ナタリー PowerPush - Galileo Galilei

"10代バンド"としての覚醒を示すニューシングルの全貌を語る

レコーディングでプレイヤーとしてのレベルを上げた

岩井郁人(G) 確かに、雄貴がいない状態でのアレンジ作業は初めてだったんで、不安もありました。でも俺らは俺らでいろいろ考えてて、いつもだと限られた時間の中で、4人でスタジオに入って、雄貴が原曲に持ってるイメージを再現していくんですけど、今回は3人で進めると決めてたのでちゃんと事前に3人で話し合おうと。結果として、冷静にそれぞれの楽器がどうなってるかも見れたんで、楽器それぞれが目立つ曲になった。雄貴らしいメロディはちゃんとあるんですけど、バンドの音もちゃんとついてきてるっていう。バンドなんだなって自分で聴いて思えるし、めっちゃいいなって感じます(笑)。

──そういうレコーディングの進め方は、今までもやりたかったことだったんですか?

岩井 そうですね。今までは雄貴の世界を表現するのに精一杯だったんですけど、最近はライブの経験が増えたからかプレイヤーとしての自我が出てきて、そこに俺らのエッセンスも加えたいと思えてきたんです。でも自分を出し過ぎるとバンドにマイナスになることもあるから、目立ちつつ、バンドもよく見せることを考えるっていう。そこは今回から変わってきたところかな。

尾崎和樹(D) 自分にとってドラムのパーツ別録音は初めての挑戦だったし、普段は1時間くらいで録れるところを今回は6時間もかかっちゃってたから、「もしもこれでいいドラムができなかったら、6時間が無駄になっちゃうな」って思ってたんです。でもようやく録り終えて安心したときに、兄ちゃん(雄貴)の言ってたことがわかりました。この曲には自分ががんばって作り上げたものがぎっしり詰まってるから、そういう意味では誇らしい1曲になったなって。

佐孝仁司(B) 今回のレコーディングは札幌で1週間かけてやったんです。忙しかったけど、余裕がないわけじゃなく、濃い時間でした。スタジオでもたくさん出てきたアイデアのうちどれにしようかで困ったぐらい。ドラムがかっちりしたノリだから、ハネるノリを作ってくれよって期待されたのもうれしかったし、プレイヤーとしてもレベルを上げられたなって思います。

4人でちゃんといい曲を作っていきたい

──これだけ3人が頼もしく活躍してくれると、雄貴さんは安心できたのでは?

雄貴 そうですね。俺のプライドでもあるんですけど、バンドの世界観のコントロールは俺がしたいんですよ。そこは譲れないので、任せつつも不安だったんですけど、決めたことに対してみんなが初めて研究熱心になってくれたように思います。それまでは温度差を感じていて。俺がこういうアプローチしたいって言っても、嫌とは言わなくてものってこない感じがして、そこでフラストレーションもあったんです。でも、メンバーそれぞれに自我が出てきたことによって、心強くなった。その分、俺もこういうものをやりたいってばんばん言えたし、3人の返答も予想以上だったんで、これからもこういう進め方をしていきたいですね。

──収穫の多いレコーディングになりましたね。

雄貴 はい。それまでは寂しかったんですよ。作詞作曲者対メンバーっていう関係性で。でも今はそれぞれの在り方がなんとなくわかってきて、それを十分に活用して、4人でちゃんといい曲を作っていける体制ができました。これからもどれだけ面白いことをやれるかを探求していきたいです。

2ndシングル「四ツ葉さがしの旅人」 / 2010年9月22日発売 / 1223円(税込) / SME Records / SECL-905

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CD収録曲
  1. 四ツ葉さがしの旅人
  2. ありがとう、ごめんね
  3. Invader

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Galileo Galilei(がりれおがりれい)

2007年に北海道・稚内で結成された4ピースロックバンド。メンバーは尾崎雄貴(Vo,G)、岩井郁人(G)、佐孝仁司(B)、尾崎和樹(Dr)。もともと音楽や映像が大好きだった雄貴&和樹の尾崎兄弟が、自宅のPCでさまざまなライブ動画を観たことをきっかけに自宅にあった楽器に触れるようになる。この"遊び"が母体となり、佐孝とともにGalileo Galileiを結成。バンドオーディションに送ったデモテープがきっかけとなり、5,000組超の参加者の中からファイナルステージまで昇りつめグランプリを獲得する。2009年11月に岩井が加入し現在の編成に。同年末に屋内フェス「COUNTDOWN JAPAN 09/10」に初出演を果たし、翌2010年1月にはデビュー前にもかかわらず「ハマナスの花」がau「LISMO!」CMソングに起用される。この曲を含むミニアルバム「ハマナスの花」で、同年2月にメジャーデビュー。春には高校卒業を機に、活動の拠点を稚内から東京に移した。3月に東京と大阪で開催した初のワンマンライブのチケットは一般発売直後にソールドアウト。人気・実力ともに急上昇中のバンドだ。