音楽ナタリー Power Push - 「Listen with」特集 Vol. 2 NICO Touches the Walls

新しい音楽と出会う“音楽共有体験”のススメ

定額制音楽配信サービス「KKBOX」でソーシャル機能「Listen with」が実施されている。

「Listen with」はアーティストやタレントがセレクトした楽曲をユーザーがリアルタイムで聴きながらチャットができるコミュニケーション機能。「KKBOX」および「うたパス」アプリを通してこれまでに多数の「Listen with」イベントが開催されており、さまざまなアーティストがファンとのコミュニケーションを楽しんでいる。

音楽ナタリーではこの「Listen with」の特集を展開中。今回は3月16日に実施されたNICO Touches the Wallsの「Listen with」イベントレポートとともに、彼らが「Listen with」の魅力や音楽の聴き方、最新アルバム「勇気も愛もないなんて」について語ったインタビューを掲載する。

取材・文 / 中野明子 撮影 / 西槇太一

イベントレポート

NICO Touches the Wallsにとって約1年ぶりの「Listen with」は、最新アルバム「勇気も愛もないなんて」に収録されている「ニワカ雨ニモ負ケズ」でスタート。イベント開始と同時に光村龍哉(Vo, G)が「みなさんどうもヴォーカル光村です」と投稿し、これを機にメンバーが次々と参加者に挨拶をする。光村が「みんな聴いてもらえた?」と問いかけるとアルバムに対するコメントが次々とタイムラインに並び、対馬祥太郎(Dr)は「うれしや! うれしや!」、坂倉心悟(B)は「ありがとね!」と笑顔で打ち込んだ。

「Listen with NICO Touches the Walls」の様子。

今回の「Listen with」の選曲は光村が担当。彼は「『勇気も愛もないなんて』というタイトルに引っ掛けて、僕がよく聴いているラブソングを混ぜながら一時間半DJしていきたいと思います」と宣言すると、アルバム曲と洋楽のラブソングを次々と届けていった。イベント序盤に「『天地(ガエシ)』のスライドギターの元ネタの曲かけます」という光村の発言から届けられたのはトッド・ラングレンの「Love Of The Common Man」。彼はスライドギターのパートが始まると「ここここ!」と投稿し、ファンにアピールをする。またSuper Furry Animals「Juxtapozed With U」が流れ出すと、メンバー4人は口ずさみながらチャットを展開し、坂倉はフロントマンであるグリフ・リース(Vo)のライブに4人で行った思い出などを明かした。

イベントの中盤に入った頃に届けられたビル・ウィザースの「Lovely Day」では、サビのロングトーンが始まるや否や光村が「でーーーーーー」と打ち込む。これを受けて、タイムラインはリスナーが投稿した「でーーーーーー」一色に染まり、メンバーは笑いながらその様子を眺めファンとの一体感を楽しんだ。またビル・ウィザースの顔が印刷されたアルバムジャケットの写真を見ながら、メンバーが「顔ジャケ最大の衝撃はアンドリューW.K.」と述べる一幕も。同意するコメントが続々と寄せられる中、古村大介(G)は「うちには(それに負けない顔の)対馬がいる」と投稿してファンを沸かせた。

光村の「エーキューライセンスの歌詞に悩んでいたとき、この曲を聴いて道が開けました」というコメントに続いて始まったのはPrefab Sproutの「Music Is A Princess」。彼は曲に聴き入りながら、制作中のエピソードをファンに披露していく。なおイベントも佳境に差し掛かった頃、メンバーは前回の「Listen with」でファンが盛り上がった小坂忠「ほうろう」を急遽プレイ。同曲が始まるとタイムラインは大にぎわい。サビではメンバーもファンも「ほーろー」の文字を打ち込み、それぞれに音楽を共有する楽しさを満喫しているようだった。

「これで終わりますが、最後に爆弾を仕込んで」という光村の煽りから最後の曲として届けられたのは、光村のスキャットと古村のギターによる掛け合いが印象的なライブバージョンの「ニワカ雨ニモ負ケズ」。迫力たっぷりの1曲を流しながら、光村は「本日もお付き合いありがとうございました」「アルバム楽しんで聴いてね」と投稿し、対馬と坂倉もそれに続いて別れの挨拶をファンにする。そして古村の「いい夢みてねーーー」というメッセージをもって、大盛り上がりの中でイベントは終了した。

「Listen with NICO Touches the Walls」プレイリスト

  1. ニワカ雨ニモ負ケズ / NICO Touches the Walls
  2. ローハイド / NICO Touches the Walls
  3. 天地ガエシ / NICO Touches the Walls
  4. Love Of The Common Man / トッド・ラングレン
  5. Juxtapozed With U / Super Furry Animals
  6. Digital Love / Daft Punk
  7. TOKYO Dreamer / NICO Touches the Walls
  8. Part-Time Lover / スティーヴィー・ワンダー
  9. Lovely Day / ビル・ウィザース
  10. Your Love Is King / シャーデー
  1. まっすぐなうた / NICO Touches the Walls
  2. Whole Lotta Love / Led Zeppelin
  3. In My Life / The Beatles
  4. Without you / Badfinger
  5. 渦と渦 / NICO Touches the Walls
  6. エーキューライセンス / NICO Touches the Walls
  7. Music Is A Princess / Prefab Sprout
  8. You Are Everything / Diana Ross and Marvin Gaye
  9. Feel Like Makin' Love / D'Angelo
  10. 小坂忠 / ほうろう
  11. ニワカ雨ニモ負ケズ 武道館LIVE2016 / NICO Touches the Walls

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次回「NICO Touches the Walls『Listen with』」開催日程
開催日時:2016年5月2日(月)
※実施時間は後日発表

NICO Touches the Wallsインタビュー

90分じゃ足りない!

──1年ぶりの「Listen with」はいかがでしたか?

光村龍哉(Vo, G) 面白かったですね。今回はニューアルバム「勇気も愛もないなんて」のタイトルにちなんで、俺が大好きなラブソングを紹介したんですけど、正直90分じゃ足りない! あと1時間くらいやりたい。

古村大介(G) こっちのエンジンがかかってきた頃に終わっちゃった感じだった(笑)。

対馬祥太郎(Dr) でも1回やってる分、いい意味で肩の力が抜けた感じがあったかな。あと前回よりも聴いてくれた人のテンションが高かったね。序盤から盛り上がってた。

「Listen with NICO Touches the Walls」の様子。左から対馬祥太郎(Dr)、光村龍哉(Vo, G)。

光村 そうだね。前回はテーマを設けずに好きな曲をひたすらかけながらチャットをしてたんですけど、意外なところでファンが反応するんですよ。自分が何気なく聴いていたフレーズや歌詞にコメントが付いたりして。ユニークな歌詞が登場すると、タイムラインがその歌詞で埋め尽くされて面白かった。だから、今回もそういう盛り上がり方ができたらと思って選曲はちょっと狙いました(笑)。ビル・ウィザースがそれですね。

──ファンの皆さんとチャットしてみて、何か発見はありましたか?

光村 前回もそうだったんですけど、流した曲の反応を見ながら僕らの曲以外はあまり聴いてないんだなあって感じましたね。もちろんそれはうれしいけど、もったいないなって。面白くていい音楽は世の中にはもっとあるよって伝えたくなった。僕らも曲を作るときにいろんなアーティストの楽曲を聴いて参考にしているところがあるし、そういうルーツになった曲を聴いてからNICOの曲を聴いたら、もっともっと楽しんでもらえると思う。今回はPrefab Sproutとかトッド・ラングレンとか、「勇気も愛もないなんて」を作るときに聴いてた曲をちょいちょい入れて実験してみました。流した洋楽に面白い反応もあったし、今後も「Listen with」のようなイベントを通してリスナーが新しい音楽を知る機会を作れたらと思います。

──アルバム制作時のエピソードを曲に絡めながらコメントしていましたね。

光村 そうそう。「エーキューライセンス」は歌詞が完成するまで2カ月かかったんですが、Prefab Sproutの「Music Is A Princess」を聴いたときに道が開けたというエピソードがあったりして。今回は僕が聴いてきた数あるラブソングの中でも「勇気も愛もないなんて」の参考というか、作る上での“先生”たちを紹介する内容になりました。

「Listen with」

アーティストと一緒に聴こう
アーティストとチャットを楽しもう

「Listen with」とは、有名人やアーティストと一緒に同じ音楽を聴きながらチャットができるソーシャル機能。アーティストが自身の曲、影響を受けた曲、好きな曲などを再生し、ファンはアーティストとチャットで会話が楽しめます。「KKBOX」および「うたパス」アプリから参加できます。

次回「NICO Touches the Walls『Listen with』」開催日程
開催日時:2016年5月2日(月)
※実施時間は後日発表

日本をはじめアジア6カ国で展開されている、アジア最大の定額制音楽配信サービス。スマートフォン、パソコン、タブレットなどで、いつでもどこでも2000万曲以上の多彩なラインアップの楽曲が聴き放題で楽しめます。

さらに4000曲をキャッシュ(一時保存)でき、通信環境を気にすることなく音楽を聴くことができます。また、離れたユーザー同士でリアルタイムに同じ楽曲を聴きながらチャットを楽しむことができる「Listen with(一緒に聴く)」といったソーシャルコミュニケーション機能も注目されています。現在、1カ月無料でお楽しみいただけます。

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NICO Touches the WallsのプレイリストをKKBOXでチェック!
NICO Touches the Walls(ニコタッチズザウォールズ)
NICO Touches the Walls

2004年4月に光村龍哉(Vo, G)、古村大介(G)、坂倉心悟(B)の3人で結成。同年7月に対馬祥太郎(Dr)が加入し、2005年に東京・渋谷と千葉・柏を中心にライブ活動をスタートさせる。2007年11月にミニアルバム「How are you?」でメジャーデビューを果たし、2008年9月に1stフルアルバム「Who are you?」を発表。2010年3月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを開催した。以降もコンスタントに作品をリリースし、2014年2月に初のベストアルバム「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト」を発売。2014年8月には2度目となる日本武道館単独公演を大成功に収めた。2015年2月に新たな試みとなるアコースティックアルバム「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」を、2016年3月に通算6枚目となるオリジナルアルバム「勇気も愛もないなんて」をリリースした。

NICO Touches the Walls 商品情報
「勇気も愛もないなんて」
2016年3月16日発売 / Ki/oon Music
「勇気も愛もないなんて」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
4250円 / KSCL-2710~1

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「勇気も愛もないなんて」通常盤

通常盤 [CD]
3200円 / KSCL-2712

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「ストラト」
2016年5月3日発売 / Ki/oon Music
「ストラト」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
3996円 / KSCL-2723~4
※特典としてミュージックビデオ集「Library Vol.3」が付属

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「ストラト」通常盤

通常盤 [CD]
1296円 / KSCL-2725

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「Library Vol.3」

「Library Vol.3」
[DVD] 2700円 / KSBL-6250

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