初登場出演者多数、名作続々の「共感百景」

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昨日8月4日、東京・草月ホールにて一体感誕生イベント「共感百景」が開催された。

「共感百景」司会の劇団ひとりと第4回最優秀賞の大橋裕之。

「共感百景」司会の劇団ひとりと第4回最優秀賞の大橋裕之。

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「共感百景」は、テーマに沿ってプレイヤーが自由律の俳句をしたためるライブ。最終的に一番共感を得た詩がその日の最優秀賞となる。4回目となる今回の司会は1大会ぶりの劇団ひとり。顧問は初めての登場となる東直子が担当し、各ブロックの優秀賞と最後の最優秀賞を決定した。

第1局のプレイヤーは、清水ミチコ、大橋裕之、レイザーラモンRG、初登場のかせきさいだぁ。かせきさいだぁは「ソリッドな感じのを」と意気込みを語ると、これまで全大会に出場しているRGから「語尾に『がち』ってつけないほうがいいと思います。小細工に頼らないほうがいいと言われました」とかつて顧問の俵万智に言われた、RGにしかピンとこない助言をそのまま助言された。当然「がち」で攻めてくると思っていたひとりは「頼らないんですか!?」とビックリ。RGは「頼るわけないじゃないですか!」と棒読みでウィンクをかまして見せ、会場からは失笑が漏れた。テーマは「風邪」で、解説には光浦靖子。プレイヤーたちが詩を書いているシンキングタイムの間、ひとりは光浦が発売した書籍「男子がもらって困るブローチ集」について質問すると、光浦の手芸の話に。テーマの風邪にかけて、光浦は子供のころ、風邪をひいて休んだクライスメイトたちに自分の手芸作品をお見舞いに渡していたため、のちに「おちおち風邪をひいていられない」と言われたというエピソードを明かした。

最初に詩を披露した清水の作品は「熱がないと 対応が 冷ややか」。清水が「風邪にもいろんな苦しみがあるのに『37度?』と。数字で量らないでほしい」と熱弁した。東も「風邪はほかの病気よりまさに数値で判断されやすい。大病につながる可能性もある病気」と高評価。その詳しい解説にひとりは「そこまで風邪について語られるとは」と呆気にとられた。前回優秀賞を獲得した大橋は「微熱があるだけなのに『効きめはせき・たん・のどの痛み・鼻づまり・さむけ・頭痛・ゲリ』まで書いてあると飲むのなんかイヤ」と発表すると、ひとりは「すごくわかるー!すばらしい!」と感激。ところが東からは「ちょっと長すぎるかと。メモがめんどくさい(笑)。症状すべて書くことでリアリティがあるがもう少しまとめたい」と、詩の定義に沿って冷静に指摘した。ところが、その後ほかの作品が発表されていくと、東は「共感詩にルールはないとわかった」と反省。ひとりは「先生、大丈夫です(笑)」と励まし、清水は「新しい辛酸なめ子さんみたい」と、徐々に明らかになっていく東のキャラクターに興味津々の様子だった。この局の優秀賞はRGの実話「『風邪で休みます』 という言葉が全て ウソにしか聞こえない、 ウソをつかれすぎた 店長いがち」。東は「風邪というタイトルで真正面からぶつかりつつ、ストーリーがあるのがいい。風邪で困った思いをした人がたくさんいる中で、店長という1点に絞り込んだところが素晴らしい。風邪は悪くないのに悪者にされている、風邪の悲しみが感じられた」と、RG以上にストーリーを広げ褒めたたえた。

第2局は、光浦、マンボウやしろの常連メンバーと、初登場の増子直純(怒髪天)とうしろシティ。増子は隣のやしろを「アフリカの女性みたい。昨日オリンピックでめちゃめちゃ走ってた」と軽やかにいじり倒すリラックスぶりを見せた。一方、一番若手で緊張気味のうしろシティには、ひとりが「昨日YouTubeで見たよ。面白かった、転校生のネタ。さわりだけ見せて」とおねだり。うしろシティは恐縮しながらフルバージョンで披露した。テーマは「渋谷」で、シンキングタイムにはひとりと解説の清水が「ばかうけと歌舞伎揚げどっちがおいしいか」で口論。その間書き終わった増子とうしろシティ金子は隣のやしろの似顔絵を描き始める始末だった。その後増子が発表した「ややこしい パルコひとつに まとめろや!!」には会場から拍手。東も「一目見てバンとくるものがあると思ったら、ちゃんと五七五。字もいいですね」と怒りマークも添えられた色紙に目を細めた。うしろシティ阿諏訪の「天津甘栗だけで やっていけてるの だろうか」には、ひとりも「これはほんとに共感できますね」と納得。相方・金子は「あれ?この人 渋谷駅で おりないんだ」と発表し、「あ、この人は渋谷で降りる人だなと思ってしまう。降りてもらって納得したいのに、降りないときがあって。『え? 渋谷ですよ』って」と説明すると、会場からも拍手が沸き起こった。名回答が揃い東は「めちゃくちゃ難しいハイレベル」と優秀賞選考が難航。すると「難しすぎて……金メダル、銀メダル、銅メダル決めました」と言いだし、ひとりに「先生勝手なことしないでください! 初登場とは思えない。今回だけですよ」とたしなめられた。その結果、金メダルは金子の作品に決定。このやりとりを見ていた清水は「もうちょっと先生見てたらモノマネすると思う」とさらにそのキャラに引き付けられた様子だった。

第3局は、うしろシティ、光浦、かせき、RG、そして初登場のSHINCO(スチャダラパー)。テーマは「勉強」で、解説は増子が担当した。初登場SHINCOの2つの意味の“勉強”がかかった「私立の学費は もっと勉強して 欲しかった」には、ひとりも「うまいですね」とにやり。本人も「うまいなと思ってほくそ笑む自分が嫌ですね」と苦笑いして答えた。そしてかせきの作品「集中できるのか? みすず学苑で」には、会場から大きな拍手。解説の増子も「建物の前に大きなフィギュアがあるんだよ」と興奮して加勢し、大いに盛り上がった。RGの「正岡子規の 落書きされ率 安定した数字たたき出しがち」には全員「わかる」と共感するも、東は「でも3行目要りますかね? 詩は説明じゃない、感じるもの」と、俵と同じ指摘。この指摘に会場も共感し爆笑となるも、RGは「最後をカットすると俺じゃなくなる」と最後まで抵抗した。この局の優秀賞はかせき。東から「ツッコミどころがたくさんあるのに『集中できるのか』と短い言葉でまとめたところが素晴らしい」と大きな共感を得た。

最後の第4局は、清水、増子、SHINCO、大橋、やしろでテーマは「自販機」。解説はRGで、ひとりが今度はRGに「あるある聞きたい」とおねだりを。「声が出るかどうか」と渋ったRGだったが、「オリンピック」がテーマと言われ「1個だけある」と承知し、クリスタルキングの「大都会」にのせて「閉会式で選手ダラダラしがち」と歌うと、ひとりは笑いながら膝から崩れ落ちた。今回も審査は難航し、またもオリンピック方式をとることに。その結果、銅メダルはやしろの「買う。当たりだ!! 押す。2本取る。お釣り260円」、銀メダルは清水の「『ぬる~い』 ボタンを 作ってほしい」、金メダルは大橋の「『人数分テキトーに買ってきて』 のテキトーが 僕には重過ぎる」に決定。「テキトーという言葉の中に含む残酷さを非常によくとらえていて、文学的にも素晴らしい」と絶賛した。そしてこの作品が今大会の最優秀賞に決定。「大橋さんならではの新しい言葉の発見。世界が広がるような作品」と締めくくった。多くの新プレイヤーと新顧問の登場で、また新たな展開を見せた「共感百景」。次は果たしてどのような共感詩が生まれるのか。今後の情報はスラッシュパイルオフィシャルサイトで確認を。

劇団ひとり、大橋裕之コメント

大橋裕之:信じられないです、嬉しいです、すみません普通で(笑)。

劇団ひとり:僕は最初に出された風邪のテーマの詩が最優秀共感詩でしたね。ちょうど一昨日くらい風邪気味で薬局行ったときにほんとまさに今日の詩と同じ気持ちだったので。ただなんせ顧問の心が開かなかったので。でも歌人の他の方というのは独特な雰囲気で、いい意味でテキトーで面白い方でしたね。

大橋:傍から見てて東さんすごく面白かったです。

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ocean sunfish @Lovely_Meena64

第4回
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