ナタリー PowerPush - 黒木メイサ
早くも到着のニューシングルはメイサ流“エレクトロ・フラメンコ”
フラメンコの経験を活かしたかった
──サウンドはかなりインパクトがありますね。エレクトロにフラメンコのフレーバーが融合していて。
去年の10月にスペインへ行ってフラメンコをしてきたんですよ、1週間ぐらい。テレビ番組の企画だったんですけど、そのことがすごい刺激になって。今までダンスをやってきたけど、フラメンコは自分が触れてきたダンスとはまったく別物だったし、何もわからない状態から学んでいくことが新しい世界を見るようで、スペインから帰ってきてからもずっとテンションが高かったんです。で、この曲にはそういう部分を絶対に乗っけたかったんで、フラメンコギターっぽいものを使ってほしいっていうのをJUNEにリクエストして。せっかく経験したことをつなげずに終わるのはもったいないですからね。ムチャブリではあるんですけど(笑)。
──でも、面白い聴き心地になっていますよね。新しい匂いもしますし。
音楽をやらせてもらうようになってから約2年、「MAGAZINE」というアルバムを出せたことが自分の中では区切りになったところもあって。だから次に出す作品には、今まであまり聴いたことがない新しい音を求めてたと思うんです。しかも、この曲のレコーディングが2011年の最初の仕事でもあったので、全体的に新しい気持ちというか、今までやってきたことを踏まえてまた一からスタートできた感じがします。
こういう世界観だからこそいろんなことが言える
──歌詞はカミカオルさんが書かれていますが、内容に関してはどんな印象を受けましたか?
カミさんはね、毎回いろんなものをぶつけてきますね(笑)。今回の“One More Drama”っていうテーマも、見た瞬間面白いかもって思えました。曲から受けた“生きてるものと生きてないもの”っていうイメージから膨らませてビデオクリップを作る部分では、ひとつのドラマを作るっていう意味でちゃんとリンクできたとも思うし。
──ここで描かれている、男性に「もうひとつドラマを見せてよ!」と言い切る女性像は、なんというかメイサさんに似合ってますよね。
フフフフフ。けっこうグイグイ行く感じですよね。私自身恋愛もそうですし、日常のほかのシチュエーションにおいても、サプライズとか新しい発見とかっていうのをすごく大事にしたいタイプなんですよ。しかも、今がそういう時期なのか、触れられるものには全部触れたいっていうのもあって。新しいものは全部経験したいっていう気持ちに、すごくマッチしましたね。
──スペインでの経験をサウンドに落とし込んだのも、まさにそういう気持ちからですもんね。
そうそう。ただ、普段の私がね、例えば自分の恋人とかに「あんたワンモアドラマ作りなさいよ!」とは絶対に言えるわけもなく(笑)。これがまるっきり私のことかっていうと、そうじゃないわけで。やっぱりこういう世界観だからこそいろんなことが言えるし、いろんなことをやっちゃってもいいんじゃないかなって思うんですよね。
──歌詞に共感しつつ、物語の主人公を演じる楽しみもそこにはあるってことなんでしょうね。
ですね。カミさんやJUNEは毎回新しいアイデアを投げてくれるので、そういうものの中から、みんなの中の黒木メイサ像みたいなものに気付かされることもあるし。負けず嫌いだから、演じるのが難しいものを持ってきてくれることもすごく楽しいんですよ。自分としても、黒木メイサにもっといろんなことを言わせたいっていう気持ちもありますしね。
CD収録曲
- One More Drama
- Go Ahead
- LOL! ARP REMIX remixed by dee.c
- One More Drama (instrumental)
初回盤DVD収録内容
- One More Drama (Music Video)
- SPECIAL MAKING OF One More Drama
黒木メイサ(くろきめいさ)
1988年生まれ、沖縄県出身の女性シンガー。2004年に女優デビュー。2009年4月にアルバム「hellcat」で歌手デビューを果たし、シングルやミニアルバムを多数リリースしている。2010年10月には東京・恵比寿ガーデンホールで初のワンマンライブ2DAYSを敢行。ファッションイベントなどでも精力的にライブを行い、パワフルな歌声とクールでセクシーなダンスで幅広い層を魅了している。2011年1月、初のオリジナルフルアルバムとなる「MAGAZIINE」をリリース。