本日10月6日、北野武監督映画最新作「アウトレイジ ビヨンド」の全国公開がスタート。初日舞台挨拶に監督・出演の北野武が登場した。
登壇したのは、北野のほか、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、高橋克典、桐谷健太と、映画のキャッチフレーズ曰く“全員悪人”が黒のスーツで勢揃い。司会に「また観たいと言う人は手を挙げてください」と言われ観客がそれに応えると、北野は「挙げなきしょうがないんじゃないですか? それでも2人くらい挙げない奴がいたので、後で殴ってやろうかと」と冗談を飛ばし会場を笑わせた。
関西系の暴力団幹部を演じた西田は「監督と毎日『バカヤロー、コノヤロー』って言ってて、スポーツジムに行ってたみたいだった」と撮影の様子についてトーク。かつて観た勧善懲悪の時代劇を引き合いに出して名場面を再現してみせ、「観客のおばちゃんがスクリーンにみかんを投げてて。この映画をあのおばちゃん見たら全員にみかん投げるんだろうな。(この話)どうだった?」と観客にピースをする姿に、映画を観たばかりの観客たちはそのキャラの違いに思わず吹き出していた。さらに、描かれている抗争をイボイノシシなどの動物に例えた話も。最後に「一番の悪人は?」とMCから聞かれれると、「そりゃ大友ですよ」とたけしの役所を真っ先に挙げた。
前作に続き出演している三浦は「上り詰めるもんじゃなかったなと思うくらいひどい目に遭わされて。人を信じられない人間でしたから」と真剣に語り始め、「(自分の役の)加藤がですよ?」と慌てて注釈。部下役の加瀬が「今回は忠誠を誓って隣にいたつもりでした」と言うと、「そうだよね、申し訳なかった」と、別の加藤になり頭を下げる微笑ましい場面も。「一番の悪人は?」という質問には「小日向さんですよ。あの刑事ろくでもないですよ」と言い切ると、映画と現実をミックスした三浦の会話に会場は爆笑となった。その加瀬は「台本を読んだときから、監督のアイデアに笑っていいのか怖いのか、よく思いつくなと思ってビックリしました」と感嘆。寡黙なヒットマンを演じた高橋は「僕も『バカヤロー、コノヤロー』って言いたかったんですけど、それよりも、銃が毎回満タンに装填してあって、何発撃つという指示がなかったので、こんなに撃ったのは初めて」と別の爽快感を味わった様子だった。
桐谷は「若者を懲らしめるシーンで、監督から僕と新井くんに『野球どっちができる?』って聞かれたので、映画『ルーキーズ』で補欠役だけど野球やってたと言ったら、『じゃあ新井くん』って言われて、『俺じゃないんだ』って(笑)」と監督とのエピソードを披露。「そのシーンは監督の演出で、アドリブというかその場のノリで演じました」と明かした。
上映中には、観客から笑いが漏れる場面もあったことがMCから告げられると、たけしは「笑わそうと思ってないんだけど、結局、葬式とか結婚式とか緊張した場面って言うのは、笑いが悪魔のように忍び寄ってくる。結果、笑いになってしまう。狙ってないんだけどね。ベネチアなんかでは違うところで笑ってて困ったなと(笑)。感覚が違うのかな。逆にお笑いは商売だから、お笑いの映画を撮るとお笑いの実力がバレてしまう」とコメント。“全員悪人”のキャッチフレーズとは裏腹に“全員善人”という面もあるということで、「サバンナに行くと弱肉強食で、そのために一生懸命動くのは当たり前の話。人間的には悪かもしれないけど、善悪は俺が決めることじゃないから、自然の状況では身を守るのは普通のこと。“全員悪人”はプロデューサーがつけたから。俺は“朝のラジオ体操”ってつけようと思ったんだけど、それはシュールすぎるって言われて」と笑わせた。「一番の悪人は?」と聞かれると、「やっぱりテレビ東京とワーナーブラザーズ。コメディの宣伝ばかり。三浦さんにもバラエティに出てもらって申し訳なかった」とたけし節。最後に「1作目は女性の方が観るに堪えないシーンが多かったので、『もうちょっとエンターテインメントなものを』と。今回はバイオレンスを少なくしているので、銀座の映画館は女性客が多かったようで、ありがたいことです。女性も楽しめるように作ってあるので、あたりまえのセリフですが、また誘って観に来てください。ありがとうございます」と来場者に感謝した。
オフィシャルサイトでは、「バカヤロー!」Twitterキャンペーンや「悪いいね!」ボタンなどコメディな企画が盛りだくさんとなっているので、ぜひチェックしてみよう。
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- 10月6日公開!映画『アウトレイジ ビヨンド』公式サイト
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