映画「黒執事」

小野大輔が語る水嶋セバスチャン

枢やなが月刊Gファンタジー(スクウェア・エニックス)にて連載中の「黒執事」が実写映画化を果たした。完璧な悪魔の執事・セバスチャンを演じるのは、今作が3年ぶり俳優復帰作となる水嶋ヒロ。舞台は近い未来、西洋と東洋の文化が入り乱れた大都市という、オリジナル脚本で展開される。

コミックナタリーでは映画公開に先駆け、特集記事を展開。メイドのリンを演じた山本美月にインタビューを敢行した。マンガやアニメ好きでも知られる山本は、元々熱烈な「黒執事」原作ファン。彼女に映画の見どころやリンという役柄への思い入れをはじめ、原作マンガへの熱烈な愛を語ってもらった。

またアニメ「黒執事」でセバスチャンを演じた声優・小野大輔にも直撃。アニメでセバスチャンを完璧に演じきった彼が、水嶋ヒロ演じるセバスチャンをどう見たのかを聞いた。

取材・文/坂本恵 撮影/岸野恵加(P1~3)・小坂茂雄(P4~5)

 
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小野大輔インタビュー

水嶋さんのセバスチャンは妖しさや不気味さも取り入れている

小野大輔

──今回はアニメ「黒執事」でセバスチャン役を務めた小野さんに、映画「黒執事」の感想をお聞きできればと思っています。特に、同じセバスチャンというキャラクターを演じられた水嶋ヒロさんの演技について、小野さんの視点でいろいろと語っていただければと。

セバスチャンって、すごく難しい役どころだと思うんです。僕もアニメで演じさせていただいて、それが身にしみてわかるというか……。とてもハードルの高いキャラクターだなあと、映画を見て改めて実感したんですね。とにかく完璧で有能で、人間を超越している。まあ人間っていうか悪魔なんですけど(笑)。そういう役どころを実写で演じるのは、アニメーションよりもさらに難しいことだと思うんです。

──自分の身体を出して演じるわけですからね。

そうなんです。水嶋さんはすごくセバスチャンという役を掘り下げていて。考えて突き詰めて演じてらっしゃるんだなというのが、見ていてすごく感じられました。

──例えば、どんなところから感じ取れたのでしょう。

まずは身体づくりですよね。ちょっと頬がこけていたりとか、目の表情とか。なんだか人じゃない感じがものすごく出てるんです。ここにいるんだけど、ここにいない感じ。セバスチャンってエレガントで優雅なイメージだと思うんです。そこにさらに、妖しさや不気味さをエッセンスとして取り入れているのかなと感じました。

原作のままアクションをやると、優雅すぎてギャグになるかもしれない

水嶋ヒロ演じるセバスチャン。

──印象的な演技や仕草はありましたか?

アクションはやっぱりすごかったですね。絞り込んだ身体で完璧なアクションをされていたので驚きました。「実写にするとこうなるのか!」と。アニメやマンガだと、事も無げにやっているじゃないですか。でも実際に実写でやると、こんなに大変なことが起きているのかと(笑)。

──人間ができる動きではないですし。

でも水嶋さんが演じるセバスチャンの風貌や仕草、セリフ回しでそのアクションをやると、すごく納得がいくんですよね。そこでは確実に荒唐無稽なことが起きているのに、なぜか全部腑に落ちるというか。もしかしたら、マンガのアクションをまんま実写でやってしまうと、優雅すぎてギャグになってしまうかもしれない。

──水嶋さんのアクションは優雅なだけではない、と。

色気がありつつ、よりカッコいい。スーパーヒーローでした。男から見てもカッコいい。自分はやっぱりアニメのイメージがあるからだと思うんです。セバスチャンのアクションってあそこまで速くないけど、急にスッと相手の後ろに立ってたりする。

──確かに、ちょっと人間っぽくない動きをしますよね。

そうなんです。でもそれを実写アクションで表現するにあたって、水嶋さんはずっと速いんですよ(笑)。

──ずっと(笑)。

だからすごいと思うんです。よくぞこれを実際にアクションでやったなあと。そういう人知を超越した力を持っているという表現。例えば、こっちにいた人が消えて、次の瞬間後ろに立っている。それはカメラワークでも表現できるじゃないですか。でも水嶋さんは実際に身体を使って、もう目が追いつかないくらいの殺陣をやってます。素晴らしいなと思いました。原作のアクションシーンに、真っ向から挑んでるんです。

映画「黒執事」2014年1月18日(土)新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー

映画「黒執事」

執事の名はセバスチャン。知識と実力、品格と容姿を兼ね備え、非の打ち所があるとすれば性格の悪さだけという、万能にして忠実な執事。仕える主人は、巨大企業の若き総帥にして、幻蜂(げんぽう)家当主、幻蜂清玄(きよはる)伯爵。実は女であることを隠して生きる男装の令嬢で、その過去に壮絶な傷を抱えていた。2人をつなぐもの、それは命と引き換えの絶対的な主従関係。
そんなただならぬ関係の2人だが、実は東西で対立する分断された世界で、世界統一を目指す西側諸国女王の諜報員、「女王の番犬」という裏の顔を持つ。ある日、東側諸国で起きている、大使館員の“連続ミイラ化怪死事件”の解決という密命が下された。現場に残されたのはタロットカード。時同じくして、街から少女たちが失踪する出来事が起きていた。世界を巻き込む事件の黒幕の目的とは、そして事件の犯人は……!?

出演:水嶋ヒロ、剛力彩芽、優香、山本美月、大野拓朗、栗原類、海東健、ホラン千秋、丸山智己、城田優、安田顕、橋本さとし、志垣太郎、伊武雅刀、岸谷五朗

原作:枢やな(スクウェア・エニックス「月刊Gファンタジー」連載)
主題歌:ガブリエル・アプリン「Through the ages」(ワーナーミュージック・ジャパン)
監督:大谷健太郎、さとうけいいち
脚本:黒岩勉

(c)2014 枢やな/スクウェアエニックス
(c)2014 映画「黒執事」製作委員会

小野大輔(おのだいすけ)

1978年5月4日生まれ。高知県出身。主な出演作は、TVアニメ「宇宙戦艦ヤマト2199」(古代進役)、「進撃の巨人」(エルヴィン・スミス役)、海外ドラマ「glee/グリー」(フィン・ハドソン役の吹き替え)など。2014年4月から放送予定のTVアニメ「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース」にも空条承太郎役として出演。高知県観光特使にも任命されている。