ナタリー PowerPush - 夏の魔物ロック座談会

ロックンロール代表選手4人が語る 個性派フェスの過激な魅力

儲かるわけないよ、そんなの(ウエノ)

──続けることの大変さもありますよね。

大致 やめたら終わりっていうか「1年休みます」っていうのは簡単にできますけど、それをやってしまったら意味がないと思っていて。「次のことを考えない」っていう感じでやってるのがいいのかな、とも思うんですよね。毎年最高を目指すというか、常に1stアルバムのような爆発力がうちのフェスはあると思います。ロックンロールフェスなんで、そういうところは大事にしたくて。

インタビュー風景

曽我部 ……儲かるの?

ウエノ 儲かるわけないよ、そんなの。

大致 1、2回目は赤字で大変でしたけど、3回目からはもうちょっといい感じになってきて、やっとトントンにもっていくことができましたね。

曽我部 だよねえ。

大致 でも今年も「2ステージでやる」ってブチ上げちゃったんで、どうなるかわからないですけど……。ぶっちゃけ状況次第では今回が最終回の可能性もあります(笑)。

曽我部 がんばってください。

ウエノ でも、これで押さなくて済むんじゃない?

大致 そうっすね(笑)。

ウエノ 俺、2度目に出たとき(2008年 / Radio Caroline)、「もう何年かやってるし、だいぶ成長してるだろうな」って思ってたんだけど、全然変わってなかったからね。

曽我部 (笑)。いや、いいと思うよ、俺。

ウエノ うん、俺も大爆笑したんだけどさ。

曽我部 タイムスケジュールが押すことをそんなに気にしてるほうが意外だけどね、みんな。

ウエノ いや、あのときは“音止め”があって。

曽我部 なるほどね。出れなくなっちゃうんだ、最後のほうの人が。

ウエノ 音止めの時間、まだTOSHI-LOWが歌ってたからね。ホントはくるりが出てなきゃいけないのに。

大致 3回目のときですよね。その前の年は時間どおりっていうか、逆にめちゃめちゃ巻いたんですよ。で、次の年は経費削減しようと思って、舞台のスタッフを青森県内の業者に頼んだら、その人たちが全然使えなくて。

曽我部 いいなあ(笑)。大事なところを削減しちゃったんだ。

今回は特に全部のバンドを観てほしい(成田)

曽我部 でも、飽きずにやってるのはすごいよね。儲かるとかそういうのがあったら別だけど、やっぱり情熱だけでしょ?

大致 はい、そうですね。

曽我部 いいなあ。そこは押していいと思う。自由にやっていってほしいよね。

──「夏の魔物」は毎年のように新しいことをやってて、飽きないですよね。

インタビュー風景

大致 そうですね。あと、毎年若手をどんどん出していきたいっていうのもあるし。自分が若いからかもしれないけど、今のロックシーンを常に打ち出していきたいというか。

ケイゾウ 若い人たちも目標にしてるだろうし。いつか(「夏の魔物」に)出たいっていう。

──大致くんから見て、若い世代のバンドってどうですか?

大致 それ言うと、また問題になるじゃないですか(笑)。でも今回は特に、知っているアーティストも知らないアーティストも関係なく、すべてを通して楽しみに会場に来てほしいっていうのもあって。「夏の魔物」というひとつの空間を体感してほしいですね。

ホタテを焼いて出してくれたのが最高でした(曽我部)

曽我部 「夏の魔物」は毎回同じ空気感があるんだよね。行くたびにめっちゃ企業が入ってくるフェスもあるんだけど、そういうこともないし。あと、意外と細やかな気遣いがあったりもして。去年は(バックヤードで)ホタテを焼いて出してくれたんだけど、あれは最高でした。できたら、もうちょっと早く焼けるようにしてほしいけど(笑)。

ケイゾウ あと、自分で汲める……。

曽我部 ビールサーバーね。

インタビュー風景

ウエノ だって、1回目はビールもなかったからね。腹減ったなって思ったら、おにぎりが2つ配給されて(笑)。

大致 最初の年も飲み放題で、ケータリングもいろいろ用意したんですけど、ウエノさんが到着する前に全部なくなっちゃったんですよ(笑)。

曽我部 (笑)。あとさ、俺も物販とかやりながらほかの出演者のライブを観るじゃない? そこで発見もあるんだよね。去年は夜のストレンジャーズのミウラさんが弾き語りやったでしょ。俺は初めて観たんだけど「こんなにいいんだ!」って思って。でっかいフェスだと、弾き語りをやる場所もなかったりするからね。

ケイゾウ 今年は(山口)冨士夫さんが楽しみですねえ。

──外道も出演しますよね。

大致 毎年、日本のロックの歴史を1日で体感できるっていうのがコンセプトでもあるので。今年は特にレジェンドが揃ってますよね。冨士夫さん、外道、頭脳警察、三上寛さん、早川義夫さん、佐久間正英さんなどなど……。

ウエノ 名前聞いただけでお腹いっぱいになるよね(笑)。

夏の魔物 - AOMORI ROCK FESTIVAL '11

2011年7月17日(日)
青森県 つがる地球村円形劇場
OPEN 7:30 / START 7:45

ライブアクト:
KING BROTHERS / 毛皮のマリーズ / TOMOVSKY / andymori / 騒音寺 / くるり / bloodthirsty butchers / MONGOL800 / キノコホテル / 山口冨士夫 / 頭脳警察 / 外道 / 武藤昭平 with ウエノコウジ / MONOBRIGHT / みうらじゅん / LASTORDERZ / 早川義夫+佐久間正英 / THE WAYBARK+白井幹夫 / 三上寛 / 三上寛+青森菱友会囃子方(ねぶた囃子)スペシャルマツリセッション / 内田春菊 / THE NEATBEATS / ブラインドミウラストレンジャー(夜のストレンジャーズ) / SCOOBIE DO / Qomolangma Tomato / 曽我部恵一BAND / ワッツーシゾンビ / ザ50回転ズ / マーガレットズロース / 踊ろうマチルダ / ヘンリーヘンリーズ / MASS OF THE FERMENTING DREGS / カルガモネンド / THE BOHEMIANS / KiNGONS / THE 抱きしめるズ / ソンソン弁当箱 / 青森最後の詩人ひろやーとダークネス・ナイトメヤーfeat.三國愛実

MC:アントーニオ本多

スペシャルゲスト:緒方恵美 / 鳥居みゆき

チケット:
1人券 6800円 / ペア券 13000円 / 4人券 24000円 / 中高生 3000円(当日券のみ)

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