始まったら止まれない「Hysteric Bullet」

──「Hysteric Bullet」の歌詞は、「アイコトバ」とは打って変わって……。

メイリア　すいませんホントに。「お前は多重人格か」っていう感じなんですけど、「銃娘」の主題歌だったから、まず銃をキーワードに歌詞を書こうと。かつ今までのダンスナンバーではわりと強気な女の子像を描いているので、そのテイストは残して。なので恋愛を絡めたものにはなってるんですけど、ずいぶん激しい歌詞を書いちゃったなって（笑）。

──歌詞の1行目から「噛み付くように塞いだ口」って、最高ですね。こちらとしては黙るしかありません。

メイリア　サウンド自体も攻め攻めだったので、歌詞も攻めに攻めて。もっとも、「銃娘」は銃を擬人化した、いわゆる日常系に近いアニメなので、必ずしも内容に沿っているわけではないんです。だからアニメに寄り添うと言うよりは、「踊っちゃってみた」シリーズの歌詞のカラーを意識しましたね。

──先ほど「大変な曲」とおっしゃいましたが、やはりレコーディングも大変でしたか？

メイリア　まず息継ぎできる場所が少ないので、単純に苦しいっていう。あと早口なパートも噛まないようにするのが難しくて。

toku　これもリハをやってみて、「歌って踊るの大変だね」っていうのを発見した。

メイリア　いや、リハの前にもう「踊っちゃってみた」撮ってるから。その時点で「これライブ大丈夫かな？ 歌えるかな？」って。実際、いざリハに入ってみると、想像を上回るしんどさだったんですよ。

toku　「5人で踊るんだし、真ん中の人（メイリア）はそんなに動かなくてもいいんじゃない？」って言ってたんですけどね。

──ははは（笑）。

メイリア　でもそれだと、例えばダンス動画を観てライブに来てくれた人は「メイリア踊らないの!?」みたいな感じになっちゃうかもしれないじゃないですか。そこは期待を裏切りたくないので、乗り越えていこうと思います。

toku　この曲は、始まったら止まれないんです。ギターもそうなんですけど、途中で見失うと戻ってこられなくなるので、スポーツみたいだなって。

メイリア　ホントにスポーツでしたね。一瞬でも余計なことを考えると追い付けなくなるから、もう無心でやるしかない。

──ライブを拝見するに、メイリアさんの運動量はアスリート並みかもしれませんね。歌って踊って、なおかつステージ上を走り回って。

メイリア　デビューしたての頃はダンス曲はせいぜい2、3曲だったんですけど、最近はダンス曲とバンド曲の比率が逆転しつつあるので、より過酷な状況に（笑）。でも鍛えてがんばってますので、ライブも楽しみにしていてください。

せっかくだし、ダンスシングルにしちゃおうか

──そう言えば今回のシングルって、3曲ともダンスナンバーですよね。

メイリア　そうなんですよ。まず「アイコトバ」がシングル表題曲としては初めてのダンスナンバーで、カップリングの「ヒスバレ」も同じくダンスナンバーだったので「せっかくだし、ダンスシングルにしちゃおうか」って。

──で、3曲目の「Lonely Girl」は、前2曲とは趣きが異なるメロウなR＆B……なんですけど、バックでダークウエーブ系のシンセが鳴り続けているというのが、やはりガルニデの一筋縄ではいかなところなのかなと。

toku　こういうシンセの音が前面に出てる感じとか、フューチャーベース的な雰囲気のあるミドルテンポな曲を作りたくて。で、過去のインタビューでも何度かお話ししていることなんですが、結局、音数が少ないほうがカッコいいみたいな。そうすることで歌の説得力も増すので、こういう路線も「ガルニデっぽいね」って言われるのを目指してもいいのかなと。

──個人的には、その路線は推したいです。アナログシンセの使い方にしても、以前のインタビューでPet Shop Boysやトレヴァー・ホーンに言及されていましたし（参照：GARNiDELiA「Linkage Ring」インタビュー）。

toku　そういうのが好きな人には響くかもしれない。

──それこそ「アイコトバ」の歌詞のくだりでメイリアさんが話された「隠れファン」みたいな人が。

メイリア　そうだよ、仲間が増えるよ。

toku　トレヴァー・ホーンは日本のアニメの音楽を手がけられたりもしてるので（参照：トレヴァー・ホーンプロデュース、アニメ「THE REFLECTION」サントラ発売決定）、恐れ多いんですけど、俺とも何かやってほしいなって（笑）。

──ははは（笑）。

toku　仮にそこを目指すにしても、やっぱり音で皆さん判断されると思うので、ある意味で趣味性を強く打ち出すと言うか、シンセをフィーチャーした曲を作っていかないといけないのかもしれませんね。