京都府京都市左京区出身の7人で結成されたバンド・バレーボウイズが1stアルバム「バレーボウイズ」をリリースした。
avex、DUM-DUM LLP、HOT STUFF、lute、ULTRA-VYBEがタッグを組んで行ったライブオーディション「TOKYO BIG UP!」でグランプリを獲得したことや「FUJI ROCK FESTIVAL」にROOKIE A GO-GO枠で出演したことで、耳の早い音楽リスナーから注目を集めているバレーボウイズ。昭和歌謡テイストを取り入れた懐かしいサウンドが好評を博し、今ではさまざまなイベントに引っ張りだことなっている。「バレーボウイズ」のリリースを記念し、音楽ナタリーでは前田流星(Vo)とネギ(Vo, G)にインタビューを実施。バンド結成秘話や楽曲制作などについて話を聞いた。また特集後半には「TOKYO BIG UP!」で審査員を務めた松田“CHABE”岳二(LEARNERS)、中尾憲太郎(Crypt City)、MC.sirafu(片想い、ザ・なつやすみバンド、うつくしきひかり)からのコメントも掲載する。
取材・文 / 清本千尋 撮影 / マスダレンゾ
口コミで名前が広がっていった
──まずはバレーボウイズ結成のきっかけについて教えてください。
前田流星(Vo) ほんまに最初のことを言うなら、僕らはメンバー全員が京都精華大学の出身で、共通の友人の誕生日を祝うためにネギちゃんと僕とで曲を作ったことがきっかけですね。そんなことがありつつ、4回生のときに精華大学の学祭「木野祭」に出たくてバレーボウイズを組んだんです。「木野祭」は精華大学の学生にとっては憧れのステージなんですよ。当時、僕は音楽をやっていなかったんですけど、4回生のコネをフルに使ったら出られるんじゃないかなと思ってネギちゃんに声をかけて仲間を探してもらいました。
ネギ(Vo, G) そうやったな。人を集めてライブ前日に1回だけスタジオに入って「木野祭」に出て。流星以外のメンバーもバレーボウイズが初めてのバンドの子が多いんですよ。バンド経験者はベースとドラムだけ。僕も弾き語りはやっていたけど、バンドはやっていなくて。
──「木野祭」を終えてからも、バレーボウイズの活動は続けていくつもりでしたか?
ネギ 「木野祭」に出たときはバレーボウイズの活動を続けていくという意思はみんなの中になかったんです。でも僕は「木野祭」が終わったあとも、バレーボウイズのSoundCloudアカウントやYouTubeに自分で宅録した音源を上げていて。そしたらそれを聴いたイベンターの人からライブ出演のオファーがあって、みんなに「こんなのに誘われたけど出ない?」って連絡をしたら、「出よう!」っていう話になったんです。
流星 そのときも2、3回しか練習しないで、大阪で2本くらいイベントに出てな(笑)。みんなで一生懸命演奏して歌って楽しかった!
ネギ そうそう。で、そのライブを観ていたてらくんがいろんなところで僕の名前を出してくれて。口コミで名前が広まって、それからいろんなイベントに誘われるようになりました。
──てらさんは今年の「Record Store Day」にスプリットアルバム「大人になれやしねえ」をリリースした大阪のシンガーソングライターですよね。
ネギ そうですね。あとはDUM-DUM LLPの富樫(陸)さんや「New Action!」のオーガナイザーの星原(喜一郎)さん、「Ajam」や「MACHIFES.」を主催しているかたしょさんが僕らのことを見つけてくれたのもバレーボウイズにとって大きな出来事でした。本当に口コミで名前が広がっていったので。
互いに干渉しないからうまくいってる
──曲は全部ネギさんが作っているんですか?
ネギ そうです。メロディやコード進行、歌詞は僕ですね。アレンジはみんなでやっています。
──ボーカルが3人いる編成というのはなかなか珍しいと思うんですが、なぜこのような大所帯のバンドになったんでしょうか?
ネギ うーん、なんか合唱したかったんですよね。僕、合唱コンクールの映像を観るのが大好きなんですよ。冴えないヤツもヤンキーもみんなが大口開けて歌っている合唱コンクールの映像を観ていたら、なんかすごく感動してしまって、そういうのをバンドでやりたいなって思ったんです。普段は歌ったりせんやろなっていうヤツらも、みんなで力を合わせて1つの目標に向かってがんばっている姿って素晴らしくないですか? 本当はもっともっとメンバーを増やそうと思ったんですけど、みんなにいい加減にしろって言われて7人に落ち着いたんです(笑)。
──流星さんもオオムラ(ツヅミ / Vo)さんもバンドを組むのはこれが初めてとのことですが、それはあえて初心者を選んだんですか?
ネギ そうですね。うちのメンバーはみんな内に秘めたパワーがありそうな、くすぶってるヤツらなんです。それがきっとステージで歌うことで爆発させられると思ったんですよね。
──なるほど。せっかくなのでそれぞれのメンバーがどんな人なのか聞かせてください。
ネギ うちの歌姫のオオムラツヅミは版画を専攻していて今も大学院に通っています。ド天然です。ギターの九鬼くんはジミ・ヘンドリックスが好きで、ギター以外も器用にこなします。もう1人のギターのチャッキー(高山)はデザインの勉強をしていてバレーボウイズのロゴやジャケも担当しています。ベースの矢野くんはベースがめちゃくちゃうまい。あとバレーボウイズ全体をちゃんと見られる人で、客観的にいろいろ考えてくれる人ですね。ドラムのキミちゃん(中野)は頼まれたら断れない人で、バンド入った理由も僕に誘われて断れなかったから(笑)。流星はオオムラちゃんと一緒で天然。ライブを観た人はわかると思いますけど、いつも変な動きをしています。あとイラストも上手。
流星 で、ネギはバレーボウイズの作詞作曲をしています。メンバーの中で一番こすいです。お菓子とかくれない。
ネギ あはは(笑)。正しいな。たぶんバレーボウイズのメンバー同士、あんまり気は合わないと思う。全員で遊んだこともないし。ライブが終わったらみんなパーッと散り散りにどっか行っちゃうもんね。
流星 チャッキーなんてステージが終わったらそのギターをケースにしまってそのまま帰っちゃうもんな(笑)。
ネギ みんながみんなマイペースでお互いに干渉しないからうまいことやれてるんやと思います。
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歌詞は親父の武勇伝から
- バレーボウイズ「バレーボウイズ」
- 2017年11月8日発売 / Octave
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[CD]
2160円 / OTCD-6244
- 収録曲
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- アイドル
- きんいろかがやく
- 卒業(album ver.)
- シアワセ
- 真夜中のレコォド
- ビーチバレイ
- 7月の嘘
- マツリ(アコースティック)
ライブ情報
- バレーボウイズクラブ×HOLIDAY! RECORDS Presents「ブルーハワイ」
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- 2017年12月24日(日)京都府 京都VOXhall / 十八番 / 和音堂
OPEN 12:30 / START 13:00
出演者
バレーボウイズ / THE FULL TEENZ / SUPER SHANGHAI BAND / てら / ARSKN / AFRICA / Acidclank / Crispy Camera Club / unizzz... / Lucle,Too / 浪漫革命 / and more
出店:HOLIDAY! RECORDS / カレーボウイズクラブ
- 2017年12月24日(日)京都府 京都VOXhall / 十八番 / 和音堂
- バレーボウイズ
- 前田流星(Vo)とネギ(Vo, G)を中心に結成された男女混声7人組バンド。メンバー全員が京都府京都市左京区民で、京都精華大学の在学生や卒業生。昭和歌謡テイストなメロディといなたい歌詞、哀愁を帯びたギターサウンド、複数人で歌う“合唱”のスタイルが特徴で、京都精華大学の学園祭「木野祭」出演のために2015年に結成され、2016年に現体制となる。2017年にavex、DUM-DUM LLP、HOT STUFF、lute、ULTRA-VYBEがタッグを組んで行ったライブオーディション「TOKYO BIG UP!」でグランプリを獲得。同年夏には「FUJI ROCK FESTIVAL 2017」にROOKIE A GO-GO枠で初出演を果たした。2017年11月に1stアルバム「バレーボウイズ」をリリース。これを記念して12月24日に京都・三条の京都VOXhall、十八番、和音堂にて、サーキットイベント「ブルーハワイ」をHOLIDAY! RECORDSとタッグを組んで開催する。