音楽ナタリー Power Push - 「Listen with」特集 Vol. 2 NICO Touches the Walls
新しい音楽と出会う“音楽共有体験”のススメ
サブスクリプションの楽しみ方
──メンバー同士で音楽を共有することはあるんですか?
坂倉心悟(B) よくしますね。ライブにもよく一緒に行くし。
光村 スタジオにこもってるときは、スタジオのスピーカーで持ってきたCDとかiPodに入ってる曲を流しながら「このアレンジをこういうふうにしたい」とか話してます。レコーディングに行き詰まったら爆音で音楽を聴いて気分転換したり。あと自分が気に入った音楽を一緒に聴いたときのメンバーの反応を見て、それぞれのモードを探ったりしますね。「こういうのは好きなんだ」「こういうのはいまいちなんだ」とか。
──普段はどんな環境で音楽を聴いてますか?
光村 スマホでも聴くし、自宅ならレコードプレイヤーでも聴くし。シチュエーションに応じていろいろですね。
古村 俺はスマホが多いかな。
対馬 俺もスマホで移動中に聴くのが多いかな。もっぱらダウンロードで。
坂倉 俺は、自宅のスピーカーで聴くことが多いです。でもあえてヘッドフォンで音楽を聴きたくなることもあるし。状況に応じてですね。
──サブスクリプションサービスは活用されてますか?
古村 KKBOXはけっこう活用してますね。ジャンル別に聴けるのが面白くて、そこで新しいアーティストを知ることも多いです。昨日はさだまさしさんの曲をひたすら聴いてました。
光村 サブスクリプションサービスっていろいろあると思いますけど、KKBOXの「Listen with」みたいな使い方は楽しいですよね。人から「これいいよ」「こういうの好きじゃない?」って提案されると、聴く気になるじゃないですか。昔だったら友達同士でCDの貸し借りをしたり、MDにダビングしてあげたりすることで、数珠つなぎで聴く音楽の幅が広がっていった。そういう形でサブスクリプションサービスが活用されていったら面白いと思う。
──今回の「Listen with」は光村さんメインの選曲でしたが、ほかの皆さんが「Listen with」でプレイリストを作るとしたらどんなテーマで作りますか?
古村 俺もラブソング縛りをやってみたいかな。
光村 フルくんの場合は、自分に影響を与えたギターフレーズシリーズもいいんじゃない?
古村 ああ。どのテーマにしても、根底にそれが隠れてそうだな(笑)。
坂倉 俺は1990年代、2000年代のUKロックとか、自分が影響を受けた曲のプレイリストを作ってみたいですね。
対馬 そうだね。あと音楽的なルーツとか定番のテーマもいいと思うけど、テーマを募集して自分がDJのように楽曲をセレクトすると面白い気がする。
「これでいいんだ」って思えるようになった
──皆さんはTwitterやLINEなどのSNSを活用してのバンド活動についてどう考えていますか?
光村 自分たちの音楽をリスナーにより身近に感じてもらえるきっかけになるのなら、積極的に使うべきだと思います。
古村 そうだね。ただ、使う上で考えすぎないほうがいいかなと思ってて。けっこう俺がバンドのTwitterを更新してるんですけど、考えすぎるとつまんなくなるんですよ。
──SNSでのファンの反応がバンド活動にフィードバックされることはありますか?
古村 ありますね。自分がおそるおそる発言したことに対して、ファンの人が盛り上がってくれたり、受け入れてくれたりして「これでいいんだ」って思えるようになった。
光村 フルくんはTwitterを始めてから、MCがフランクになったよね。あれだけMCで強張っていたのが水を得た魚のようにライブでしゃべるしゃべる(笑)。いい傾向だと思う。
坂倉 見てると、フルくんとファンの人との距離が近くなってるんだよね。
古村 そうそう。なので周りに止められるまで、Twitterは活用していきたいですね。
対馬 止められるまでって(笑)。
決意表明のようなアルバム
──先日3年ぶりのアルバム「勇気も愛もないなんて」リリースされましたが、手応えはいかがですか?
光村 等身大の自分たちが出せたアルバムになったと思ってます。今までずっと追いかけてくれた人たちにとっても、これから僕らの音楽に出会う人たちにもマストバイな1枚になったかな。
──2011年にリリースした3rdアルバム「Passenger」以降、NICOは等身大をテーマに作品を発表してきた印象があるんですが、以前発表された“等身大の作品”とはどのようなところが違うんでしょうか?
光村 前は「等身大の音楽を作っていこう」と思ってる反面、どこかで「音楽はこうでなくてはいけない」みたいな考えがあったり、カッコつけてる部分があったんですよ。あと等身大という言葉に縛られていた部分もあったんだけど、それが徐々に薄れていって自由になっていった。その結果、今作はジャンルの幅が今まで以上に広い作品になった気がします。あと、勇気とか愛とか、今までは照れくさくてほかの表現にしていた言葉をそのまま使ったり、アルバムのタイトルも初めて日本語のタイトルにしてみたり。新しい挑戦もたくさんあって。自分たちの中では、今後も等身大で音楽を作っていこうという決意表明のようなアルバムになりました。
──ちなみに勇気と愛をテーマにした本作ですが、自分たちの中で「勇気とは何か」「愛とは何か」という結論は出たんですか?
光村 これが散々考えたんですが出なかったんですよ(笑)。だからその答えを今後じっくりリスナーの皆さんと探そうかなと思ってます。
──今、回っているツアーはそれを考えるにはいい機会かもしれませんね。
光村 ええ。今回のツアーは、公演ごとにお客さんとの新しい絆が芽生えている気がするんですよ。
対馬 うん。ライブを通して、俺たちがアルバムに込めた思いがちゃんと伝えられている気がしますし。
──ちなみにツアー後の展開は決まっているんでしょうか。
光村 今回のアルバムでいろいろ吹っ切れて、スイッチが入った気がするので、この調子でもっと曲を作っていきたいですね。シングルのリリースも5月にありますし。次は3年も空けずにアルバムを出せるようにします(笑)。
「Listen with」
アーティストと一緒に聴こう
アーティストとチャットを楽しもう
「Listen with」とは、有名人やアーティストと一緒に同じ音楽を聴きながらチャットができるソーシャル機能。アーティストが自身の曲、影響を受けた曲、好きな曲などを再生し、ファンはアーティストとチャットで会話が楽しめます。「KKBOX」および「うたパス」アプリから参加できます。
次回「NICO Touches the Walls『Listen with』」開催日程
開催日時:2016年5月2日(月)
※実施時間は後日発表
「KKBOX」
日本をはじめアジア6カ国で展開されている、アジア最大の定額制音楽配信サービス。スマートフォン、パソコン、タブレットなどで、いつでもどこでも2000万曲以上の多彩なラインアップの楽曲が聴き放題で楽しめます。
さらに4000曲をキャッシュ(一時保存)でき、通信環境を気にすることなく音楽を聴くことができます。また、離れたユーザー同士でリアルタイムに同じ楽曲を聴きながらチャットを楽しむことができる「Listen with(一緒に聴く)」といったソーシャルコミュニケーション機能も注目されています。現在、1カ月無料でお楽しみいただけます。
NICO Touches the Walls(ニコタッチズザウォールズ)
2004年4月に光村龍哉(Vo, G)、古村大介(G)、坂倉心悟(B)の3人で結成。同年7月に対馬祥太郎(Dr)が加入し、2005年に東京・渋谷と千葉・柏を中心にライブ活動をスタートさせる。2007年11月にミニアルバム「How are you?」でメジャーデビューを果たし、2008年9月に1stフルアルバム「Who are you?」を発表。2010年3月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを開催した。以降もコンスタントに作品をリリースし、2014年2月に初のベストアルバム「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト」を発売。2014年8月には2度目となる日本武道館単独公演を大成功に収めた。2015年2月に新たな試みとなるアコースティックアルバム「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」を、2016年3月に通算6枚目となるオリジナルアルバム「勇気も愛もないなんて」をリリースした。
NICO Touches the Walls 商品情報
- 「勇気も愛もないなんて」
2016年3月16日発売 / Ki/oon Music
- 「ストラト」
2016年5月3日発売 / Ki/oon Music