音楽ナタリー PowerPush - 乃木坂46

生田絵梨花が見つめるグループの未来

気持ちを共有できない自分に腹が立った

──休業期間は乃木坂46の活動を外から目にする機会もあったかと思いますが、「自分がいない乃木坂46」は生田さんにはどう映りましたか?

生田絵梨花

私、神宮球場のリハを客席から観ていたんですけど、本当にみんなキラキラ輝いていて。完全にファンの目線で「いやあ、乃木坂って本当にすごいグループだな」って思ったんですよ。だけど内側に入ると、みんながすごく真剣に悩んでいたり、追い込まれて泣いていたりする。その姿を見て、同じ場所にいるのにそういう気持ちを共有できない、分かち合えない自分にすごく腹が立った記憶があります。

──なるほど。その神宮球場公演のあとに何人かのメンバーと話す機会があったんですが、皆さん同じように「悔しい」と言うんですよね。

そうなんですよね。

──「自分たちはもっとできたはずなのに、それが出し切れなかったことが悔しい」とブログに書いているメンバーもいましたが、それについて生田さんはどう感じましたか?

そうですね……神宮は客観的に見ると本当にすごくいいライブだったと思うし、みんなの力も確実に上がってきてると思う。でもそこで満足しないっていうことは、これからまだどんどん成長していけるっていうことだと思うんです。そういう意味ではみんなから意識の高さを感じました。

出会う人と環境が自分を変えてくれた

──生田さん自身は結成からの3年間で、どういうところが変わった、成長したと思いますか?

自分のことなのでなかなか気付かないこともあるんですけど、乃木坂に入ってすごくいろんな経験をさせてもらっていて、それが自分のパワーになってる感じはすごくします。具体的に言うと……思い切りがよくなったかな? 自分にあんまり制限をかけなくなったというか。この活動をしていると自分自身をさらけ出す機会が多いので、何をするにも全然抵抗がなくなりました。人って「自分はここまで」みたいによく自分で線を引いちゃうじゃないですか。でも今はそういうのもないし。

──確かに生田さんって普段は真面目なイメージなのに突然突拍子もないことをする、そのギャップに驚かされることが多いです(笑)。

ですよね(笑)。私も自分のことをもともと真面目だと思ってたんですけど(笑)、この3年でだいぶ振り切れるようになったかな。自分で思ってもみなかったようなことを突然しでかしちゃったりとか(笑)。

──それっていろんな経験をして得たものの影響なんでしょうか? それとも周りのメンバーからの影響が大きい?

どっちもあるのかなあ。いろんなお仕事をさせてもらって自分の幅が広がったというのもあるし、みんなと活動をしていく中でどんどん壁が崩れていって、今まで隠れていた部分を周りが引き出してくれたのもあるし。やっぱり出会う人と環境が変えてくれたんでしょうね。

──思えば乃木坂46に加入したときの生田さんは中学3年生でしたよね。10代半ばからの3年間って成長が著しい時期ですし、そういう変化も影響してるんでしょうね。

生田絵梨花

かもしれない。私、中学校で学級委員をやっていたんですけど、乃木坂に受かってから学校の友達に「すごい意外だね?」って言われたんです。確かにそれ以前は自分がこうやってアイドルとして活動することになるなんて、想像もしてなかったですし。でも今の自分がこういう性格なのは、ここに入ったからなのかなというのはしみじみ感じています。

──生田さん、そもそもアイドルに興味はあったんですか?

もともと興味は持ってなかったんですけど、小さい頃からミュージカルを観に行くのが好きで、いつか自分もあの舞台に立ちたいと思っていて。で、“ステージ”という共通点からたまたま乃木坂のオーディションにたどり着いて、1期生として1から立ち上げるという機会はあまりないことだからチャレンジしてみようと思って受けたのが、アイドルになったきっかけなんです。

──実際に活動してみて、想像していたアイドルの世界と現実の世界はどう違いましたか?

やってみて、思っていた以上にすごく踏ん張る力がいるなって思いました。表では笑顔で人を楽しませるっていうキラキラした姿のイメージが強いんですけど、そのためには当たり前だけどものすごい苦労が必要だし。それは乃木坂に入ってから初めて気付かされました。

──でもその苦労の部分って経験した人にしかわからないものですよね。

その苦労もメンバーと共有し合えるから、そこでお互い切磋琢磨できるというか。キラキラした表の舞台に向かってみんなでがんばっていくっていうのは、裏での苦労の部分も含めてすごくいいなと感じられることでもあります。

ニューシングル「何度目の青空か?」 / 2014年10月8日発売 / Sony Music Labels
Type-A [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8621~2
Type-B [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8623~4
Type-C [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8625~6
通常盤 [CD] / 1050円 / SRCL-8627
Type-A CD収録曲
  1. 何度目の青空か?
  2. 遠回りの愛情
  3. 転がった鐘を鳴らせ!
  4. 何度目の青空か?~off vocal ver.~
  5. 遠回りの愛情~off vocal ver.~
  6. 転がった鐘を鳴らせ!~off vocal ver.~
Type-B CD収録曲
  1. 何度目の青空か?
  2. 遠回りの愛情
  3. 私、起きる。
  4. 何度目の青空か?~off vocal ver.~
  5. 遠回りの愛情~off vocal ver.~
  6. 私、起きる。~off vocal ver.~
Type-C CD収録曲
  1. 何度目の青空か?
  2. 遠回りの愛情
  3. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
  4. 何度目の青空か?~off vocal ver.~
  5. 遠回りの愛情~off vocal ver.~
  6. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた~off vocal ver.~
通常盤 CD収録曲
  1. 何度目の青空か?
  2. 遠回りの愛情
  3. Tender days
  4. 何度目の青空か?~off vocal ver.~
  5. 遠回りの愛情~off vocal ver.~
  6. Tender days~off vocal ver.~
乃木坂46 (ノギザカフォーティシックス)

乃木坂46

2011年8月に「AKB48の公式ライバル」として誕生したアイドルグループ。グループ名の「乃木坂」は最終オーディション会場の「SME乃木坂ビル」、「46」は「AKB48より人数が少なくても負けないという意気込み」に由来する。総合プロデュースはAKB48同様、秋元康が担当。全国規模のオーディションにより、3万8934人の応募の中からスターティングメンバーとして33名が選出された。2012年2月にシングル「ぐるぐるカーテン」で待望のメジャーデビュー。オリコン週間ランキングで初登場2位を記録し、20万枚を超えるセールスを記録した。以降、2ndシングル「おいでシャンプー」から9thシングル「夏のFree&Easy」まですべてのシングルがオリコン週間ランキングで初登場1位を獲得。また2013年10月には国立代々木競技場第一体育館、同年12月には日本武道館、翌2014年2月には横浜アリーナで単独ライブを行い、大成功を収めた。2013年5月には2期生が加入、2014年2月にはSKE48からの交換留学生・松井玲奈も加わり、2014年9月末現在計43名が在籍している。5月30日からは6月15日にかけて、東京・赤坂ACTシアターで劇場公演「16人のプリンシパル trois」を実施。8月には東京・明治神宮球場公演を含む「真夏の全国ツアー2014」を全国5都市で開催し、約10万人を動員した。10月8日に通算10枚目のシングル「何度目の青空か?」をリリースする。