ミルク チャポン PRESENTS / ナタリー PowerPush - Shibori
牛乳の素晴らしさをラップで伝える酪農界のメッセンジャーここに登場!!
バランスとかマジでハンパないから
まあ、飲みましょうよ。牛乳。ほら。
──あ、ありがとうございます。Shiboriさんは「ミルクラッパー」という聞き慣れない肩書きをお持ちですが、普段どのような活動をされているのですか?
基本的には牧場を中心に活動してますね。観光牧場に来たお客さんの前でライブすることもあるし、酪農家さんが仕事してる横で景気づけにラップしたり、時間があれば牛と目ェ合わせてフリースタイルしたりして。
──Shiboriさんのラップはすべて牛へのリスペクトとなっていますよね。そこまで牛に魅了された直接のきっかけは?
俺もね、子供の頃は言うても牛が怖かったんすよ。ま、これは親から聞いた話なんだけど、俺が駄々をこねたときも、「モーが来るよ!」って叱ると大人しくなったぐらい(笑)。牛をリスペクトするようになったのは、やっぱ「牛乳が好き」という気持ちから。俺のリリックでも言ってるけど、牛乳って「完全栄養食」ってぐらい、バランスとかマジでハンパないから。
──なるほど。具体的に、牛の何がそこまでShiboriさんの心を惹き付けるのでしょうか。
まあ全部だけど、特に目がイイっすね。草食男子とかあんまいい意味で使われてないけど、やっぱ草食動物って、なんつうか特有の目の優しさがあるじゃないすか。見てるだけで癒されますよ。マジな話。
「ちょっと牛乳入れてくか」
──あえてラップという表現方法を選んだのはなぜ?
いやいや、あえてっつうか、俺ん中ではまずラップありきっすから。全然あえてるつもりなくて。ラップすることと、こうやって話すことって、俺ん中では一緒で。だから何かを世の中に向かって表現したいとき、ラップをするのはまあ当然っつうか。当然の営みっつうか。
──Shiboriさんはリリックの完成度もラップのスキルも非常に高く、いつも聴き入ってしまいます。
あざす。それはあざす。
──しかし、一般的なヒップホップとは伝えている内容があまりにも違いますから、最初は「ふざけているのかな?」と感じました。
ふざけてるみたいに思われるのは正直勘弁ですね。曲とかちゃんと聴いてもらえれば、そうじゃないのはわかると思うから。ヒップホップって別に「俺はすげー」とか「世の中ムカつく」ってことだけを表明するモンではないんすよ。テメエの好きなモンとかリスペクトするモンを、体張って全力で表現するのがヒップホップ。少なくともShiboriの考えるヒップホップはね。
──リリックが浮かぶのはどんなとき?
決まってるじゃないすか。牛乳を飲んだときですよ(笑)。これ、嘘じゃないっすよ(笑)。ちなみに俺は普段、牛乳を「飲む」とは言わないですけどね。「入れる」って言いますね。「ちょっと牛乳入れてくか」って。
──Shiboriさんの周りのラッパーからは、どのような反応がありますか?
反応っつってもいろいろあるけど……ひとつだけ共通してるのは、どいつもこいつもガチだってこと。徹頭徹尾、ガチな反応しかない。これだけは言えます。言っときます。
を合言葉に今年結成されたチーム、MILK JAPAN。そんなMILK JAPANが放送している、ミルクラッパーShiboriを生んだ奇跡のテレビ番組が、ミルク チャポンです。
ミルク チャポンは、牛乳による、牛乳だけの、まったく新しい超早朝子ども番組。アート、音楽、ドキュメンタリーなど様々なミルクエンタテインメントを、毎回いくつものショートコンテンツでお届けしています。
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Shibori(しぼり)
ミルクと牛に関することしかラップしない世界で唯一人の「ミルクラッパー」。
世界中のヒップホッパーに絶大な影響力を誇る伝説的存在。ニューヨーク州サウスブロンクス出身。小学生のころに牛乳と出会い、以降、牛と酪農へのリスペクトの思いを強くする。
その後、日本各地の牧場を巡って酪農事情の最先端を視察、「おれという存在の全てを賭けて牛乳を表現したい」との言葉を残し、ミルクラッパーへの道を志す。
主な活動の場を牧場に限定しゲリラ的に自身のラップを発信してきたが、2010年"牛乳が日本を元気にする。"「MILK JAPAN」運動のことを知り、電撃的参加を表明、業界を騒然とさせた。
同年10月シングル「酪農」を発表。