美容師の動きを見せるのがすごく難しかった

──今作への出演が決まったときのお気持ちは？

呼んでもらえてうれしかったです。カリスマ美容師の役ということで、なかなか大変そうな仕事だなと思いました。

──美容師という職業には、どんなイメージをお持ちでしたか？

オシャレでイケてる人が多いですよね（笑）。

──たしかにそういうイメージはありますね。

普段はヘアメイクさんなどが一緒にいるし、仲がいい人も多いので、ものすごく身近な仕事です。特に俳優業とメイク部というのはけっこう近い関係なので、“パートナー”に似たような感じがありますね。一般の方とはまた別の感覚があるかもしれません。

──普段、間近でヘアメイクさんの仕事ぶりを見ていて、何か参考にしたことはありますか？

動きや仕草、集中して髪を切っているときの目の血走り方とか（笑）、参考にさせてもらったものもあります。

──美容師独特の動きがあると思いますが、特に難しかったのは？

全体の流れる動きの中で正確にカットしなきゃいけないので、その両方を同時にやるのがすごく難しかったです。思い切ってどっちかに絞ろうと思いました。アングルの問題もあるので、このシーンは動きを重視して、逆にこの場面では手元のほうを丁寧に、というようなやり方で、なんとか乗り切りました。

人というのは勘違いしちゃうんですかね？

──白石さんが演じられた井上遼は、どのような人物だと感じましたか？

ぶすっとしてあまり気の利いた言葉を言えない奴は、僕の身近にも何人かいます。僕もあまり笑顔をふりまくタイプではないので（笑）、そういう意味では遠からずかなと思いました。どちらかというと笑っているほうが気恥ずかしい、みたいな部分はわりとリアルな感じでやってみました。なおかつ、自分に厳しすぎるあまり心を閉ざしているようなニュアンスを出せればいいなと。

──ちなみに、遼のように若いけど技術がある人の、自信過剰な部分というのは理解できますか？

人というのは勘違いしちゃうんですかね？ まさに今の僕がそうかもしれない……多分、マネージャーはそう思っていると思いますよ（笑）。