デビューして3年で東京に進出し、そのまま第一線で活躍し続けてきたナインティナイン。順風満帆に見える成功の裏で2人はどのような苦労を重ねてきたのか。著者は「お笑いに対して真面目で、一切の妥協を許さない」と当時の2人の様子を振り返りながら、「吉本印天然素材」時代の矢部浩之の苦悩や、「ABCお笑い新人グランプリ」で優勝するまでの岡村隆史の努力、先輩より先に売れたことで抱えこんだ2人のストレス、「とぶくすり」で教わったテレビの映り方などを綴っている。
後半には、それぞれ3時間に及んだという岡村隆史×黒澤裕美、矢部浩之×黒澤裕美の対談も収録。この中で岡村は「一番忙しい時に一番がんばってくれた『ナインティナイン』の恩人」と著者を評し、漫才の練習時に矢部に注文していたツッコミ方や、先輩コンビ・ベイブルースのビデオを熱心に研究していた話、「頭がパカーンてなった時」のことなどをざっくばらんに語っている。一方の矢部は、「『天然素材』の頃に、もう自分の芸のなさを実感してた」と当時の思いを述懐。その後どのように困難を克服したのかを語ったうえで、20年前から抱えている自分の弱点までを明かす。
コンビが互いをどう思い、どんな関係にあるのかという“コンビのあり方”にまで迫った本書。ナイナイファンはぜひ手に取ろう。
「ナインティナインの上京物語」目次
第1章 上京時代
「お茶碗で食べたい」 / 「マネージャー」という仕事 / 「ナインティナイン」のキャリア / 週に一度の「大好きな仕事」 / 「テレビの映り方」を学ぶ / 矢部が「司会業」を手に入れるまで
第2章 東京にテレビを教わる
「天然素材」の芸人たち / 「売れる」ということ / ストレスのたまった岡村の奇行 / 健康男子だった矢部の「5分くれ」 / 覚悟を決めた日
第3章 東京に住む
岡村の「東京外食事情」 / 「お酒」を覚えた岡村と私 / ケンカするたび縮まった距離 / 「素人マネージャー」として / 東京に住む
第4章 売れっ子芸人が背負うもの
マネージャーを辞める時 / 離れたところから活躍を見て / 飲みに来る時の顔 / なぜ彼らのレギュラー番組は長寿なのか? / 「芸能人」ということ / テレビに出てこそ輝く岡村
対談 岡村隆史と。
対談 矢部浩之と。
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