ナタリー PowerPush - Rihwa

ドラマ「ラスト・シンデレラ」を彩る“最後まで貫く愛”の歌

7月でメジャーデビュー1周年を迎える女性シンガーソングライター・Rihwaが、篠原涼子主演ドラマ「ラスト・シンデレラ」(フジテレビ系)の挿入歌「Last Love」をリリースした。

毎話ドラマの印象的なシーンで流れ話題となっているこの曲は、一途に1人を思い続ける“貫く愛”をテーマにした全英語詞のナンバー。今回のインタビューでは楽曲に込めた思い、ドラマの反響、今後の展開などを、飾らない素顔の言葉で語ってもらった。

取材・文 / 川倉由起子

「ラスト・シンデレラ」で家族が大盛り上がり

Rihwa

──いきなりですが、ドラマ「ラスト・シンデレラ」めちゃめちゃ面白いですよね。

ですよねー! 私も毎週すごく楽しみで、気になるラストだと「次はいったいどうなるの!?」って。皆さんと同じように、普通に楽しんじゃってます。

──ドキドキハラハラして、胸キュンして、たまにエッチで……。最近ああいうドラマってなかったですもんね。

そうなんですよ。本当にドキドキさせられますよね。あと私、篠原涼子さんのお芝居にも毎回キュンキュンしちゃってて。桜(篠原)が広斗(三浦春馬)と電話するシーンとか、本当にかわいい!

──うん、あれは同性から見てもかわいい(笑)。で、そんな桜と広斗の甘いシーンとか、毎話いいところでRihwaさんの「Last Love」が流れるんですよね。

あははは!(笑) ありがとうございます。私の周りでも今回は今までで一番反響が大きくて、やっぱりドラマってすごいなーって(笑)。普段あまり音楽を聴かない人も、今回の挿入歌のことを知ってくれてたりするんですよ。

──聞くところによると、地元・北海道の家族も大喜びだそうですね。

はい。この前帰省したときに家族や姪っ子たちとオンエアを観たんですけど、オープニングで「リファ / Last Love」って出た瞬間、「ヒュー!」みたいな声が飛び交って。それが面白くて私も大声で「イエーイ!」って叫んじゃいました。実際劇中で流れたときもみんなで「イエーイ!」とか「本人がいるー!」ってワイワイ。そしたら音が全然聞こえなくて、内容がわからなくなっちゃいました(笑)。

──(笑)。でもそうやってみんなが応援してくれるのはうれしいですね。

はい。私、昔から家族が大好きなんです。だから家族に楽しんでもらえたり、喜んでもらえることが、自分にとってはすごく幸せ。みんながそうやって笑い合える時間を少しでも作れたと思えたときが、この仕事をやっててよかったと思う瞬間ですね。

1人の人をずっと愛し続けられる女性でありたい

──ではさっそく、曲のお話に。「Last Love」はどういう経緯で制作されたんですか?

もともとは「ラスト・シンデレラ」の挿入歌として書き下ろし曲のオファーをいただいて。ドラマの大まかな内容を聞いたうえで、書き進めていきました。内容はほぼ任せていただけたので、かなり自由に作れたなって気がします。

──曲作りの際に意識したことは?

まず、挿入歌としての役割を曲にちゃんと果たしてほしいなって。あとは、ドラマの主人公がアラフォーの“おやじ女子”なんですけど、自分は今23歳で、その年代の恋愛に正直まだリアリティがなかったんですよ。だったらそこをイメージするより、自分がこの先に思い描く理想というか、長いスパンで見た恋愛の最終的な形みたいなものを曲にしようかなって。そんなテーマのもとに、とにかく今自分が思うこと、一番書きたいと思うことを書いていきました。

──その“恋愛の最終的な形”って具体的にはどんなものですか?

今までの人生を振り返ると、友達との会話で「最近彼氏とどう?」「別れた」「新しい彼氏できた」みたいなやり取りが普通になってたり、付き合ったり別れたりするのがごく自然なことになってるなって。もちろんそれが悪いわけではないんですけど、自分の最終的な恋愛の理想は……と考えたときに、やっぱりおじいちゃんやおばあちゃんになっても手をつないで公園を散歩していられるような関係性に憧れるなって。1人の人をずっと愛し続けられる女性でありたいっていうのは強く思います。

──うんうん、それはすごく共感しますね。

Rihwa

世界には一夫多妻制が普通の国もあるだろうけど、私はただ1人を一途に愛してる人ってどこからどう見てもカッコいいと思うんですよ。こういう時代だからこそ、そういう恋愛の形を描きたかったのもあるし、この曲によって「自分はこうありたい」っていう理想もより固まった気がします。タイトルの「Last Love」は直訳だと「最後の愛」ですが、ここでは「最後まで貫く愛」という意味なんですよ。

──なるほどね。ちなみに、Rihwaさんの周りでそういう恋愛を実際にしてる人はいますか?

同世代ではあまりいないかもしれない(笑)。でも私の祖母がまさにそうで、祖父はすでに亡くなってるんですけど、部屋に飾ってある写真に毎日話しかけてるんです。祖父に会ったことのない私でも、どんなおじいちゃんかよく知ってるくらいいろんな話を聞かせてくれたし、ずっと一途に愛していて。もしかしたら、そういう祖母の姿も今回の歌詞を書く上でヒントになったかもしれないです。

Rihwa(りふぁ)

札幌出身の女性シンガーソングライター。中学卒業後にカナダに留学し、滞在中に音楽に目覚める。帰国後より地元のライブハウスなどで活動を始め、インディーズでシングル3枚とアルバム1枚をリリースする。2012年は「JOIN ALIVE 2012」「SUMMER SONIC 2012」「a-nation 2012 stadium fes.」などの大型ライブイベントに出演、パワフルな歌声とチャーミングなキャラクターで多くのファンを獲得する。同年7月にシングル「CHANGE」でTOY'S FACTORYからメジャーデビューし、10月に映画「劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-」の挿入歌「約束」を2ndシングルとして発売。2013年2月には3rdシングル「モンスターのかくれんぼ / GOOD LOVE with Michelle Branch」を発表した。同年6月5日、フジテレビ系連続ドラマ「ラスト・シンデレラ」の挿入歌として書き下ろした「Last Love」をワンコインシングルでリリースした。