ナタリー PowerPush - 夏の魔物ロック座談会

ロックンロール代表選手4人が語る 個性派フェスの過激な魅力

スタッフに「全然わかんないっすねー」って言われた(曽我部)

ウエノ でもこんなの、好きなだけじゃできないからね。すごいなって思うよ、若いのにさ。伝わってくるものもあるし、お客さんもそれを感じてると思うし。

大致 曽我部さんとウエノさんは、“あの”1回目に出てくれた2人ですからね。いろいろすいませんでした……。

ケイゾウ (タイムスケジュールが)めちゃくちゃ押しまくったっていう年ですよね(笑)。

大致 押しまくったし、まず曽我部さんを送迎したバス会社の人が、曽我部さんをお客さん用の入口に降ろしちゃって。

インタビュー風景

曽我部 (笑)。それね、アコギ持ってバスに乗ったんですけど、降ろされたところがお客さんが並んでるところだったんですよ。まあ、別にそれはいいじゃないですか。で、スタッフの人に「出演者なんですけどどういうふうに行けばいいですか?」って訊いたら「全然わかんないっすねー」って(笑)。

ウエノ あははは!(笑)

曽我部 「そのへんで訊いてみてもらえますか?」っていう。楽しかったです。あの感じは忘れないよね。

ウエノ すごかったよな。俺らは機材車で行かなかったんだよ。会場まではバスで連れていってもらって、ちゃんと出演者の入口で降ろしてもらったんだけど。

曽我部 良かった(笑)。

ウエノ ただ、帰りのことが何も決まってなくて。今思い出したんだけど、帰りはフラカン号に乗せてもらったんだよね。「悪いんだけど市内まで乗っけてってくれない?」って、グレートマエカワに頼んで。

曽我部 そういうのも楽しいよね。記憶に残るじゃない? きっと昔のフェスって、そのくらいの感じでやってたと思うし。今は整備されて、全部決まってるけどね。

1回目はある程度は覚悟してたからね(ウエノ)

──1回目はお客さんからのクレームもあったんですか?

大致 そうですね、それはありました。何もフォーマットがない手探り状態で、至らない点だらけだったので。でも回を重ねていくうちに、今ではだいぶ良くなってきたとは思うんですけど。

──タイムスケジュールが押すのも、出演者としては困りますよね。

インタビュー風景

ウエノ また思い出した。すごい押しちゃったから、ギターウルフが(次のライブに移動するために会場を)先に出なきゃならなくて、出演順が変わったりもして。

曽我部 俺、その瞬間見たよ。楽屋で(遠藤)ミチロウさんが完全に入魂のメイクをしてるときに、セイジさんが「順番逆にしてもらったんで、よろしくお願いします!」って。そのとき一瞬、空気が凍りついて。

大致 しかもセイジさん、アンコールまでやりましたからね(笑)。持ち時間を20分はゆうにオーバーしてたと思います。

ケイゾウ 自由やなあ(笑)。

曽我部 でも俺たちがずっとこのフェスに出てるっていうのは、そういうことを面白いと思ってるからだよね。

ウエノ ある程度は覚悟してたからね、あのとき(1回目)は。だって主催者が何者かも全然わからなかったから。最初は様子見してるところもあるじゃん。曽我部も出るんだとか、フラカン決まったんだとか、それがわかってちょっと安心するっていう。

ロックが好きな人は「魔物」に行ったら全部解決(ケイゾウ)

──ケイゾウさんはどうですか? 「夏の魔物」に対して。

インタビュー風景

ケイゾウ めっちゃ思い入れありますよ。ほんまに面白い人たちしか集まってないと思うし、まず、大致くんがすごく熱い人じゃないですか。お客さんも面白いことを求めてると思うし、特別な感じがありますよね。僕らはそんなにたくさんほかのフェスに出たことがあるわけじゃないですけど、ほかとはまったく違うと思ってますね。金の匂いがしないというか、“ほんま”があるような感じがして……それってなんやねん?って言われるかもしれないけど(笑)。

──確かにほかのフェスとは違いますよね、成り立ち方も。そもそも1人でフェスを起ち上げようと考えることがすごいですよね。

大致 そうですよね(笑)。18、19歳くらいだったし、モノを知らなかったので。最初は高校生の頃にライブハウスで「夏の魔物」っていうイベントを始めて、そこでKING BROTHERSや、ミチロウさんとクハラ(カズユキ)さん、フラカンやPOLYSICS、向井(秀徳)さんとかに出てもらって。その延長線上でフェスをブチ上げたんですよ。全然ノウハウもなかったけど、若さと勢いだけで突っ走りました。

ケイゾウ KING BROTHERSがメジャーに切られて、一番ドン底に落ち込んでるときに「青森の高校生からライブしに来てくれって言われてるけど、どうする?」っていう話を聞いて。「高校生に呼ばれるって、どんなんやねん?」っていうのもあったんだけど(笑)、実際に行ってみると、いい意味でゆるい感じとかもあって。なんかね、すごいなって思ったんですよね。その後も人が成長していくみたいに、フェスの規模もどんどん成長していったし。日本の中でロックってもんが好きな人は「魔物」に行ったら全部解決するんちゃうかなって思いますけどね。

夏の魔物 - AOMORI ROCK FESTIVAL '11

2011年7月17日(日)
青森県 つがる地球村円形劇場
OPEN 7:30 / START 7:45

ライブアクト:
KING BROTHERS / 毛皮のマリーズ / TOMOVSKY / andymori / 騒音寺 / くるり / bloodthirsty butchers / MONGOL800 / キノコホテル / 山口冨士夫 / 頭脳警察 / 外道 / 武藤昭平 with ウエノコウジ / MONOBRIGHT / みうらじゅん / LASTORDERZ / 早川義夫+佐久間正英 / THE WAYBARK+白井幹夫 / 三上寛 / 三上寛+青森菱友会囃子方(ねぶた囃子)スペシャルマツリセッション / 内田春菊 / THE NEATBEATS / ブラインドミウラストレンジャー(夜のストレンジャーズ) / SCOOBIE DO / Qomolangma Tomato / 曽我部恵一BAND / ワッツーシゾンビ / ザ50回転ズ / マーガレットズロース / 踊ろうマチルダ / ヘンリーヘンリーズ / MASS OF THE FERMENTING DREGS / カルガモネンド / THE BOHEMIANS / KiNGONS / THE 抱きしめるズ / ソンソン弁当箱 / 青森最後の詩人ひろやーとダークネス・ナイトメヤーfeat.三國愛実

MC:アントーニオ本多

スペシャルゲスト:緒方恵美 / 鳥居みゆき

チケット:
1人券 6800円 / ペア券 13000円 / 4人券 24000円 / 中高生 3000円(当日券のみ)

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