AKB48|シングル初センター・矢作萌夏をメンバーが徹底解剖!4年ぶり全国ツアーやショッピングモール巡りに見た“原点回帰”の現実

AKB48が9月18日に通算56枚目のニューシングル「サステナブル」をリリースした。このシングルでセンターを務めるのは、現在17歳の矢作萌夏。矢作は昨年1月にAKB48にドラフト研究生として加入後、同年12月に正規メンバーに昇格。その後グループ最速となるソロコンサートを今年1月に成功させたほか、前作シングル「ジワるDAYS」で表題曲の選抜メンバーに初選出されるなど成長著しい躍進を見せ、今作では満を持してシングル表題曲のセンターに抜擢された。

音楽ナタリーではシングル表題曲センターの矢作に加え、今作の選抜メンバーである柏木由紀、横山由依、岡部麟の4名にインタビュー。矢作の潜在能力の高さをうかがわせるメンバー評や「サステナブル」の印象に加え、約4年ぶりに実現したAKB48の全国ツアーの手応え、ショッピングモール巡りの裏側など幅広く話を聞いた。なお特集の最後には、彼女たちがツアーで各地を回る傍ら、この夏に経験したエピソードを聞くべく、「この夏、私が経験した『どうでもいい』大事件」というお題の質問に答えてもらった。

取材・文 / 小野田衛 撮影 / 塚原孝顕

矢作萌夏のすごいところをメンバーが徹底分析

──ニューシングル「サステナブル」では、矢作萌夏さんのセンター大抜擢が話題となっています。矢作さんのいったい何がすごいのか? 劇場デビューから1年4カ月で異例の躍進を遂げたのはなぜか? メンバーの口から改めて解説してください。

矢作萌夏

矢作萌夏 うわー、なんかこういうの恥ずかしいな……。

横山由依 萌ちゃんのすごさを徹底解剖ということですよね。だったらポイントを絞って、項目ごとにまとめてみない?

矢作萌夏のここがすごい
その1「ハートが強い」

岡部麟 私が思うに、「すごさ・その1」は「ハートが強い」ということ。怖いもの知らずというか、怖気付かず、自分からガンガン前に出る姿勢があって。私が衝撃を受けたのは、「すち(※矢作の口癖。「好き」という意味)」です。初対面の人にいきなり「すち」を使って話したり、ほかにも「萌ちゃんはねー」と話しかけるところとか、初対面だと戸惑う人もいるかもしれないなと思うこともためらいなくできる。空気を読まないのか、空気が読めないのかはわからないですけど(笑)。でもそうやってどんどん自分を出していく姿勢って、このお仕事をやるうえで絶対に大事だと思うんです。

横山由依

横山 確かに自分をすごく持っているんですよね。そこは本当にいいなって私も思います。もちろん周りに気を使ったり、ダンスをそろえたりもちゃんとできる子なんです。ただAKB48のような大人数の団体にいると、「周りとそろえなきゃ」という意識が強くなりすぎて、そろえなくてもいいところでもそろえるクセが付いちゃって。だけど、萌ちゃんはあくまでも自分流のスタイルを貫いている。それは「個性を大事にしたほうがいい」という私たち全員に対するメッセージにもなっていると感じることもあります。

──ベタ褒めじゃないですか。

矢作 ああ、もう隠れたいよう……。

横山 あと、例えば「動物の中ではウサギちゃんが大好き」みたいな「アイドルはこう」というイメージがある人もいると思うんです。だけど、萌ちゃんはカエルが好きということを堂々と人前で言う。世の中にある「なんとなくのアイドル観」に縛られず、ちゃんと自分をアピールできるところがカッコいいんです。

矢作萌夏のここがすごい
その2「抜群のルックス」

柏木由紀 じゃあ私は「すごさ・その2」に触れてもいいですか? ズバリ「抜群のルックス」です。これは誰も否定できないと思う!

岡部 顔の造形が整っているのは当たり前なんですけど、表情が豊かなんですよね。そこはうらやましいなって思います。表情を作るのは練習しているの?

矢作 入ったばかりの頃、「表情のレパートリーが少ないよ」とスタッフさんから注意されたことがあるんです。AKB48に入る前は自撮りをするタイプでもなかったし、撮影にも慣れていなかったので、表情の出し方がわからなくて。それで意識したのは「とりあえず変でもなんでもいいから、いろんな顔をしてみよう」ということだったんです。

横山 なるほどー。研究の成果なんだね。

岡部 あと黒髪ボブという髪型も今のメンバーの中では珍しいですよね。ほかの子と被らないから、大人数の中でも目を引くと思うんです。その髪型は昔から?

矢作 はい。小6のときまではすごく長かったんですけど、バッサリ切ったんですよ。

横山 あっ、そうなんだ。今じゃ長かった時代が想像できないね。

矢作 わりと髪質がくせ毛気味で、うまくまとまらなくて悩んでいたんですよ。それで思い切ってバッサリいったら……なぜかかわいくなっちゃいました(笑)。

──自然にかわいくなっちゃいましたか(笑)。ビジュアルに関しては、もともとの素材がよかったということに尽きますかね。

横山 メイクの研究もしてるよね? 「どういう化粧品を使っているんですか?」みたいに聞いてくることも多いし。指原(莉乃)さんがいたときは、よく指原さんに相談していたし。

──矢作さんは指原さんに対して、何か失礼なことを言っているような印象が強いのですが……。

矢作 いやいや、普通に真剣な話もしています! そういう部分を強調されることが多いから、何かと勘違いされがちで(笑)。

柏木由紀

柏木 萌ちゃんのビジュアル面に関して私が気付いたのは、けっこう変顔をするんですよね。カメラに抜かれたときとか、ライブで目立つ場面とか。でもその変顔もかわいいんですよ。はっきり言って、これはズルいです! 変顔すらかわいいというのは、もとの素材がよくないとできないこと。私なんてステージで変顔しようという気すら起きないですからね。

──柏木さんも嫉妬するかわいさということですか。

柏木 いや、嫉妬する対象ですらないですよ。私が嫉妬だなんて、おこがましい。だって年齢が11歳も離れているんですよ? 11歳年下の子にメラメラ嫉妬していたら、それこそ私が大問題ですって(笑)。

矢作 でも見た目のことに関して真面目に話すと、私、本当に自分の顔に自信がなかったんです。これは謙遜とかじゃなくて、本心でかわいいと思えなくて。「アイドル修業中♡」公演(※2018年5月から11月までAKB48劇場で行われていた柏木プロデュースによる若手メンバーの劇場公演)のときなんて一番自分に自信がなかった頃で、「この中で一番ブスだ」とリアルに落ち込んでいたんです。

柏木 ちょっと! そんなことないって!

矢作 だけど、そんなときにグラビアのおじさんが……。

横山 グラビアのおじさんって?(笑)

矢作 あ、カメラマンさんです。その方が、その日に撮影した私の写真を見せてくれたんです。それで私が思わず「うわー、ブサイクだなあ」と口にしたら、「今のAKB48は自分のことをかわいいって言う子が少なくなったよね」って言われたんです。

岡部 その言葉はちょっと考えさせられるね。

矢作 「言葉で人の意識は変わる」って言いますよね。私も自分のことをかわいいと言えば、少しは自信を持つことができるかなって。それで「私はかわいい」と口にするようになったんです。

柏木 カメラマンさんのお話もありがたいけど、それをきちんと受け止められる萌ちゃんもさすがだね!

──でも自分のことを本気でブサイクだと思っていたら、アイドルという仕事がつらくならないですか? ファンの人に「私を好きになって」と言いづらいじゃないですか。

矢作 私の場合、自分に自信がないことにプラスして人見知りだったんです。できれば人前に出たくないと思って生きていました。オーディションを受けたきっかけはママが薦めてくれたからなんですけど、そこから徐々に気持ちが変わっていきました。それはやっぱり「かわいい、かわいい」と言ってくれるファンの人の存在が大きかったです。自信が付くと気持ちは変わっていきますから。これは見た目だけの話じゃないと思っていて。私の場合、自信が付くことで人生全体が楽しくなってきたんです。だからファンの人に対しては本当に感謝の気持ちしかなくて。

矢作萌夏のここがすごい
その3「高いコメント能力」その4「意外に歌唱力がある」

岡部麟

岡部 さっきから何気に深イイ話を連発してるから、「すごさ・その3」に「高いコメント能力」を加えてもいいと思う(笑)。

柏木 そう来たか。だったら私は「すごさ・その4」で「意外に歌唱力がある」を挙げたいですね。

矢作 待ってください! 「意外に」ってどういうことですか(笑)。

柏木 このかわいいビジュアルを見たら、普通は「声もアイドルらしくかわいいんだろうな」って思うはず。だけど、実際の歌声はしっかりと歌い上げる本格派なんです。単に歌がうまいだけじゃなくて、熱く激しいところが特徴になっていて。ルックスとパフォーマンスのギャップがあるんですよ。

横山 しかも萌ちゃんの場合、アイドルらしく歌うこともちゃんとできるから。振り幅が広い。

柏木 今回のシングル「サステナブル」は、もういきなり最初の歌い出しからして今までのAKB48のCDと声の感じが全然違うんですよ。

──すごくわかります。「大声ダイヤモンド」「RIVER」「Everyday、カチューシャ」などを作曲した井上ヨシマサさんによる王道サウンドだから、今までとの対比が目立つというか。

柏木 そうなんです! 古きよきAKB48だけど、確実に新しい感触もあって。それは、すちちゃんの声の力によるものだと私は考えているんです。

矢作萌夏のここがすごい
その5「天性の自己プロデュース能力」

横山 最後に私から「すごさ・その5」をいいですか? 「天性の自己プロデュース能力」。「こうコメントしたら面白くなる」といった感覚が鋭いんですけど、こういう感覚は誰かから教わって学ぶものではないと思うんです。ひょっとしたら、そういう部分も指原さんを見て身に付けたのかもしれないですけど。

矢作 ああ、それはあるかもしれません。さっしーが卒業してからも、メイクのことだけじゃなく、いろいろ相談に乗ってもらっているんです。お仕事のたびに「どんな萌ちゃんを見せればいい?」とか。さっしー、すごく親身になってアドバイスをくれるんです。「ここはかわいく」とか「ここは真剣に」とか。

岡部 指原さん、超優しいなあ。

AKB48「サステナブル」
2019年9月18日発売 / You,Be Cool! / KING RECORDS
AKB48「サステナブル」Type A初回限定盤

Type A初回限定盤
[CD+DVD]
1646円 / KIZM-90635~6

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AKB48「サステナブル」Type A通常盤

Type A通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-635~6

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CD収録曲
  1. サステナブル
  2. 好きだ 好きだ 好きだ / AKB48 Team 8
  3. サステナブル(off vocal ver.)
  4. 好きだ 好きだ 好きだ(off vocal ver.)
DVD収録内容
  • 新曲2曲のMUSIC VIDEO収録予定
AKB48「サステナブル」Type B初回限定盤

Type B初回限定盤
[CD+DVD]
1646円 / KIZM-90637~8

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AKB48「サステナブル」Type B通常盤

Type B通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-637~8

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CD収録曲
  1. サステナブル
  2. 青春 ダ・カーポ / AKB48カップリング選抜
  3. サステナブル(off vocal ver.)
  4. 青春 ダ・カーポ(off vocal ver.)
DVD収録内容
  • 新曲2曲のMUSIC VIDEO収録予定
AKB48「サステナブル」Type C初回限定盤

Type C初回限定盤
[CD+DVD]
1646円 / KIZM-90639~40

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AKB48「サステナブル」Type C通常盤

Type C通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-639~40

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CD収録曲
  1. サステナブル
  2. モニカ、夜明けだ / 48グループNEXT12
  3. サステナブル(off vocal ver.)
  4. モニカ、夜明けだ(off vocal ver.)
DVD収録内容
  • 新曲2曲のMUSIC VIDEO収録予定
AKB48「サステナブル」劇場盤

劇場盤 [CD]
1080円 / KIZM-639~40

収録曲
  1. サステナブル
  2. 流れ星に何を願えばいいのだろう / 総監督とキャプテンズ
  3. サステナブル(off vocal ver.)
  4. 流れ星に何を願えばいいのだろう(off vocal ver.)
「サステナブル」

石田千穂(初選抜) / 岡田奈々 / 岡部麟 / 小栗有以 / 柏木由紀 / 倉野尾成美 / 坂口渚沙 / 白間美瑠 / 須田亜香里 / 瀧野由美子 / 田中美久 / 本間日陽 / 松井珠理奈 / 向井地美音 / 武藤十夢 / 村山彩希 / 矢作萌夏(センター) / 横山由依 / 吉田朱里

「好きだ 好きだ 好きだ」AKB48 Team 8

歌田初夏 / 太田奈緒 / 大西桃香 / 岡部麟 / 小栗有以(センター) / 小田えりな / 行天優莉奈 / 倉野尾成美 / 坂口渚沙 / 佐藤朱 / 佐藤七海 / 下尾みう / 永野芹佳 / 横山結衣 / 吉川七瀬 / 立仙愛理

「青春 ダ・カーポ」AKB48カップリング選抜

浅井七海(センター) / 稲垣香織 / 岩立沙穂 / 加藤玲奈 / 久保怜音 / 込山榛香 / 佐々木優佳里 / 鈴木くるみ / 田口愛佳 / 谷口めぐ / 千葉恵里 / 西川怜 / 樋渡結依 / 福岡聖菜 / 前田彩佳 / 山根涼羽

「モニカ / 夜明けだ」48グループNEXT12

今村美月 / 岩田陽菜 / 梅山恋和(センター) / 運上弘菜 / 大盛真歩 / 川越紗彩 / 佐藤佳穂 / 末永桜花 / 高倉萌香 / 松本日向 / 山内瑞葵(センター) / 山本彩加

「流れ星に何を願えばいいのだろう」総監督とキャプテンズ

向井地美音(センター) / 岡部麟 / 込山榛香 / 岩立沙穂 / 村山彩希

AKB48(エイケイビーフォーティエイト)
AKB48
秋元康プロデュースのもと、2005年に始動したアイドルグループ。劇場に足を運べばメンバーに会える「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、秋葉原にある専用劇場(AKB48劇場)で公演を行っている。楽曲の作詞はすべて秋元康が担当。2006年2月にシングル「桜の花びらたち」をインディーズからリリースし、オリコンウィークリーチャートでトップ10入りを果たす。同年10月にはシングル「会いたかった」でメジャーデビュー。2007年春には初の全国ツアーも開催されたほか、同年末の「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たすなど、着実に知名度を上げていった。2011年3月に20thシングル「桜の木になろう」をリリース。以降、5月に「Everyday、カチューシャ」、8月に「フライングゲット」、10月に「風は吹いている」とミリオンセールスを連発。2011年オリコン年間シングルチャートで1位から5位をAKB48が独占する結果となり、“国民的アイドル”と呼ばれる地位を確立した。2019年3月に指原莉乃の卒業シングル「ジワるDAYS」を発表。7月より4年ぶりとなる全国ツアー「AKB48全国ツアー2019~楽しいばかりがAKB!~」を開催中で、9月には矢作萌夏が初センターを務める通算56枚目のシングル「サステナブル」をリリースした。

記事内に記載されている商品の価格は、公開日現在のものです。