コミックナタリー Power Push - なごみさん/クレムリン

話題のハートフルコメディを大解剖 脱力系猫マンガ「クレムリン」突如乱入!?

さびれた商店街にオープンした、その名も“極道珈琲店”。なんとも物騒な店名に加え、マスターの凶悪な顔のせいで、早くも連日開店休業状態。このままじゃつぶれてしまう!!

──「拝み屋横丁顛末記」で知られる宮本福助がモーニング(講談社)で連載中のハートフルコメディ「なごみさん」の1巻が、このたび満を持して発売。コミックナタリーではその魅力を徹底紹介するとともに宮本の仕事場へ潜入し、制作への意気込みを語ってもらった。想定外の乱入者にかく乱された、波乱含みのインタビューをとくとご覧あれニャ。

取材・文/岸野恵加 編集・撮影/唐木元

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「なごみさん」とは?

インタビュー写真

山本和(なごみ)、バツイチ。定年退職後一念発起して喫茶店を開業したものの、顔が怖いというだけで元ヤクザだと誤解され、目が合っただけで客が逃げ出す始末。メニューをスイーツ三昧(甘味地獄?)にする、コーヒー無料券をむやみにばらまくなど、やることなすこと空回り。しっかり者の娘・凛子にいつも呆れられている。

インタビュー写真インタビュー写真インタビュー写真

しかしなごみ自身は至って純粋で生真面目。商店主同士の不和を仲裁したり、友達が欲しくて慣れない囲碁に挑戦したり、健気な行動でしだいに仲間を増やしてゆく。喫茶店道を通じ、第二の人生を極めたい。男・山本和、固い決意を貫いて、“極道珈琲店”を街のオアシスにすることができるのか?

鶴亀商店街に極道珈琲店 本日開店
「なごみさん」はいかにして生まれたのか。“極道珈琲店”と同様、猫と共に暮らす宮本福助の仕事場へ次ページより突撃!

モーニングKC「なごみさん」(1) / 2010年6月23日発売 / 580円(税込) / 講談社 / ISBN:978-4-06-372913-9

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「なごみさん」あらすじ

顔は怖いが、名前は和(なごみ)。そんな男がさびれたシャッター通り商店街に喫茶店を開いた。店の名前は「極道珈琲店」。第2の人生の舞台は整った!和の自由な行動が、娘に迷惑をかけつつも商店街を和ませる!

宮本福助(みやもとふくすけ)

宮本福助

高校時代から同人誌活動を開始、卒業後就職するが3年で退職。マンガ制作とバイトに勤しむこと数年、1999年に100回スピリッツ賞に入選しデビュー。代表作に「この度は御愁傷様です」、月刊コミックZERO-SUM(一迅社)にて連載中の「拝み屋横丁顛末記」など。

モーニングKC「クレムリン」(1) / 2010年6月23日発売 / 560円(税込) / 講談社 / ISBN:978-4-06-372914-6

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「クレムリン」あらすじ

大学生という名の無職・却津山春雄は、道ばたに捨てられていた三匹のロシアンブルーを一冬黙殺。厳しい冬を見事生き抜いた彼らをまとめて関羽と名付け、家賃滞納のアパートで同居が始まった。人智を超えた家事能力を持つ関羽たちに半ば養われる却津山に、人としての誇りはあるのか。ワープアの辛酸を嘗め続ける作者が、労働の尊さ、厳しさ、虚しさに万感の想いを込めて放つ、猫漫画界初のプロレタリアートニャン画のまあ決定版。

カレー沢薫(かれーざわかおる)

カレー沢薫

動物界脊索動物門脊椎動物亜門哺乳綱霊長目真猿亜目狭鼻下目ヒト上科ヒト科ヒト属。第26回MANGA OPENに「無題」で応募。部内選考であえなく落選。現モーニング編集長と編集部某の判断ミスにより、なぜか異例の連載決定。タイトルを「クレムリン」、筆名を「カレー沢薫」と定め、今日に至る。好きなものは猫&世界が滅亡するとかのパニック映画、そして故・森繁久彌。