ナタリー PowerPush - ROTTENGRAFFTY

近所の兄ちゃんが歌う「世界の終わり」

ROTTENGRAFFTYがニューシングル「世界の終わり」を6月11日にリリースした。

発売前、NOBUYA(Vo)は自身のブログにて、今作の発表に初めは反対していたとつづっていた。その真相を探るべく、ナタリーでは今回、NOBUYAとN∀OKI(Vo)にインタビューを実施。2人に、今のバンドシーンに対する考えや、バンドとファンとの関係性についてなど幅広く語ってもらった。

また最後のページには、ROTTENGRAFFTYの作曲、作詞、全楽曲のプロデュースを行っているKAZUOMI(G, Programming)によるセルフライナーノーツも掲載している。これらの文章から、彼らが今、発信したいことはなんなのかを感じ取ってほしい。

取材・文 / 小林千絵 インタビュー撮影 / 中西求

 
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今作のリリースに反対していた

──さっそくなんですが、NOBUYAさんは今回のシングルを発表することに反対していたそうですね。

左からN∀OKI(Vo)、NOBUYA(Vo)

NOBUYA(Vo) 僕らは3月まで「Walk TOUR 2013-2014」というツアーを回っていたので、まずお客さんを休ませたい、余韻に浸らせたいっていうのがあったんです。僕らが今いるバンドシーンは、同じお客さんを数多くのバンドで取り合ってるっていうイメージがあるので余計に。あと、自分自身も50本以上ツアーをやって考えたいこともいろいろあったんで、ちょっと余白を作ったほうがいいんちゃうかなって。

──なるほど。

NOBUYA 今ってアイテムを出しまくってるバンドが多いじゃないですか。それがすごくバンドを短命にするように思えて。お客さんからすると僕らの新しい作品は1年ぶりになるんですけど、それでも僕ちょっと早いと思ってたんで、その意味でも反対でした。せっかくインディーズにいるんやから僕らのタイム感で作品を出していきたいなと。

──N∀OKIさんはNOBUYAさんが発売に反対したとき、どうでした?

N∀OKI(Vo) ちょっと考え方は違うけど、俺もリリースは慌てんでええと思ってました。アルバムの曲をツアーでやってきたけど、もっとライブで成長させなアカンなって思って。新曲に関してもリリースが先じゃなくて、ライブで発表して育てていってから発売っていう形にしたいと思ってるんで。

──最終的にリリースに踏み切ったのはなぜですか?

NOBUYA(Vo)

NOBUYA KAZUOMI(G, Programming)から「世界の終わり」のトラックが上がってきたときに、プロモーションプランが浮かんだんですよ。ということは今やらなアカンなと。その場で、KAZUOMIとプロモーションプランを出し合って、俺の中では走り出した感じですね。

──そのプロモーションプランとは?

NOBUYA 発売ギリギリまでイントロの部分だけしか表には出さない、全貌を明かさないっていう。トレイラーやPVのイメージとか、出すタイミングもけっこう細かく閃いて。あと詞に関しては、N∀OKIの世界観を出していくっていうことですね。

──いつもそうやって進むんですか?

NOBUYA いや、いつもはないですね。今回が初めてやと思います。たまたま店頭に並ぶ日が6月10日の「ロットンの日」にも当たるんで、なおさら今回このタイミングで出さないといけないなと思いました。

いつすべてがなくなってしまうかわからへん

──今作はN∀OKIさんの世界観が詰まったシングルということですが。

N∀OKI 自分ではそこまで出てない気がしますけど(笑)、とりあえず「N∀OKIの世界で書いてくれ」と言われて書きました。ひさびさのシングルなので、聴いたときに引っかかりになるように、サビのド頭は英語じゃなくて日本語の言葉がいいなって思って、「世界の終わり」という言葉も出てきました。

──「世界の終わり」という言葉はとてもインパクトが強いですが、どういう背景があったんでしょうか?

N∀OKI(Vo)

N∀OKI 震災以降に考えていた、死生観というか。地震であれ、何であれ、いつすべてがなくなってしまうかもわからへんっていう、そういう気持ちを一番わかりやすく言葉にするならと思って出てきた言葉です。

──この曲ではNOBUYAさんとKAZUOMIさんも作詞されていますよね。バンドとして死生観について考えるモードだったんですか?

N∀OKI どうなんですかね。別に話し合ったわけじゃないですけど。

NOBUYA 「今日しかない」っていうのはライブで感じるところもあるんで、そういうところからリンクしたんじゃないですかね。もしほんまに世界が終わったら自分の一番したいことはなんなんやろって考えたりもするんで。誰しもがおぼろげに思うようなことを僕らははっきり言葉にして吐いたらこうなった。結果、ロットンっぽい曲になってよかったなって思いました。

──一方「Reunion」はメジャーコードを使った美しいナンバーです。

N∀OKI KAZUOMIから「再会」ってテーマでやってくれと言われて。俺は今回、別れのイメージで書きました。別れがあるからこそもう1回出会えるという意味で。もちろん、会えへん人もいるけど。

ニューシングル「世界の終わり」 / 2014年6月11日発売 [CD+DVD] 1944円 / PINEFIELDS RECORDINGS / PINE-0029
「世界の終わり」
CD収録曲
  1. 世界の終わり
  2. Reunion
DVD収録内容

ポルノ超特急2013 in響都KBS HALL

  1. 金色グラフティー
  2. STAY REAL
  3. ill-usion
  4. I & I
  5. D.A.N.C.E.
  6. 零戦SOUND SYSTEM
  7. 悪巧み~Merry Christmas Mr.Lawrence
  8. This World

Documentary

ROTTENGRAFFTY(ロットングラフティ)

NOBUYA(Vo)、N∀OKI(Vo)、KAZUOMI(G, Programming)、侑威地(B)、HIROSHI(Dr)により1999年に京都で結成されたロックバンド。パンクやラウドロック、打ち込みなどさまざまな要素を取り入れたミクスチャーロックサウンドが魅力で、関西を中心に精力的なライブ活動を行う。2001年2月にミニアルバム「RADICAL PEACE×RADICAL GENOCIDE」をリリース。2003年3月発売のミニアルバム「SYNCHRONICITIZM」ではIKUZONE(Dragon Ash)をプロデューサーに迎え、楽曲に更なる厚みを加えた。同年11月にシングル「悪巧み~Merry Christmas Mr.Lawrence」でメジャーデビュー。その後も数々の作品を生み出し、2006年にJ(LUNA SEA)が立ち上げた新レーベル「INFERNO RECORDS」に移籍。シングル「マンダーラ」をリリースした。その後、2010年に約4年ぶりとなるアルバム「This World」を発表し、ロックファンに健在ぶりをアピール。2011年にはベストアルバム「SILVER」「GOLD」を発表、レコ発ツアーは各地でソールドアウトとなる。2013年にリリースした5thアルバム「Walk」がバンド史上最高セールスを記録。約8カ月にわたる全国ツアーも大成功に収めた。そして2014年6月、5thシングル&DVD「世界の終わり」をリリース。