ナタリー PowerPush - PASSPO☆

ガールズロックグループへと進化! 彼女たちの目指す場所とは?

私、ぱすぽ☆を一度辞めました

──そうやってみんなでがんばっていこうという中で、私はこのグループでやっていけるんだろうかと迷ったこともありました?

槙田紗子

槙田 常に迷っていましたね。超ぶっちゃけるんですけど、売れる気がまったくしなかった(笑)。

──ストレートですね(笑)。

槙田 だってこんなに適当に中高生を集めてきて、アイドルグループが成功するわけがないでしょって。だから秋葉原でティッシュ配りをしているときも何をやっているんだろうって思っていました。

 私もぱすぽ☆に入る直前になって辞めるか続けるか悩んでいたんですけど、学業を優先するために結局辞めるって判断しました。

──え、辞めた?

根岸 そうそう!

 まだぱすぽ☆になる前の仮グループのときでしたけどね。事務所に「私、学業優先したいので辞めます」って言ったら「わかった」って。そしたらすぐにメンバーから「辞めないで」って連絡が来たんです。

槙田 事務所から一斉メールが来てもりし(森詩織)が辞めるって書いてあったのでビックリしました。いやいや、もりしはいなきゃダメでしょって。

──それはどうしてですか?

槙田 もりしの存在ってその頃から濃くて、この子がいなくなったらグループはダメになるって直感で思ったんです。だからすぐに連絡して「なんで辞めるの!?」「嫌なんだけど!!」って問い詰めました(笑)。

左から増井みお、森詩織

 だからあのときにメンバーが止めてくれなかったら、今ここに私はいなかったんですよ(笑)。必要とされているんだなって思いましたし、まだ高校生だったからこのチャンスに賭けてみようかなって思い直しました。

──よくぞ引き止めてくれました。

根岸 本当に危なかったよね!

槙田 今のPASSPO☆にもりしがいなかったらと思うと……恐ろしい!

ぱすぽ☆史上、一番大変な時期でした

──そして10人のメンバーが“ぱすぽ☆”として活動していくことになりました。活動初期のグループはどんな感じでした?

槙田 まだ当時は石丸電気とかでフライト(ライブ)を行っていて、その頃はなぜかすごく高い評価をいただいていたんです。なんでこんなに褒められるんだろうってくらいパフォーマンスを褒めていただいて。

──そしてメジャーデビュー曲の「少女飛行」では、オリコン週間ランキング初登場1位という快挙を達成。いきなり頂点からのスタートでグループとしてもモチベーションは高かったんじゃないでしょうか?

根岸愛

根岸 「少女飛行」のリリース期間は毎回のフライトを全力で、絶対に1位を獲るって気持ちでやっていました。だから実際に1位を獲得したときの達成感がすごくて。でもそこで一気にハードルが上がってしまったんです。

──2ndシングル「ViVi夏」のリリースタイミングのことですね。

根岸 オリコンで1位を獲ってから停滞期が来たんです。その頃ですね、あまりよくない評価をいただくことが多くなってきたのは。

──求められるレベルがどんどん高くなってきて……。

 大変でしたよ! ぱすぽ☆史上、一番大変な時期でした。

槙田 泣きそうになってきた……。

根岸 よくない時期でした。ケンカもしましたし。

──え、ケンカ?

根岸 ぱすぽ☆って絶対にケンカしないんですけど、唯一その時期にケンカしました。ちょうど夏休みの時期で20日連続で毎日3公演やっていたんです。

 みんな疲れ果てた顔していたよね。

槙田 そんな状況の中、もりしと杏奈とみおがケンカしたんです。

増井みお

増井 そのとき、テレビの企画でどっきりがあったんです。楽屋にカメラが仕掛けてあって、何か変なことを言ってしまったかもしれないって杏奈に話しかけたら「そんなの知らねーよ」って言われて(笑)。その言葉を聞いて泣いてしまったんですけど、それをもりしが見ていて……。

 そうそう、それで杏奈に「そんな言い方しなくたっていいじゃん!」って突っかかっていってケンカが始まったという……。みおは泣いているしほかのみんなは無視しているし(笑)。

──地獄だ(笑)。

槙田 本当にあの時期はみんなおかしくなっていて、なおみん(安斉奈緒美)もあんなに細くて食生活とかしっかりしているのに暴飲暴食でした。でかいパン3つくらい食べてて……。

 止まんなかったねー。すごかった。

槙田 私もヤバくて、家のドアを蹴りまくっていたらしい(笑)。自分では覚えてないんですけど、ママが心配してた。

根岸 私はみんなより冷静でいたはずなんですけど、ある日すごく顔色も悪くて髪も超ぼさぼさで自分でも調子悪いなってわかっていたのに、それをメンバーに突っ込まれて泣き始めてしまったこともありました(笑)。なんだったんだろう、みんな壊れていたよね。

9人になっても売れてやる!

──そしてその年の年末にメンバーのむっしゅこと佐久間夏帆さんが卒業を発表。初めてグループからメンバーが卒業してしまうことについて、当時どんなことを考えました?

 彼女が抜けたことでパフォーマンスのレベルが下がったと言われるのだけは嫌でしたね。

槙田 むっしゅが卒業してしまったことは悲しかったけど、悲しくても私たちは前に進まなきゃいけない。だからネガティブな考えよりは「9人になっても売れてやる!」って気持ちのほうが強かったし、評価を下げないっていう自信もありました。当時10人でやっていたダンスのフォーメーションを9人バージョンに変更しなきゃいけなくて、15曲を3時間くらいで完璧に直しましたし。ライブ中、誰か1人でも間違えたらクビねって、それくらい自分たちにプレッシャーをかけてやっていました。

根岸 グループの中でそれぞれの役割が確立できるいい機会だったと思います。むっしゅがいいきっかけを作ってくれたなって。

つらいことも経験しておいてよかった

──グループとしてターニングポイントになったのは、やはり昨年の「エアライン3部作」ですか?

根岸 そうですね、「エアライン3部作」をスタートさせてから新しいことにどんどんチャレンジするようになってきました。あと、いかにガールズロックグループに近づけるかということをすごく意識した時期でもあります。

──もとから親和性はあったと思いますが、それが「Next Flight」でよりロック色を前面に打ち出してきて。

森詩織

根岸 「Next Flight」を初めて聴いたとき、これが本当に私たちがやりたかった曲だなって思いました。出会いですね。

──この3部作を経てグループはどう変わってきました?

 何よりフライト自体が楽しくなりました。曲の幅が広がったことでセットリストの構成をいろいろと考えられるようになったというのもありますね。

──3部作を経て、皆さん確実に変わってきていますし勢いを感じます。

 いろいろなことがあって今があるということを考えると、つらいことも経験しておいてよかったと思います。

ニューシングル「サクラ小町」 / 2013年2月13日発売 / UNIVERSAL J
初回限定盤 <ファーストクラス盤> [CD+DVD] / 1680円 / UPCH-9834
初回限定盤 <ビジネスクラス盤> [CD+DVD] / 1680円 / UPCH-9835
通常盤 <エコノミークラス盤> [CD] / 1680円 / UPCH-5785
収録曲
  1. サクラ小町
  2. No1.Boy
  3. サクラ小町(Instrumental)
  4. No1.Boy(Instrumental)
ファーストクラス盤 DVD収録内容
  • 「サクラ小町」ビデオクリップ
ビジネスクラス盤 DVD収録内容
  • 「サクラ小町」Dance Shot Ver. ビデオ
PASSPO☆チャーター便フライトツアー2013
  • 2013年3月7日(木)
    石川県 金沢EIGHT HALL
  • 2013年3月8日(金)
    新潟県 新潟LOTS
  • 2013年3月15日(金)
    福岡県 イムズホール
  • 2013年3月20日(水)
    大阪府 大阪BIG CAT(2回公演)
  • 2013年3月21日(木)
    愛知県 名古屋Electric Lady Land(2回公演)
  • 2013年3月23日(土)
    宮城県 仙台CLUB JUNK BOX(2回公演)
  • 2013年3月30日(土)
    東京都 品川ステラボール(2回公演)
PASSPO☆ (ぽすぽ)

2009年結成のアイドルグループ。メンバーは根岸愛、藤本有紀美、岩村捺未、増井みお、奥仲麻琴、森詩織、槙田紗子、安斉奈緒美、玉井杏奈の9名。「空」「旅」をコンセプトに、同年11月からライブ活動をスタートさせる。フライト(ライブ)を重ねるごとに着実に人気を集め、2010年3月に1stシングル「Let it Go!!」をインディーズからリリース。2011年5月にユニバーサルJからリリースしたメジャーデビューシングル「少女飛行」はオリコン週間ランキングで初登場1位を記録する。同年12月には佐久間夏帆がグループを卒業し、現在の9人体制での活動をスタート。2012年には「ぱすぽ☆エアライン3部作」として「Next Flight」「夏空HANABI」「WING」をリリースし、ロックファンからの支持も集める。2013年1月1日よりグループ名をPASSPO☆に改名し、同年2月には改名後第1弾シングルの「サクラ小町」を発表。ロック色の強い楽曲とパワフルなパフォーマンスでガールズロックユニットとしての立ち位置を獲得している。