活動再開を宣言しファンを熱狂させた。アジア諸国やアメリカ、ヨーロッパなどでの人気も高く、復活第1弾となった新曲「I.V.」はハリウッド映画「SAW4」のメインテーマソングに起用。本作で念願の世界デビューを果たしている。2008年3月には復活ライブを東京ドームを3日間にわたり開催し、各地からファンが集まった。2009年5月にはSUGIZO(G)が新メンバーとして正式加入している。