ナタリー PowerPush - Superfly
話題沸騰10thシングルは新曲4曲+カバー15曲の豪華盤
セッションは猛獣の檻に入っていく感覚
──そういう「楽しもう」という気持ちの延長から、中村達也・百々和宏・日向秀和とのセッションに?
それはプロデューサーの蔦谷好位置さんのアイデアです。「こういう曲をやりたい」と提案したら、メンバーを挙げてくれて。最初は大丈夫かなと(笑)。
──どういう意味で?(笑)
音に負けてしまうんじゃないかという不安もあったんですけど、でもこのセッションぐらいからですね、すごい楽しくなって。
──初対面ですよね。彼らはどんな印象でしたか?
皆さんがレコーディングのフロアで音を出し始めて、それを私はコントロールルームで見ていたんですけど、最初はちょっと怖くて入れなくて(笑)心の準備が必要で。ホントに、檻の中にいる猛獣たちの中に入っていくような、すごい雰囲気だったんですよ。肉食! みたいな(笑)。すごくヒリヒリしてて。こういう感じって、最近味わってなかったなと。でも音に背中を押されて、私も自分で聴いたことのない声が聴けたりするので、あれはすごく楽しかったですね。
──実際の音を聴いても達也さんが叩きながら叫んでいたり(笑)。
(笑)達也さんが声を出すってことは、気持ちいいってことなんだろうなと思って。初対面なのに、息がぴったりだったんですよ。達也さん、この曲(Rock And Roll Hoochie Koo)がすごく好きで以前から叩いてたそうで。演奏が始まったら、スタッフも身体を揺らしたりとか、あまりない光景でした。ひなっち(日向)さんとかもすごく喜んでくださって、皆さんが楽しんでくれているのが幸せでした。
──一発録りですか?
そうですね。もう一発しかないでしょ、みたいな(笑)。2回ぐらい録りましたけど、迷いなくできました。
──別なバンドを組むような気分だったのでは?
バンドっていいなと思いました。私自身はソロアーティストなんですけど、ずっとバンドに憧れていて。でもソロでやっているおかげで、いろんなバンドと一緒にできる。ソロアーティストでよかったなと思いました。
──もう1つのクセ者セッションがありますね。新録のTHE ROLLING STONESの曲で、クハラカズユキ(The Birthday)、タブゾンビ(SOIL & "PIMP" SESSIONS)、元晴(SOIL & "PIMP" SESSIONS)というラインナップ。
(笑)これは「ワイルドに録りたいんです」とお話して。クハラさんに叩いてもらおうって話は蔦谷さんからもあって、いい機会なのでお願いして。キャラの濃い人たちに集まってもらいました(笑)。
──曲が「Bitch」ですもんね(笑)。
そうです。だからこれはヤンチャにやってもらわないとって。最初から一発録りでと。
カバーは実験の場でもある
──このカバー集を振り返って思うことは?
いろんなミュージシャンの方たちとセッションするいい機会だったし、いい出会いの場でもありました。それにすごい実験の場でもあった。人様の曲でこんなこというのもあれなんですけど、カバーしてみて「自分はこういう曲も歌えるんだ」とわかったら、オリジナルでもそういう曲を作ってみようとか、それが試せる場でもあったんです。カバーするということの意味合いが最初のほうとどんどん変わっていきましたね。
──もっと歌いたい曲を探したり?
最近またそういう感じになってきてますね。去年あたりかな、忙しすぎて音楽聴きたくないと思ってた時期があって。でも最近はいろんな音楽をもう1回取り入れたいと思って、ソウルとかを聴いていたり。
──カバー集が出たばかりですけど、今後歌ってみたい曲はありますか?
私、エルトン・ジョンの曲がすごく好きで。あと、これは過去にも歌っていたんですけどパーシー・スレッジの「男が女を愛する時」とかも好きですね。マイケル・ジャクソンの「BEN」も歌ってみたいです。
DISC 1 収録曲
- Wildflower
- タマシイレボリューション
- Free Planet
- Roll Over The Rainbow
DISC 2 収録曲
- Fooled Around and Fell In Love
- Natural Woman
- Hot 'N' Nasty
- (Please Not) One More Time
- Rhiannon
- Honky Tonk Women [Live]
- Bad, Bad Leroy Brown [Live]
- Heart Of Gold [Live]
- Desperado [Live]
- My Brother Jake
- Rock And Roll Hoochie Koo
- Late For The Sky
- Piece Of My Heart [Live]
- Bitch
- The Water is Wide
DISC 3(初回限定盤のみ)収録曲
- Fooled Around and Fell In Love ~acoustic ver.~
Superfly(すーぱーふらい)
2004年に愛媛県の大学サークルで出会った越智志帆(Vo)と多保孝一(G)によって結成。越智のパワフルかつソウルフルな歌声、60年代、70年代の洋楽を彷彿とさせるブルージーなサウンドが注目を集め、地元で噂の存在に。2007年4月にシングル「ハロー・ハロー」で鮮烈なデビューを飾る。3rdシングルではオーストラリアのバンド・JETと競演するなど新人とは思えぬ存在感を見せつけた。その後、多保がコンポーザーとしての活動に注力すべく表舞台から退き、Superflyは越智のソロユニットに。2008年5月に発表した1stアルバム「Superfly」はチャート1位を獲得。2009年8月にはニューヨークで行われたライブイベント「Heroes of Woodstock」にゲスト参加し、パワフルなパフォーマンスで現地オーディエンスを圧倒した。同年9月にリリースした2ndアルバム「Box Emotions」がチャートで再び1位を記録し、実力派アーティストとしての地位を確立させる。