ヤーレンズが東京の下町・江東区の魅力を紹介する街ブラ番組のロケへ! ……と思いきや、なかなかカットがかからない!?
日活株式会社が運営するCS放送「映画・チャンネルNECO」で12月26日(金)に放送されるヤーレンズの冠番組「エンドレス ヤーレンズ~人生で一番ボケてツッコんだ、とある日の記録~」は、ボケ・ツッコミの多さが芸人界トップクラスとの呼び声高く、漫才の持ち時間をオーバーしてしまうこともたびたびあるヤーレンズが終わりのないロケをしたらどうなるのか、検証。10時間にも及んだロケで、果たしていくつのボケとツッコミが放たれたのか。そしてタネ明かしを受けたときのヤーレンズの反応は?
お笑いナタリーでは10時間以上のロケを終えたばかりのヤーレンズにインタビューを実施した。さぞお疲れのことだろうと2人にレコーダーを向けると、まだまだ飛び出す小ボケの数々。オートモードでふざけ続ける2人の受け答えの様子をできる限りその場の雰囲気そのままにお届けする。
なお、スカパー!なら番組をスマホやパソコンでも視聴可能!「映画・チャンネルNECO」の視聴方法を詳しく説明するので未加入の人は記事を最後までチェックして放送に備えよう。昨年から「マユリカの東京/無人島友錠生活」「ケビンスの取扱説明書」「エバース漫才記」「バッテリィズの世界」と人気芸人を起用したお笑い特番を連続して制作しているチャンネルNECOが贈るヤーレンズの冠番組も見逃せない。
取材・文 / 狩野有理インタビュー撮影 / 玉井美世子
CS放送・チャンネルNECO「エンドレス ヤーレンズ~人生で一番ボケてツッコんだ、とある日の記録~」
放送日時
2025年12月26日(金)22:40~24:10放送
番組内容
ヤーレンズがボケとツッコミの限界に挑み、新たな可能性を追求する90分。「江東区の魅力を紹介する街ブラ番組」のつもりでロケにやってきたヤーレンズは、ラジオで共演している小林麗菜をアシスタントに迎え、商店街のパン屋やスーパー、水上タクシー、美術館、保育園、フクロウギャラリー、スナックなど、さまざまなスポットへ。なぜかカットがかからない中、ひたすらにボケ、そしてツッコむ。気づけば撮影は10時間超え!? このエンドレスな状況を2人は乗り越えることができるのか。
本編に入りきらなかった名場面は、スカパー!番組配信限定未公開コンテンツ「【未公開SP】エンドレス ヤーレンズ~人生で一番ボケてツッコんだのに本編に入りきらなかった記録~」として配信される。スカパー!番組配信はスマホ、パソコンで視聴可能。またスカパー!で番組を観るともれなくオリジナルグッズがもらえるキャンペーンも実施される。詳細はインタビュー末尾で。
商店街→水上タクシー→商店街の不可解なロケ
──収録お疲れさまでした。
楢原真樹 疲れました。
──まずは、ロケを終えての率直なご感想をお聞かせください。
出井隼之介 疲れました。
楢原 疲れましたね。
出井 ただただロケをし続けたので、後半、何を言ってるか自分でもわからなかったです。
楢原 私は疲れが半分、ちょっとした充実感が半分、というところでしょうか。で、残りの半分が……。
出井 もう半分なんてない、ない(笑)。
楢原 半分の定義は人ぞれぞれですから。
出井 そんなことないです。
楢原 いろいろなことが走馬灯のように思い出せたり、思い出せなかったり。
出井 どっちなんだよ。
楢原 朝早くからやっていたので、思い返そうと思っても何かがつっかえて何も出てこないです。頭痛い!
出井 なんか途中でトラウマあった?
──楢原さんの充実感はどんなところで感じましたか?
楢原 それは……アッ!(頭を押さえる) 何も思い出せない……!
出井 記憶失ってるじゃん。僕は全然、充実感なかったです。江東区の魅力をみなさんにお伝えする番組だと聞いていたので、ただただボケたりツッコんだりするばっかりで「全然魅力伝えられてないな?」と不安だったんですよ。でも、あとから趣旨を聞いて「あ、これでよかったんだな」と思いました。そういう意味で達成感はあります。
──「江東区の魅力紹介ロケ」のつもりが、実は「ひたすらボケ続けるロケ」だったと。オファーを受けたときはどう思いましたか?
出井 自分たちの冠ロケ番組ができると聞いたときはうれしかったですし、「放送尺が長いのでぜひいっぱいボケてください」と伺っていたので、ありがたいなと思っていました。
楢原 ボケた分、たくさん使ってくれるということだったので楽しみでしたね。
──実際やってみたら、本当にたっぷりだったという。
楢原 そうですね。まあ、そんなに我々のボケを見たいなら見せてやろうと。
出井 そういう意気込みだったんだ。
楢原 言ってあげてください、あなたの口から。
出井 二度手間なんで大丈夫です。
──ロケが10時間にも及ぶということは事前に聞いていたんですか?
出井 相当たくさんの場所へ行くという話ではありました。
楢原 長時間のロケもありますが、普通は移動も含めて長いからそこで休めるんですよ。でも、移動は短くて。
出井 しかも移動中もカメラを回されていましたからね。「あ、全部回すんだ」っていう、なんとなくの違和感はその時点でありました。
──「なんかおかしいぞ」という違和感が確信的なものになっていったのはどのあたり?
出井 同じロケ場所に戻ってきたところです。商店街から始まって、水上タクシーで移動して、また商店街に戻ったんですよ。これはだいぶ変だなと。何か条件を満たさないと抜けられないのかな?と思いました。
楢原 「8番出口」のように。
──その条件を探ってみましたか?
出井 1周目で絡んだ人にもう1回絡んでみたり、1周目と2周目で違うところがあるんじゃないかと間違い探しをしてみたりしましたが、どれも功を奏さず。
楢原 アッ思い出しました! 最初、商店街をロケしに行くことになって、商店街とは別の方向に行っちゃうっていうボケを思いつたんですよ。で、横断歩道を渡ろうとしたんですけど、30cmほど横断歩道からはみ出してしまいまして。遠くから「使えないよ!」というスタッフさんの声が飛んできて、その瞬間もう頭が真っ白に……。
出井 だいぶ初期じゃん! オープニング直後ですよ、それ。
楢原 「あーやってしまった!」と。そこからずっと自責の念が。それ以降、何も覚えてないです。
出井 ひとボケ目じゃん。
楢原 人間って出鼻をくじかれると記憶なくなりますから。
──ではその後はほぼ無意識にボケていた?
出井 オート運転だったの?
楢原 そうです。自発的なものは何もなかったです。目に入るものにただ反応していただけですね。
──出鼻をくじかれたり、違和感を覚えたりしながらも、企画趣旨通りにロケを進めていったわけですよね。
楢原 「江東区の魅力を伝えなきゃ」っていう使命感だけでやってました。
出井 そう思ってたんだ! 意識高っ。
──番組の本当の意図を聞いたときはどう思いましたか?
出井 それなら早く言ってほしかったですね。最初から本来の趣旨を聞いていたら、もっとボケ・ツッコミの数が出たかもしれない。
楢原 まあ、かかりすぎちゃって去年の「M-1グランプリ」みたいになった可能性もあるけどね。
出井 それはよくないですね。
楢原 だから聞かされてなくて逆によかったかもしれない。
子供に「なんでそんなに面白いの?」と聞かれる楢原
──道中で印象に残っているシーンはありますか?
出井 美術館に行ったんですけど、ちょうど疲れてきたところだったからか、モニュメントを見て相方が「どう言えってことでもないですね」という感じのこと言っていて。それって「何も思わない」的なことじゃないですか。それがやばかったです(笑)。あとは屋外展示の作品に「ハトのフンがかかってますね」と言っていて、美術館の人も苦笑い。使われるかどうか楽しみです。
楢原 美術館の魅力を伝えると言いながら無料コーナーしか紹介しなかったのも違和感ありました。中に入ったら入ったで「静かに」と言われるし。静かな中でもどれくらい私たちがふざけられているかっていうところが見どころです。チャップリンの血が騒ぎましたね。
出井 あら! しゃべらずとも笑いを取る?
楢原 はい。血が騒ぎました。
──「ハトのフンが……」というのはやっぱりお疲れで思わず出ちゃった発言なんですか?
楢原 いや、これはもう言ってやろうと思って。確信犯です。
出井 なんでだよ(笑)。疲れてなかったのかよ。
楢原 「これだ!」って思いましたね。そういうもんですからね、屋外展示というものは。それも全部含めて芸術なんじゃないのかと私は問いたかったんですけど。
出井 これまさに今、疲れてて面倒くさい面が出てますよ(笑)。
──後半にかけてテンションが変化していくお二人の様子が観られそうですね。
出井 序盤の明るいボケから、後半にいくにつれて楢原の持ち前の気難しさが出てました。私のツッコミに難癖をつけてきたり、揚げ足取りしたり。最初は陽気な楢原だったんですけど、だんだん素の楢原になっていきました。
楢原 逆ですよ。この人が疲れ果てていたので、ちゃんとしろよと叱責しました。なんなら無視もされましたからね。
──限界に達しそうになる中、お互いの新しい一面は発見できましたか?
出井 保育園に行ったときに、相方が4、5歳の子から爆笑を取っているのを見て、「子供にウケるんだ!」というのは新発見でした。「何か質問ある?」と子供たちに聞いたら、「なんでそんなに面白いの?」って言われてましたから(笑)。これはすごいことですよ。
楢原 僕は、魚屋さんの前を通ったときに急に相方が置いてある魚をパクってくわえてパーッと走り出したときに、「猫みたいな一面があるんだな」と思いました。
出井 なかったですよ、そんなシーン。
楢原 顔1個分くらいの細い路地に相方が顔つっこんでスルーっと行っちゃったんで、「うわ、猫じゃん!」って。
出井 なんだよ、そのアホの北村匠海。
楢原 「猫になったんだよな」(※)と思いました。
編集部注:DISH//「猫」の歌詞。
出井 そんなシーンなかったから。やめてください。
楢原 すみません、なかったです。疲れが溜まってますね(笑)。
──限界に挑戦したことで、今まで気づかなかったご自身の能力は見つけられましたか?
楢原 逆に、限界なんてものはないなと思いましたね。
出井 ええ!? マイケル・ジョーダンみたいなこと言ってるじゃん。
楢原 カットがかかっても僕の頭の中には湯水のように面白いボケが出続けてたので。まだまだいけるんだなっていうのがわかりました。
出井 僕は食レポで全然まともな感想が出てこなかったので、「疲労時の食レポは禁物」ということがわかりました。僕が0点を叩き出す中、小林麗菜さんが100点のコメントをしてくれたので助けられました。
──最後にはロケ中に出た総ボケ数が発表されたんですよね。読者には番組で確認していただきたいと思いますが、その数字を聞いてお二人はどう思いましたか?
楢原 とうとう出たなって感じです。
出井 「とうとう」ってなんなんですか? 数字を見たときは、我が事ながらあきれましたね(笑)。こんなにやってたんだっていう。誰と比べたわけじゃないですけど、絶対多いことは間違いない数字だと思います。
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