CS放送・チャンネルNECO「エンドレス ヤーレンズ」特集、10時間ロケ後もボケとツッコミが止まらないインタビュー (2/2)

ヤーレンズがロケで大事にしていること

──もともとロケのお仕事は好きなほうですか?

楢原 スタジオのバラエティに出るよりは好きです。スタジオはその場所を動いちゃダメじゃないですか。

出井 僕もわりと好きですね。知らないところに行けたりするので。

──お二人がロケをするにあたって大事にしていることは?

楢原 大事にしている……。ロケにおけるアイデンティティってことですよね。「真空ジェシカのようなことはしない」です。

出井 反面教師にしてるんだ。

楢原 小道具をいっぱい持ってくることはしない。

出井 あれはあれで面白いけど。我々の場合はステゴロ一番勝負ってことね。

楢原 そうです。準備はしない。準備をするといいことないので、その場の自分の感覚を信じて。

ヤーレンズ

ヤーレンズ

──出井さんは何かありますか?

出井 放送される時間帯や撮れ高をこっちで判断しないことですかね。それはスタッフさんが決めることなので。「朝の番組だからこういうのは違うか」とか「さっきのところけっこう回したし、もうここはいいんじゃないか」とかを気にせず、とにかく、やる。

楢原 全力でね。いいこと言うね。

出井 全部、全力でずっとやる。判断するのはこっちの仕事ではない。

楢原 じゃあ、僕もそれでいきます! この回答のほうがよかったので、さっきのは白紙撤回でお願いします。

出井 ダメです。

楢原 いや、大丈夫です。編集でどうにかなります。これが編集の力ですから。

なかなかこちら側に渡ってこないヤーレンズ楢原

なかなかこちら側に渡ってこないヤーレンズ楢原

フクロウと散歩して自撮りするヤーレンズ出井

フクロウと散歩して自撮りするヤーレンズ出井

──では、同意見ということにさせていただきます(笑)。

楢原 はい、同意見です。BOY-KENですね。

出井 昔「ボーイケンとは同意見」っていう歌詞がキングギドラの「公開処刑」という歌にありました。

楢原 書いておいてください。

出井 「あれば話し合う相違点」ですね。

楢原 「頭痛胸やけにガスターテン」。

出井 それはなかったです。

楢原 なかったですか。

ツッコミ侍とボケ幕僚長

──お疲れなのに「まだボケられるんだなー」とここまでのやり取りを見て思っているのですが(笑)。なぜそんなにボケ続けられるのでしょうか、楢原さん!

楢原 そこにボケがあるからです!

出井 最初にボケたのはあなたでしょ。俺が「なんでそんなにツッコむんですか?」って聞かれたら「そこにボケがあるからです」はわかるけど。

──ボケ疲れないんですか?

楢原 まあ、今この状態がそうですよ(笑)。

出井 疲れてるんだ。

楢原 正直もう、出がらしも出がらし。思いつたまましゃべってます。逆にこんなにすぐ思いつく自分を褒めてあげたいです。

出井 なんだお前、有森裕子みたいに。

ヤーレンズ

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──出井さんはツッコミ続けて、最後はどんな状態に?

出井 後半、本当に面倒くさいなと思いました。「なんでこんなにこいつはボケるんだ?」って。ボケることによって僕の仕事が発生するので。

楢原 そんなこと言ったらこの人もですよ。ボケたくなったら勝手にボケて、疲れたらツッコミ放棄。勝手ですよ。こっちは疲れている中、果敢にボケ続けてるのに。

出井 今回、小林さんに段取りごとは全部お任せしたので、僕はツッコミ、楢原さんはボケに徹することができたんですよ。そうした結果、私もたまにボケに回ることが可能になりました。

──実は出井さんもボケたいタイプ?

出井 いや、僕は生粋のツッコミ侍でござる。

楢原 え?

出井 これだけ俺のツッコミの刀で斬られて、気づいてなかったんですか?

楢原 こういう調子のいいことばっかりで、疲れますわ!(笑)

──10時間もロケをしていれば、さすがのツッコミ侍もボケることもある?

出井 そうですね。ボケの小太刀も抜いて戦った感じです。

ヤーレンズ

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──出井さんのボケは楢原さんが処理するわけですよね?

楢原 そうなんですよ。普段ツッコミなんてあんまりやらないので……。僕はボケ幕僚長としてやってますから。

出井 え、私がツッコミ侍で、あなたはボケ幕僚長なんですか?

楢原 ツッコミの書類に判押させるのか? 私のツッコミという名の書類を……。

出井 何を言っているんですか?(笑)

楢原 上がってくる書類に判を押しますから。

──……本当にずっとボケますね!

楢原 あはははは!(笑)

出井 うるさいですよね、すみません。

揃えた素材は完璧です

──どんな番組に仕上がっているか楽しみですね。

出井 どう使われるのか想像もつかないです。普通は長時間カメラを回しても10分、15分にまとまっちゃうところを、90分使ってもらえるので。少なくとも僕のツッコミ侍としての、ツッコミの刀を抜いているシーンをたくさん見られると思うので、その切れ味を堪能していただきたいなと思います。

ヤーレンズ

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──切れ味に自信あり、と。

出井 そうですね。ツッコミ侍としては切れ味抜群のツッコミを見てほしいでござる。

楢原 これはもうディレクターの腕の見せどころですね。これだけすごい食材が揃っているんだから、あとはディレクターがどう調理するかにかかっています。

出井 量は多いけど質はわかりませんよ?

楢原 素材は完璧ですから。

出井 変色してる食材ありましたよ。

楢原 こんな素材を揃えてこんなV(VTR)になっちゃうか、とはならないようにしてほしいです。

出井 プレッシャーかけてるってこと? 嫌な感じですねー。

──普段は「どのボケ・ツッコミが使われた」とオンエアでチェックしているんですか?

出井 自分たちが出演した番組を観て「あのボケ使われてないな」はいつもあるんですけど、今回に関しては使われていなくても覚えてないと思います(笑)。多すぎて。

楢原 「あ、こんなボケ言ってたな」って自分が気づけると思います。

ヤーレンズ

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人生で一番○○な日

──ちなみに、この番組は「人生で一番ボケてツッコんだ、とある日の記録」というサブタイトルです。今日という日を「人生で一番○○な日」で名付けるなら、どんな1日でしたか?

楢原 今日か……。「人生で一番カーディガンでよかった日」ですね!

──というのは?

楢原 気温がすごくちょうどよかったです。朝ちょっと寒かったので、心配したんですよ。「これはスタイリストさん、アウターなしですか?」って思ったんですけど、ちょうどよかった。1日を通してこんなにカーディガンで過ごせる日が来るなんて。最近急に寒くなったり、また暑くなったり、気温が変動して難しかったんですけど、カーディガン1枚で乗り越えられたっていうのは素晴らしいです。途中、船にも乗って「海風で寒いかな?」と思ったけど日差しが強くてちょうどよかった。だから、「人生で一番カーディガンがちょうどよかった日」です。

──出井さんはどんな日だったでしょうか。

出井 「人生で一番相方が鼻をかんでた日」ですね。ずっと鼻かんでました。

──それは寒かったということでは?

楢原 いや、寒くはなかったんです。鼻の通りが異常によくて。鼻炎とかじゃなくて、鼻がとにかく通ってて不思議でした。……いや、それわしの日やないかい! 鼻かんでいたのはわしやからわしの日やないかい。

出井 あはははは(笑)。じゃあ、「人生で一番プロデューサーがずっと目の前にいた日」ですかね。

楢原 ロケバスで、なぜかずっとプロデューサーが一番近い席にいたんですよ。そんなことあまりないので、怖かったです。

出井 なんでだろうと思ったら、ボケ数を数えてました。

ヤーレンズ

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──チャンネルNECOではこれまでマユリカ、エバース、ケビンス、バッテリィズという人気芸人たちを起用したゴリゴリのお笑い番組を放送しています。お笑いファンが「次は誰だ」と注目していた中、ヤーレンズの登場のニュースに読者も沸いていました。ぜひ最後にお笑い好きの人たちに向けた見どころを教えてください。

楢原 非よしもとは初めてということで、これは相当デカいですね。

出井 一石を投じる?

楢原 巨大なお笑い組織に対するレジスタンス。それがチャンネルNECOさんで放送されるということで、ぜひ観てほしいニャン。

出井 えー! 急に猫? まあ確かに、非よしもとならではの基礎がしっかりしていないロケを観ていただきたいです。先輩からの指導とかを一切受けてないロケです(笑)。

楢原 我流のね。研ぎ澄ました爪でひっかいてやりました。

出井 NECOだけに。

楢原 NECOだけにです。

ヤーレンズ

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チャンネルNECO、どうやって観る?
「映画・チャンネルNECO」ロゴ

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プロフィール

ヤーレンズ

楢原真樹(ナラハラマサキ)
1986年11月17日生まれ、大阪府出身。

出井隼之介(デイジュンノスケ)
1987年3月2日生まれ、神奈川県出身。

大阪NSC28期生の楢原真樹と29期生の出井隼之介が2011年9月にコンビ結成。改名を経て、2014年から現在のヤーレンズとして活動する。2012年「THE MANZAI」で認定漫才師50組に選出。2023年12月に「M-1グランプリ」で決勝に初進出し、準優勝して脚光を浴びた。翌年2024年も同大会のファイナリストとなった。テンポのいい2人の掛け合いが評判で、ラジオ番組のレギュラー多数。ケイダッシュステージ所属。