ライブナタリー主催による対バンライブ「ライブナタリー “Base Ball Bear × Galileo Galilei”」が8月9日に東京・Spotify O-EASTで開催される。
Base Ball BearとGalileo Galileiの対バンはこれが初となり、情報解禁されるとすぐに大きな反響を呼んだ(参照:Base Ball BearとGalileo Galilei、初のツーマンが実現)。本公演開催を記念し、音楽ナタリーでは両バンドの座談会をセッティング。2組の出会いの振り返り、お互いに対する印象、制作スタイルやマインドの変化、ライブ当日への意気込みなどをじっくり語り合ってもらった。
最後には、対バンが発表された際に多数寄せられた「私の青春」という声に対するリアクションも。現在進行形の2組ならではの言葉に注目してほしい。
取材・文 / 森朋之撮影 / 高田梓
公演情報
ライブナタリー “Base Ball Bear × Galileo Galilei”
2024年8月9日(金)東京都 Spotify O-EAST
OPEN 18:00 / START 19:00
<出演者>
Base Ball Bear / Galileo Galilei
ライブナタリー “Base Ball Bear × Galileo Galilei” - ライブナタリー
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2組の出会い、2008年「閃光ライオット」を振り返る
──Base Ball BearとGalileo Galileiの出会いは2008年に行われた「閃光ライオット」(参照:10代限定「閃光ライオット」出演者16組が決定)ですね。Base Ball Bearの皆さんは審査員として参加し、Galileo Galileiが初代グランプリになりました。
堀之内大介(Base Ball Bear / Dr, Cho) そう、初回だったんですよね。
関根史織(Base Ball Bear / B, Cho) で、私たちはデビュー2年目だったんですよ。
小出祐介(Base ball Bear / Vo, G) 審査員とか生意気だよね(笑)。そのときは何歳だった?
尾崎雄貴(Galileo Galilei / Vo, G) 僕は18歳かな?
岩井郁人(Galileo Galilei / G) 17じゃない?
関根 (和樹に対して)15歳だったんだよね?
尾崎和樹(Galileo Galilei / Dr) はい。中3でした。
小出 参加者の中で最年少だったんだよね。
関根 そうそう。「え、中3?」ってびっくりしたのでよく覚えてます。
和樹 たぶん、よくわかってないまま参加していたと思います(笑)。兄(雄貴)がボーカルで、「ドラム叩いてよ」と言われるままにやってたので。
雄貴 Galileo Galileiはもともと同級生で組んだバンドだったんです。小学生の頃からずっと一緒のメンバーだったんですけど、遊んでるときも和樹はずっとついてきてて。その流れのままドラムを始めて、そのまま「閃光ライオット」のステージに立ってたんだと思います。
堀之内 そうだったんだ(笑)。
小出 まあ、Galileo Galileiが勝ちそうだとは思ってたけどね。
堀之内 うん。クオリティが群を抜いてたから。
雄貴 僕らはそんな感じがまったくなくて。稚内出身なんですけど、ライブハウスもないし、ただ自分たちで淡々とやってただけなんですよ。閃光ライオットの最終審査まで行って、ほかの出演者を見たときに「これは無理だな」って。審査中に帰る準備とかもしてました。
小出 そうなんだ。曲がいいとか「この年齢でこんなに演奏できるのか」みたいなところはもちろんだけど、「SCHOOL OF LOCK!」(「閃光ライオット」を主催していたラジオ番組)のリスナーにもすでに人気があって。Galileo Galileiがイベントを引っ張っているような印象がしてた。
堀之内 ほかにもいいバンドが出たんだよね。ねごともそうだし、Brian the Sunとか。
関根 それでも会場のムードは「Galileo Galileiだな」という感じでしたけどね。抜きんでてるバンドって、そういうムードを背負っているものだと思うので。
──その時点で「ハローグッバイ」「管制塔」を演奏していたことを考えると、かなりバンドとして完成されていたのかも。そして、岩井さんは別のバンドで出演していたとか。
岩井 はい。Galileo Galileiのことは勝手にライバルだと思ってました。もちろん自分たちが優勝するつもりだったんですけど、ファイナルの一歩手前の3次審査でGalileo Galileiのステージを見て「これは敵わないな」と。そのときに雄貴と友達になったんですよ。それから連絡を取り合うようになったし、優勝できなかったことより、友達になれた喜びのほうが大きかったです。
小出 いい話だ(笑)。
──その頃、岡崎さんは?
岡崎真輝(Galileo Galilei / B) 中2だったんですけど、ちょうどベースを始めた頃ですね。「閃光ライオット」のダイジェストムービーとかも観てました。
小出 ラジオも聴いてた?
岡崎 はい。「自分もバンドを組んで、『閃光ライオット』に出たい」と思ってたので。
「ラーメンズのライブDVD観てました」「おしゃれぶっちゃって」
──その後の2組の接点は?
雄貴 僕が「SCHOOL OF LOCK!」に電話で出演したんですよ。「閃光ライオット」に出たあと。
小出 あったね!
雄貴 自宅から電話したんですけど、すごく緊張しました。Base Ball Bearはずっと聴いてたし、憧れのアーティストと会話するのも初めてだったので。「今日は何してたの?」と聞かれて「ラーメンズのライブDVD観てました」と答えたら小出さんに「おしゃれぶっちゃって」と言われて、めちゃくちゃショックで(笑)。
小出 その会話は覚えてない(笑)。こっちも24歳くらいだから、子供と子供が生電話してるようなもんだよね。
関根・堀之内 ハハハハ。
岩井 次の年に「YOUNG FLAG 09」(「SCHOOL OF LOCK!」主催のサーキットツアー)というイベントがあって。Zepp Sapporo公演で初めて一緒になったんですよ。Base Ball Bear、サカナクション、HYが出演していて、僕らはオープニングアクトして出させてもらって。僕がGalileo Galileiにサポートギターとして入った最初のライブだったんですよね、それが。
関根 そうだったんだ。
小出 あんまり覚えてないな……。フェスとかでもぜんぜん会わなかったよね。
雄貴 そうですね。僕らもあんまりフェスに出てなかったので。
堀之内 でも、ずっと気にはなってたんですよ。
雄貴 そういえば堀之内さんは和樹と連絡を取り合ってたみたいですね。
堀之内 そうそう(笑)。「閃光ライオット」のステージが衝撃的で、実はちょっと嫉妬してたんだよね。和樹くんには何度かメールしたことがあって。
和樹 年に1回か2回くらいですね。
雄貴 「堀之内さんはめちゃくちゃいい人」と聞いてました(笑)。
洋楽を聴いてBase Ball Bearの音楽の答え合わせができた
──Galileo Galileiの皆さんがBase Ball Bearの音楽を聴き始めたきっかけは?
雄貴 みんなで“せーの”で聴き始めたんですよ。メンバー同士でいろんなバンドのCDを借りてきて、それを共有して。その中にBase Ball BearのCDがあった。僕は基本不登校だったんですけど、学校に向かっている自分を少しでも素敵だと思いたいときに聴くのがBase Ball Bearでした。
和樹 自分は好きになったアーティストは1年くらいずっと聴き続けてしまうところがあって。Base Ball Bearもそうでしたね。
雄貴 バンドスコアも持ってたよね?
和樹 「C」(2006年11月発表のアルバム)のスコアを買ったんですよ。コード感とかが独特で、スコアを見ないとどうなっているのかよくわからなかったので。
雄貴 うん。僕はデビューしてから洋楽をめちゃくちゃ聴き始めたんですけど、そこでBase Ball Bearの音楽の答え合わせができた気もして。ニューウェイブ系もそうだし、「こういう要素を取り入れてたのかな」というのが少しずつわかってきたんですよね。
小出 うちらは洋楽にちゃんと影響を受けてるバンドだからね。
──岡崎さん、岩井さんがBase Ball Bearの音楽に出会ったきっかけは?
岡崎 高校で軽音楽部に入ったんですけど、Base Ball Bearの曲を演奏している人たちがいて。そのときの情景とすごく重なっていますね。
雄貴 その頃、自分ではRage Against The Machineばっかりコピーしてたんでしょ?
岡崎 そうだね(笑)。
岩井 僕が邦楽を聴き始めたのはBUMP OF CHICKENがきっかけで。そこからいろんなバンドを掘っていくようになったんですけど、Base Ball Bearを聴いたときに「こんなにソリッドな音を出すバンドがいるんだ?」と思いました。
小出 光栄ですね。
堀之内 ありがたすぎる。
「閃光ライオット」の頃と変わらない制作スタイル
──逆にBase Ball Bearの皆さんはGalileo Galileiの音楽についてどんな印象を持ってますか?
小出 去年出た新しいアルバム(「Bee and The Whales」)がすごくよくて。いい曲はいっぱいあるんですけど、「新しいアルバムがいい」というのが一番じゃないですか。タイトルを忘れちゃったんですけど、4曲目のリズムが跳ねている……。
岩井 「ノーキャスト」ですか?
小出 そう! あの曲もよかった。
──「Bee and The Whales」はGalileo Galileiにとって7年ぶりのアルバム。岩井さんが再加入し、岡崎さんを加えた新体制での最初の作品です。
小出 7年ぶりにGalileo Galileiをやるって、どんな感じだったの?
雄貴 Galileo Galileiは2016年に一旦終わって。その後はBBHFというバンドをやっていたんですけど、感覚としては以前と変わってないんですよね。岩井くんとは離れていた時期もあったけど、ずっとこのチームで音楽をやってきたし、「自分たちが憧れている音楽をいかに形にできるか」ということ自体が楽しくてしょうがなくて。それを更新し続けているような気持ちなので、去年のアルバムについても「7年ぶりの大作を出す」みたいな感じはなかった。今も昔と同じようにやってるんですよ。僕の家の1階部分がスタジオになってて、みんなそこに来て、曲を作って。「今日はダメだね」というときはゲームしたり、野球を観たり。「閃光ライオット」の頃と変わらないですね。
──雄貴さんはGalileo Galileiと並行して和樹さんと一緒にBBHFとしても活動してますよね。
雄貴 あとwarbearというソロプロジェクトもあります。どの名義で発表するのかは、曲を作ってから決めますね。「これはGalileo Galileiだな」とか。岩井くんも自分のソロプロジェクトがあるし、コンポーザーとしても仕事しているので、同じような感じだと思います。
岩井 曲はいっぱい作ってるんですけど、「これはもう、どうしようもないな」と思ったらバンドに投げちゃったり。
小出 もうどうしていいかわかんないよ!って?
関根 面白い(笑)。
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「ミュージシャンとしてこういう感じで生きていけるんだ」